そこの中間に、メンデルの法則というのをつくった。グレゴール・ヨハン・メンデル(Gregor Johann Mendel、1822-1884年)という学者がいた。この人はオーストリア帝国のブリュンで司祭をしていました。メンデルの法則から遺伝子の学問ができて、今はジーン(gene)という、遺伝子というもので、ジェネティクス(Genetics)という遺伝学という学問になったんです。
そういうことで歴史がこっち側のほうにどんどん新しくなってくると、細かいことももっとあるんだけど、もう今は言いません。狩猟採集民という言い方があって、ハンティングアンドギャザリング・ピープル(hunting and gathering people)というんだけど、狩猟採集民が農耕民(農業民)にいつ変わっていったかという話もずっとしています。それはあちこち山の中をうろついたり、草原のところをうろついたりして食べ物を見つけて回るわけです。
もうあんまり話はないけど、紀元後1500年ぐらいからを近代といいます。ヨーロッパ人が船の力で、バスコ・ダ・ガマ(Vasco da Gama、1460-1524年)なんかが1510年ぐらい、1480年ぐらいにインドのゴアにまで到達するんです。1522年にマゼラン(Ferdinand Magellan、1480-1521年)のマガリャンイス、世界一周で、マゼランはフィリピンのあたりで原住民に食べられて死んじゃったけど、1隻だけ戻ってきたんです。それが1522年でしょう。あのころから船の恐ろしい運搬力があるから、船の時代が来ると。ヨーロッパ近代というのが世界を支配した500年なんです。これも日本人は理解したほうがいい。たった500年なんです。ヨーロッパ白人たちが世界を制圧して、やがて植民地主義、やがて帝国主義をつくって、属国群を支配管理していった。
ガリレオ(Galileo Galilei、1564-1642年)やスピノザ(Baruch De Spinoza、1632-1677年)たちはレンズ磨き職人なんです。最高級な性能のレンズをつくれるとそれが望遠鏡とかになるわけで、今のハイテクエンジニアなんです。だからお坊様でなくても、修道院の坊主でなくても、都市の中でそういう知識人階級が存在したと。その初めのころの人たちなんです。ヨーロッパ近代というのもが1500年ぐらいから世界中を支配して、今もそれが続いていると。しかしそれもだんだん衰えが見えているということです。次の帝国と古代文明の細かい話は、次回します。
(終わり)
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