「1911」 『馬鹿ブス貧乏な私たちを待つ ろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。』(藤森かよこ著、ベストセラーズ刊)が発売になった 2020年12月25日
 SNSI・副島隆彦の学問道場研究員の古村治彦です。今日は2020年12月25日です。


馬鹿ブス貧乏な私たちを待つ ろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。

 藤森かよこ氏の最新刊『馬鹿ブス貧乏な私たちを待つ ろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。』が発売になりました。前作『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』は重版を重ねるベストセラーです。最新刊は新型コロナウイルスバカ騒ぎの中で書かれたものです。以下にまえがき、目次、あとがきを掲載します。是非手に取ってお読みください。

(貼り付けはじめ)

やはり長いまえがき

●本書はコロナ危機に対する著者の不安と恐怖解消活動の副産物

 こんなことを書くのは実に不謹慎なのだが、二〇二〇年二月から三月にかけて、私は生まれて初めて経験するパンデミックにわくわくしてしまった。三月の初めの頃に東京に行ったら、名古屋駅も東京駅も新幹線のホームに人がいなかった。なんという新鮮な清々(すがすが)しい風景。

 と同時に、私の心理状態は不安定になった。生まれて初めてのパンデミックは面白いと同時に、やはり不安だった。

 不安なときや、恐怖に駆られたときは、自分が怖いと思っている対象について徹底的にリサーチするに限る。

 私が生まれて初めて痴漢に遭遇(そうぐう)したのは、高校三年生のときだった。国立大学を受験する朝の電車の中であった。ショックだった。

 しかし、私は、その痴漢の気持ちの悪い顔の残像(ざんぞう)から逃げなかった。敢えて何度も何度もその痴漢の気持ちの悪い顔を思い出して記憶に刻み込んだ。折りたたみナイフをポケットに入れ、今度会ったら刺してやると決めた。私に痴漢をした男の顔というものを心の中で何度も凝視(ぎょうし)しているうちに、私の痴漢に対する恐怖はじょじょに薄れていった。なんだ、ただのクズじゃん。

 怖いなら、逃げずにリサーチだ。コロナが怖いなら新聞を読み、関連図書を読み、ネットで調べる。

 新型コロナウイルス感染症拡大危機(以後、コロナ危機と書く)が、その到来を加速させるろくでもない類の近未来が怖いならば、その近未来に起きるであろうこと(大恐慌や監視管理社会の到来や戦争や、ほとんどの人間が無用となるデジタルワールドなど)について調べる。その近未来を迎え撃つための方法を考える。

 本書は、私のコロナとコロナ危機に対する不安と恐怖解消のためにしたリサーチの副産物だ。

●コロナ危機は世界を強引に「ある方向」に進ませる

 リサーチ、リサーチ。まずは、私は購読している新聞(「日本経済新聞」)のコロナ関連記事を切り抜いてクリアファイルに入れるようになった。四〇枚ポケットのクリアファイルはあっという間に増えて、三月から九月の間に二二冊になった。

 こんなことを言うのは、年甲斐もなくナイーヴに過ぎるが、紙媒体の新聞というものは電子新聞より面白い。あらためて丹念に読むと貴重な情報満載だ。

 と同時に、新聞というものは、わりとあからさまに読者を誘導しているということにも今更ながら気がついた。「新聞は日付け以外はみな疑え」と、どこかに書いてあった言葉を思い出した。

 また、コロナ危機に関連して、新聞記事やインターネットに氾濫する記事や動画を漁(あさ)っているうちに、事態は単なる感染症騒ぎではなさそうだと思うようになった。「ある方向」へ世界を引っ張っていく力が働いていると感じるようになった。「シナリオ」があるような気がした。

 シナリオといっても、生身の人間が考えたシナリオだから、そのシナリオどおりに事態は進行しない。想定外のことは起きる。明日、宇宙から超巨大な隕石が海に墜落し、恐竜が滅びたようなプロセスで、世界を支配している人々もろとも人類全体が滅びるかもしれない。またシナリオは事情に応じて何回も書き換えられる。しかし大筋は変わらないだろう。進行方向は同じはずだ。

 その進行方向が見えるような気がした。そうか、世界はそちらに向かうのか。

 ここで私を「陰謀論者」と呼ばないでくださいね。副島隆彦(そえじまたかひこ)が『陰謀論とは何か―権力者共同謀議のすべて』(幻冬舎新書、二〇一二)で提案したように、ちゃんと正確に「権力者共同謀議論者」と呼んでください。

 そういえば、前著『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』に関するアマゾンのレヴューに「陰謀論的考えがよくない」というコメントがいくつかあった(レヴューを書いてくださったみなさま、ありがとうございました!)。

 今どき、「権力者共同謀議」の存在を否定する人間がいることに驚いた。共同謀議は存在するに決まっている。国策でも企業の方針でも、ほんとうのところは五人ぐらいの話し合いで決まる。小学校の学級会じゃあるまいし、多数決の民主主義で決まると思ってんの?

 ただ、コロナ危機までの私は、その「権力者共同謀議」というものを、あくまでも他人事(ひとごと)にしか感じていなかった。庶民の私とは直接には関係のない「社会の裏事情(うらじじょう)」だと思っていた。勝手にやってろ、と思っていた。

 ところが、それまではどうでもいいと思っていた「権力者共同謀議」によって引き起こされ増幅(ぞうふく)されたらしきコロナ危機のせいで、私が『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』において書いたことが通用しない状況になってしまったことに気がついた。

 これが問題。なんという迷惑な。前著を書き直すわけにはいかないので、私は前著の補足版を書くことにした。それが本書です。

●コロナ危機によって「遠い未来」が「近未来」になった

『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』を書いていた二〇一九年においても、今の時代が大きな大きな変化を前にした階段の踊り場ような時期であることは、わかっていた。

 大きな大きな変化とは、どのような変化だろうか。

 内閣府や省庁のウエッブサイトには、数年前から「Society 5.0」だの「スーパーシティ構想」だの「ムーンショット目標」だの、政府が一〇年後二〇年後に実現させるつもりのヴィジョンが開示されていた。それらを読むと、まるでSFだった。「アバター」なんて言葉が普通に出てくるのだ。

 官公庁のウエッブサイトは面白い。あれを丹念に読めば、卒業論文程度ならば、ネタ探しに事欠かない。資料も無料でいくらでも手に入る。

 日本政府が、主体的に「Society 5.0」だの「スーパーシティ構想」だの「ムーンショット目標」だの考えるはずがない。どこからか指令が来ているに決まっている。日本は属国としての歴史が長すぎる。

 指令しているのは(世界を動かす超特権的支配層の走狗(そうく)的機関である)「世界経済フォーラム」(WEF/ The World Economy Forum /ダボス会議)らしい。パソナグループ取締役会長の竹中平蔵がこの組織の評議員を長く務めている。このWEFは「第四次産業革命」をめざしている。AI化ロボット化が普通になる世界が二〇五〇年頃までに実現すると断言している。

 この世界を動かす人々は、人類が抱える諸問題は、SFのように見える手段によって解決すると思っているらしい。

 それも一理ある。人類の精神の進化に期待しても、その歩みは遅々(ちち)としている。遅すぎる。キリスト教諸国も仏教諸国も、キリストや釈迦の教えをいまだに実現できていない。遺伝子の突然変異による人類の精神の進化にも期待できない。突然変異なんて滅多に起きないのだから。したがって、科学技術の発展で人類の限界を広げるしかないというのは、わかる。

 加えて、人類にとっての人跡未踏(じんせきみとう)の希望の地はサイバー空間しかないようだ。それ以外は、もう地球上には残っていない。どこかの惑星に移住して人類社会のやり直しを試みることもできそうにない。巨大な宇宙ステーションを構築して、そこに選ばれた人類のみが住むというプランを持っている人々もいるが、それも、今の人類の身体条件のままでは無理だろう。ほんとうは、人類は月面着陸さえしていないらしいではないか。

 もはや、科学技術の発展を加速化させ、オンライン化AI化ロボット化を進め、人類の限界を突破し、エネルギー問題や少子高齢化問題や階級格差や教育格差を解消するしかないのだ。

 科学技術の発展(正確にいえば軍事技術の民間への放出なのだが)によって、現代世界が抱える問題を解消させる未来を実現させることは、ある種の政治エリートや科学者にとっては最重要課題であった。二一世紀に入ってからは、そのような科学的啓蒙書(けいもうしょ)もいっぱい出版されるようになった。

 しかし、そのようなAI化ロボット化によって、普通の女性どころか普通の男性の仕事も消える。少なくとも、「今ある仕事」のかなりが不要になる。雇用が消えたら収入も消える。

 いくらAI化ロボット化によって商品やサービスの生産性が高まっても、商品やサービスを買うことができる人間がいなくては意味がない。だから、国民が消費力、購買力を持てるようにユニバーサル・ベイシック・インカムが導入されるべきだと論じる本の出版も、二〇一〇年代になってから目立つようになってきた。

 しかし、AI化ロボット化によって雇用が消え、ベイシック・インカムの導入が本格的に論議されるのは、まだまだ先のことだと私は思っていた。

 大企業はいざ知らず、日本の企業の九割以上を占める零細中小企業は、コスト面でAI化ロボット化する余裕がない。AIもロボットもメインテナンスには費用がかかる。ならば機械ができることでも人間にさせておくほうが低コストだから、あと三〇年は現状維持に近いだろうと私は甘く見積もっていた。

 特に、日本の役所や企業や学校は、変化に対してシレっと抵抗し、素知らぬ顔して旧態依
然(きゅうたいいぜん)を反復する傾向が大きい。だから普通の女性の雇用についても、何とかなるだろうと私は思っていた。

 ところが、コロナ危機のために、「普通のそのへんの女性(と男性)の雇用が消える未来」が近くなってしまった。

 普通のそのへんの女性が多く雇用されている職場は、正規雇用にせよ非正規雇用にせよ、対面型接触型サービス業が多い。観光業や宿泊業の従業員に、小売店の店員や飲食店のホールスタッフに、航空会社のフライトアテンダントに、セックスワーカーを含む歓楽系接待業が多い。

 コロナ感染拡大を防ぐには、人間と人間が接する機会を減らすしかないのだから、緊
急事態宣言発出(はっしゅつ)以後の外出自粛期間には、これらの職に従事する女性たちは休業や自宅待機を強いられた。

 二ケ月近い休業要請による経済活動の強制停止により、多くの零細中小企業は苦しい経営を強いられ倒産も増えた。エリートではない普通の女性を雇用している職場は、日本の企業の九割以上を占める零細中小企業が多いので、女性の雇用がさらに収縮する。

 コロナの襲来は第二波も第三波もあるらしい。今回のウイルス騒ぎが収束するのは二〇二二年になるという予測もある。つまり、コロナ危機による休業要請などは今後も繰り返される可能性が高い。となると倒産閉店はこれからも増え、失業者は増加する。

 大企業勤務の女性も安穏(あんのん)とはしていられない。リストラも多くなる。在宅勤務のリモートワークやオンライン化が、ウイルス感染拡大を招く三密状態を回避するために急いで導入されたので、そのために雇用形態の変化も起きる。

 経営者は、「職務定義書(しょくむていぎしょ)」(job description)を明確にすれば、社員が在宅勤務でも同じような成果が出せるとわかった。週五日出勤体制は無用だとわかった。高い賃料を払って都心のオフィスを確保しなくてもいいとわかった。社員食堂も用意しなくていいとわかった。

 ついでに、「職務定義書」が明確であれば外注できるから、正社員を雇用しなくてもいいということもわかってしまった。
 ひいては、企業に必要なのは、株主と経営者と具体的な実働(じつどう)要員(タスク・フォース)に明確な課題や指示を出すことができるだけの管理職がいればいいとわかった。鳥のような俯瞰(ふかん)的視野と虫のように細部を見る目を持った優秀な管理職さえいれば、他の社員は全員派遣でもいいとわかってしまった。この管理職でさえ、「ビッグデータを随時更新して自己学習する人工知能」ができれば無用になるかもしれない。

 この動きは止まらない。世の中というのは変わるときにはサッと変わる。
 人間が余る。人間の在庫が多くなる。

 人間の在庫が多くなる近未来を、馬鹿ブス貧乏な女性は生き抜けるのか? ただでさえ、私を含む馬鹿ブス貧乏な女性にとっては、生き難い世界なのに。

●ほとんどの人間が「無用者階級」になる近未来

 私たちが生きている資本主義社会というのは、資本家がコスト削減し、利潤拡大し、蓄積された利潤を増大(ぞうだい)させるために投資を繰り返す運動だ。一番のコストは人件費だ。労働者に支払う賃金だ。資本家にとって賃金を支払わずに済む労働力が理想だ。だから、可能ならばAI化ロボット化に移行するのは当たり前だ。資本主義は不可避にその方向
に行く。

 コロナ危機は、その動きを加速させた。コロナ危機は、今までの世界のビジネスのあり方や仕事のあり方を激変させたというよりも、前々から予測されていたことの実現を速めることになった。そういう時代は、それに応じて人間の生き方も変わることになる。

 だから、イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari,1976-)は、『ホモ・デウス―テクノロジーとサピエンスの未来』(柴田裕之訳、河出書房新社、二〇一八)の下巻一四七頁の「無用者階級」というセクションにおいて問題提起したのだ。

「二一世紀の経済にとって最も重要な疑問はおそらく、厖大な数の余剰人員をいったいどうするか、だろう。ほとんど何でも人間よりも上手にこなす、知能が高くて意識を持たないアルゴリズムが登場したら、意識のある人間たちはどうすればいいのか?」(『ホモ・デウス』下巻一四七頁)と。

「アルゴリズム」というのは、問題を解くための数学的計算手順のことだ。プログラミング言語を使って、問題の解決手順を記述したものをコンピューターのプログラムと呼び、それを実行すると、有限時間内に解が得られるものが正しいアルゴリズムである(二〇〇七年版『知恵蔵』筑波大学名誉教授星野力の解説より)。

 ほとんどの人間は、今まではプロレタリアート(Proletariat)、「無産階級」であることで苦しんできた。とはいえ、「無産」でも労働すれば賃金を得ることができた。しかし「無用者階級」になったら、どうすればいいのか。無用者階級でも死ぬまでは生きている。死ぬまでの時間を合理的に(=自己に真に利益があるように)使わねばならない。

 賃金労働は最も合理的な暇潰(ひまつぶ)しであった。賃金労働は最も効果的な学習機会であった。賃金労働が消えたら、人類は、どうやって暇潰しをするのだろう。

 これは人類史始まって以来の大衝撃で大変化だ。人類に突き付けられた大挑戦である。うまくいけば、全人類が賃金労働から解放され、真に自分のしたいことができる時代が来るのかもしれない。そのときには労働すら余暇活動になるのかもしれない。

 ただし、そういうチャンスに満ちた未来の到来の前に「過渡期(かとき)」というものがある。

この過渡期は二〇年間くらいだろう。長くて三〇年。つまり、二〇四〇年までか五〇年までは過渡期だろう。あなたが生きる時代は、もろこの過渡期にはまる。

 この過渡期は、ほぼ混乱状態でろくでもないだろう。おそらく、未来の「全人類が労働から解放され、真に自分のしたいことができる時代」の到来の前には、人口削減(さくげん)時代があるに違いない。

 人口削減は戦争によるのか、より平和的に非暴力的にパンデミック襲来の反復によるのか、あるいは死という副作用のある類のワクチンによって実現させるのか、福祉政策を捨てるのか、人工気象装置で大地震でも起こすのか、それはわからない。

 なぜ人口削減されることになるのか。よりマシな時代にするには人類が多すぎるから。人間の在庫が多すぎるから。ここらあたりの事情は、副島隆彦の『余剰の時代』(KKベストセラーズ、二〇一五)を読んでください。

 ほんとうは、人間は余っているのです。その証拠に、少子化対策など日本政府は本気でしていないでしょう? 反対に、結婚も出産も育児もしにくい社会を放置しているでしょう? ほんとは、少子化でいいのです。

 ともかく、普通の庶民は、この過渡期にさんざん翻弄(ほんろう)され、「無用者階級」確定だ。難儀(なんぎ)なことだ。

 二〇四〇年に生きていれば、私は八七歳。その頃には、日本でも生と死に関する哲学
も進化して、「安楽死」が合法(ごうほう)になっていればいいのだが。しかし、まだまだ日本人はその段階には達していないかもしれない。

 二〇四〇年では、庶民が身体を機械化して老いの不快さや不便さを解消できるサイボーグになれる状態を享受(きょうじゅ)できるほどには、科学技術が安価に利用できる段階にも至っていないだろう。そうなると、八七歳の私は三〇〇%「無用者階級」だ。

 ハラリのような高名な学者が、私のような余った人間を「無用者階級」と呼ぶことについては、どうでもいい。問題は、私にとっては、私自身は無用じゃないということだ。どんな時代になろうと、人間は自分自身の尊厳を否定できない。

「こんな人生なんて、こんな私なんて」と思っても、人間は自分自身のことを唯一の宝物(たからもの)だと思っている。その宝物が傷つくし苦しむから辛い。人間は、他人から「無用者階級」に分類されても、「無用者階級」ではいられない。無用者階級になってたまるか! 世界が私を必要としなくても、私自身は世界に居座る。

 本書の目的は、来(きた)るべきろくでもない近未来と、もうちょっと先の面白い(かもしれない)未来において、「無用者階級」と処理される「馬鹿ブス貧乏な普通のそのへんの女性」が、自分で自分を無用者階級にしないための対策を考えることにある。

 ここで、あらためて私が意味するところの「馬鹿ブス貧乏」の定義を、もっと露骨に明確にする。

「全人口のうち上位三%の知力の持ち主でなければ馬鹿」です。「知力」の定義が難しいですが、まあここは適当に考えて下さい。一九四六年にイギリスで創設されたメンサ(MENSA)の条件は、全人口のうち上位二%の知能指数の持ち主が会員の条件だそうだから、メンサよりは条件が緩いかもしれません。

「美貌やプロポーションの良さだけで高収入を得ることができないならブス」です。

「どんな政治的社会的変動があっても、生活が安泰な超富裕層以外は貧乏」です。

 つまり、普通のそのへんの人間は、全人口の九七%くらいの人間は、みな「馬鹿ブス
貧乏」です。不愉快でも受け容れてください。

●本書の構成

 本書は、一五の章に分かれている。本書に収録された文章のほとんどは、KKベストセラーズ社のウエッブマガジンBEST T!MESに、二〇二〇年三月から一〇月の間に発表したコロナ危機関連の文章に加筆したものだ。

 インターネットでは長い文章は、あまり読まれない。タブレットやスマホの画面で読める文章の字数には限りがある。だから、BEST T!MESに掲載された記事の文字数は長くても六〇〇〇字が限度だった。ほんとうは二〇〇〇字くらいが妥当らしい。

 だから、書いても割愛(かつあい)せざるを得なかった部分が多かった。私が考えていることは、世間(せけん)一般からすると不快で危ないことが多いので、そのあたり最少にするためにも割愛した部分が多かった。本書に収録するにあたって、それら割愛した文章を思いっきり復元させた。まったくの書(か)き下(お)ろしは、最終章の第一五章だけである。

 各章の記述には繰り返しがちょっと散見される。その点は、反復されることによって理解が深まると前向きに解釈していただければ、ありがたいです。

 また、各章の最初に、その日付の累積コロナ感染者数と累積死亡者数が記されている。その数字は、厚生労働省が毎日正午に発表したものだ。

 日本におけるコロナ危機の最初の段階では、外国人観光客の感染者が多かったので、累積コロナ感染者数のうちの日本国籍者数を厚生労働省は発表していた。四月に入ったあたりから、累積コロナ感染者数のうちの日本国籍者数は発表されなくなった。だから、本書でも、途中から累積コロナ感染者数のうちの日本国籍者数を記入していない。

 さて、どこからでも、ご興味のおありになるところから、読んでやってください。てっとり早く結論を知りたいと思う方は、最終章からお読み下さい。できれば順番に読んでいただきたいです。今回のコロナ危機が、自然発生的なものではなく、世界をある方向に引っ張っていくための操作だと私が思うことに、あなたも共感してくださると思うからです。そして未来がどういう世界になるのか、イメージが明確になると思うからです。

 これから、大変な時代が来ます。しかし、あなたの生き方によっては、退屈しない面白い時代が来ます。その時代を迎え撃つための準備として、本書が少しでもあなたのお役に立つのならば嬉しいです。

=====

やはり長いまえがき …………18
本書はコロナ危機に対する著者の不安と恐怖解消活動の副産物 …………18
コロナ危機は世界を強引に「ある方向」に進ませる …………20
コロナ危機によって「遠い未来」が「近未来」になった …………22
ほとんどの人間が「無用者階級」になる未来 …………28
本書の構成 …………33

第 1 章 コロナ危機があらわにした日本の家族の問題 …………37
1・1 前代未聞(ぜんだいみもん)! 学校が一斉休校になった! …………38
1・2 現代日本の学校は学校以上「デイケアセンター」 …………39
1・3 ほんとうは日本人は子どもが嫌い? …………41
1・4 育児に要求されることが多い現代 …………45
1・5 中産階級が生まれた近代から子育ての苦労は生まれた …………46
1・6 古代から親の三〇%(?)は毒親 …………49
1・7 一九九〇年代から可視化された毒親問題 …………51
1・8 悪魔のような親は存在する …………53
1・9 残虐(ざんぎゃく)な事件の実態は報道されない ………… 54
1・10 古代からあった家族内性的虐待 …………57
1・11 毒親もいれば「毒子」もいる …………61
1・12 あらためて認識された学校給食の決死的重要性 …………66
1・13 日本の家族の機能不全を受容するしかない …………68

第 2 章 コロナをめぐる権力者共同謀議論を漁(あ)さる …………71
2・1 ウイルス発生源をめぐるネット界の噂 …………72
2・2 ウイルスが中国製だろうがアメリカ製だろうが …………74
2・3 ウイルスワクチン販売促進のための都市封鎖? …………77
2・4 グローバリズムはパンデミックを不可避に生む …………80
2・5 経済危機の犯人をコロナのせいにするための都市封鎖? …………83
2・6 混沌とした世界を理解する一助としての権力者共同謀議論 …………84

第 3 章 アフターコロナには監視管理社会になるらしい …………87
3・1 国際的知識人の見解にご用心 …………88
3・2 ユヴァル・ノア・ハラリは監視管理国家を予測する …………90
3・3 コロナ危機で強化される国民監視体制を暗に支持? …………91
3・4 自由より安全を選べば監視管理社会になる …………94
3・5 未来予測なのかシナリオなのか? …………96

第 4 章 剰余価値も生み出せない生産性のない労働者だった自分に気がつく …………97
4・1 コロナ危機での各国政府の巨額財政負担は大丈夫なのか? …………98
4・2 前例(ぜんれい)のない大盤振舞(おおばんぶるま)いをする各国政府 …………100
4・3 日本の財政出動もすごい …………102
4・4 各国の大型財政支援はMMTの正しさの証明か? …………103
4・5 MMTが官僚支配の社会主義に見えてしまう私 …………106
4・6 副島隆彦の『経済学という人類を不幸にした学問』の衝撃 …………109
4・7 どんな経済政策でも失敗すると想定しておく …………115
4・8 経済学的には「無用者階級」である自分にあらためて気がつく …………118

第 5 章 高等教育のオンライン化は教育格差解消に貢献できる …………121
5・1 コロナ危機前から大学はすでにオンライン化が進行していた …………122
5・2 アメリカには完全オンラインで学位取得できる大学は四〇〇以上 …………123
5・3 日本の完全オンライン大学は二〇二〇年現在二大学のみ …………126
5・4 オンライン大学講座ならば日本でも盛んである …………128
5・5 高等教育のオンライン化が進むべき理由 …………129
5・6 現代大学生のお金事情―奨学金という借金 …………132
5・7 オンライン化の問題もある …………137

第 6 章官公庁のサイトには公開されているけれど国民の多くが知らない国策 …………141
6・1 小中高のオンライン化はコロナ危機前からの国策 …………142
6・2 補正予算二三一八億円規模の「GIGAスクール構想」 …………144
6・3 Society 5.0時代に適応できる国民を育成すること …………146
6・4 Society 5.0時代の暮らしを想像する …………148
6・5 Society 5.0は国民のデータを集める監視管理社会でもある …………150
6・6 あまりにタイムリーなコロナ危機 …………152

第 7 章 コロナ危機は「第四次産業革命」実現のための布石(ふせき)…………155
7・1 田中宇(たなかさかい)の「新型コロナウイルスの脅威を誇張する戦略」説 …………156
7・2 WEFの第四次産業革命 …………157
7・3 日本政府の未来目標は第四次産業革命の焼き直し …………160
7・4 「ムーンショット目標」の驚愕(きょうがく)する中身 …………161
7・5 石黒浩の『アンドロイドは人間になれるか』を読むべし! …………164
7・6 人類に残されたフロンティアはサイバー空間だけ …………168
7・7 二〇二一年のWEFのテーマは「グレート・リセット」! …………170

第 8 章 世界支配層御用達(ごようたし)機関と御用学者が奇妙に道徳的になっている …………173
8・1世界支配層の代理人たちが道徳を唱え始めたほど世界は危機に瀕している …………174
8・2 「資本主義ではなく才能主義へ」と言うWEF会長 …………175
8・3 クラウス・シュワブとジャック・アタリの奇妙さ …………176
8・4 『2030年ジャック・アタリの未来予測』は利他主義を説く …………179
8・5 国連は一七の持続開発目標SDGsを掲げる …………183
8・6 未来世界の企業はCSRの実践があたりまえ? …………186

第 9 章 アフターコロナの雇用収縮は女性にとってこそ大問題 …………191
9・1 コロナ危機は「女性の最後の職業」をも脅かす …………192
9・2 対面型接触型サービス業で食べていくのは無理かもしれない …………194
9・3 コロナ危機により促進される在宅勤務と雇用形態の変化 …………196
9・4 メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用へ …………198
9・5 限りなく派遣に近いタスク型雇用 …………202
9・6 Society 5.0における働き方 …………205
9・7 有史以来の女性の危機はチャンスでもある …………207

第 10 章 不穏な盛夏にアフターコロナ対策本出版ラッシュ …………213
10・1 不穏さを秘めた盛夏 …………214
10・2 アフターコロナ対策本出版ラッシュ …………216
10・3 タフなフリーランスが期待される被雇用者 …………217
10・4 幅広く深い教養を持つことが期待される被雇用者 …………218
10・5 リベラルアーツとAIリテラシーを身に付けるのが期待される被雇用者 …………220
10・6 雇用消滅後の人生にこそリベラルアーツ …………222

第 11 章近未来は最悪を予想しておくぐらいが丁度よい …………225
11・1 近未来予測動画が伝えるのは大恐慌と預金封鎖と監視管理国家の完成 …………226
11・2 某有料会員制セミナーの未来予測は人口削減で「新世界秩序」完成 …………229
11・3 来るべき食糧危機に備えよ …………230
11・4 地球の支配者は宇宙人だという説もある …………231
11・5 「ディープ・ステイト」の現在 …………235
11・6 米中戦争は二〇三〇年? …………237
11・7 未来は独居高齢者見守りロボットで孤独死問題は消える …………238
11・8 近未来の庶民の暮らしはどん底 …………241

第 12 章 消える仕事ではなく「今ない仕事」を考える …………243
12・1 「今ない仕事」を想像する楽しさ…………244
12・2 二〇三〇年には、あなたはアバターを駆使できる…………246
12・3 職種は永遠ではない…………247
12・4 人間至上主義(西洋近代啓蒙思想)は失敗したのか?…………249
12・5 人間の社会性と創造性を全開させるのはこれから…………251
12・6 私が欲しい「今ない仕事」…………254
12・7 私が欲しい今ない仕事「サイコパス出生防止技師」を弁明する―中絶合法化がアメリカの犯罪者を減らした …………256

第 13 章 デジタル化の必要性を真に日本人が認識していないのが問題だ …………261
13・1 菅政権「デジタル庁」創設…………262
13・2 デジタル化が必要な真の理由はコロナ危機でも資本主義のコスト削減でもない…………265
13・3 デジタル化してこそ人類に未来がある …………268
13・4 機械が人類を滅ぼすより、人類が人類を滅ぼす可能性のほうが高い …………271
13・5 身体の機械化への抵抗が小さくなりつつある現代 …………272
13・6 肉体にうんざりしつつある人類 …………275
13・7 テレワークに向いた回避型人類 …………276
13・8 霊肉分離の兆候 …………279
13・9 女性こそICTスキルを学ぼう …………282

第 14 章 コロナ危機のために女性の自殺者が増えている! …………285
14・1 七月からずっと女性自殺者数が増加している …………
14・2カネも気晴らしもない鬱屈と未来への不安と孤独感は特に女性を蝕(むしば)む …………287
14・3 反出生主義者で「地球は地獄だ」と思う私 …………290
14・4 私が自殺しなかった理由 …………292
14・5 ダメもとで他人に助けを求める …………298

第 15 章 無用者階級になってたまるか! …………301
15・1 ICTスキル学習 …………302
15・2 困窮したら公的支援について調べ利用する …………302
15・3 平々凡々な日常生活を楽しむ達人になる…………306
15・4 食糧難に備えて小食を習慣にし、自分で食料生産してみる …………309
15・5 信頼できる人を気長に見定め確保する …………312
15・6 学び続けていれば怖くない …………315
15・7 「ほんとうに好きなこと」を見つける …………316
15・8 魂の不滅を信じる蛮勇を持つ …………319
15・9 無用者階級に甘んじたくないなら読むべき二冊 …………323

あとがき …………326

文献リスト(紹介順) …………328

=====

あとがき

 本書は、私のコロナとコロナ危機に対する不安と恐怖を敢えて追いかけた記録でもあるし、コロナ危機によって状況が変わり、前著『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』で書いたことが通用しなくなったので、前著の補足版でもあることは、すでに書いた。

 しかし、この出版不況の時代に、そんなものを書籍にする意味はあるのだろうか? 売れるとも思えない。コロナの襲来が反復されれば、書店はまた休業してしまうのに。

 しかし、KKベストセラーズの編集者である鈴木康成氏は蛮勇を振るって、「出しましょう!」と言ってくださった。ありがとうございました! またも大変にお世話になりました。

 KKベストセラーズのWEBマガジンBEST T!MESの担当編集者の山﨑実氏にも、お世話になりました。ありがとうございました! ネットコラム記事にしては長い原稿ばかりを送りつけて申し訳ありませんでした。

 前著と同じく、本書の素敵な装丁を担当してくださった大谷昌稔(おおたにまさとし)氏に感謝いたします。ありがとうございました!

 前著と同じく、本書の不思議な気の明るさのあるカバーイラストを担当してくださった伊藤ハムスター氏に感謝いたします。ありがとうございました!

 そして、私の第二作である本書を読んでくださったみなさまに、この場を借りてお礼
を申し上げます。ありがとうございました!

 正直言って、二〇二〇年はくたびれた。

 さてさて近未来は、さらにくたびれるのだろう。それでも、迎え撃つしかない。退屈
しなくていい。

二〇二〇年秋

藤森かよこ

(貼り付け終わり)
(終わり)

copyright(c) 2000-2009 SNSI (Soejima National Strategy Institute) All Rights Reserved.