「1991」『世界政治 裏側の真実』(副島隆彦・佐藤優著、日本文芸社、2017年)が発売となります。 古村治彦(ふるむらはるひこ)筆 2017年9月14日
 SNSI研究員の古村治彦です。

 本日は、副島隆彦先生と佐藤優先生の最新刊『世界政治 裏側の真実』(日本文芸社)をご紹介します。書店発売は2017年9月28日です。


世界政治 裏側の真実

 副島先生と佐藤先生の共著は今回で4冊目となります。毎回、縦横無尽、難しい思想のお話から現実的な政治、経済、とあらゆる事柄に話が及んでいます。今回もアメリカ政治、北朝鮮問題、安倍政権など、多岐にわたっています。

 今回の本の表紙には、「忍者・佐藤優と狂犬・副島隆彦の手裏剣(しゅりけん)対談」という言葉が付けられています。副島先生は、この言葉を本のタイトルにしようと考えていたそうですが、最終的には「世界政治 裏側の真実」がタイトルとなり、この言葉は惹句(惹きつける言葉)となりました。現代の「忍者」である佐藤先生と、言論界の「狂犬(吠え島猛彦[ほえじまたけひこ]というあだ名があったそうです)」である副島先生の異種格闘技戦は丁々発止(ちょうちょうはっし)、わくわくする内容が満載です。

 現在、私たちにとって重要な問題となっている北朝鮮について、副島先生は「2018年4月にアメリカが北朝鮮を空爆する」という予測を立てています。本書では、北朝鮮を巡る動きと予測を、諜報・情報の達人である佐藤先生と副島先生が縦横無尽に行っています。また、安倍政権や最近の小池百合子都知事と都民ファーストの会の動きなども分析しています。情報を手にして、それをどのように使って、状況を分析し、将来の予測をし、それに備えるかということも勉強できる1冊になっています。

 『世界政治 裏側の真実』の、佐藤先生による「まえがき」、「もくじ」と副島先生による「あとがき」を下に貼り付けます。参考にしていただきますよう宜しくお願い申し上げます。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。

(貼りつけはじめ)

はじめに──激変が起きているトランプ大統領誕生後の世界   佐藤 優

 副島隆彦氏は、卓越したインテリジェンス能力を持っている。インテリジェンスの世界では、「悲観主義者とは、事情に通暁した楽観主義者のことだ」という格言があるが、まさに副島氏の描く近未来像は灰色だ。しかもそれは正しいのである。この現実を正面から見据える必要がある。
 それだから、副島氏は、過去にリーマン・ショック、トランプ大統領の誕生を、正確に予測することができたのだ。

 副島氏は、以前からアメリカの底流にある人種主義に警鐘を鳴らしていた。この対談を終えた後の事件であるが、8月12日、アメリカ東部のバージニア州シャーロッツビルで白人至上主義者と対抗デモを行なった反対派が衝突し、死傷者が発生したというニュースを聞いたときに、私はまっさきに副島氏の顔を思い浮かべた。

 シャーロッツビルにある南北戦争で南軍を指揮したロバート・E・リー将軍の像の撤去計画が衝突のきっかけだった。トランプ米大統領は、これまで白人至上主義的な本音を極力見せないようにしていた。

 しかし、今回、南北戦争というアメリカにとって重要な歴史的事件との絡みで本音が透けて見えた。8月15日の記者会見におけるトランプ発言が興味深い。


【ニューヨーク=赤川肇】トランプ米大統領は十五日、米南部バージニア州シャーロッツビルで白人至上主義者らと反対派が衝突した事件について「責任は双方にある」との認識を示した。滞在先のニューヨークで記者団の質問に答えた。差別主義者らを擁護する発言として、再び批判にさらされている。

 トランプ氏は、白人至上主義者による集会が事件を招いた経緯を問われ「ネオナチや白人至上主義者らは非難されるべきだ」としながらも、「悪人ばかりではない。双方に素晴らしい人々がいた」と強調。互いに暴力をふるっていたとの認識を示した上で「双方に責任があると思う。疑いの余地はない」と語った。こうした発言を受け、米メディアでは「人種差別主義者らを擁護した」(CNNテレビ)など総じて批判的な論調が目立っている。

 トランプ氏をめぐっては十二日の事件当初、集会に関わった白人至上主義の秘密結社クー・クラックス・クラン(KKK)やネオナチを名指しして非難しなかったとして、批判が集中。二日後の十四日、KKKやネオナチ、白人至上主義者らを明示して「人種差別は悪だ」と非難する声明を出した経緯がある。

 一方、米国の業界団体「製造業同盟」(AAM)のスコット・ポール会長は十五日、製造業に関するトランプ氏の助言役を辞めると明らかにした。事件を受けた助言役の辞任表明は、医薬品大手メルクの最高経営責任者(CEO)らに続き四人目。いずれもトランプ氏への抗議を示した辞任とされるが、トランプ氏は会見で「彼らは国家に関わる仕事をまじめに考えていない」と語った。(2017年8月16日付 『東京新聞』夕刊)

 アメリカは、自由、民主主義、人権といった価値観で結合している国家であるというのが建前だ。過去にこの価値観の主体は、白人だけとされ、黒人やアジア人に対する人種差別が行なわれてきた。

 しかし、そのような人種差別は、1950年代から60年代にかけて黒人(アフリカ系アメリカ人)に対して公民権の適用を要求する公民権運動によって克服されたはずだった。

 ところが、差別意識は、アメリカの底流で眠っていただけで、トランプ大統領の出現によって、姿を現したということであろう。今回のシャーロッツビルでの衝突をきっかけに、アメリカ社会の分断はますます激しくなると思われる。

 アメリカの社会的分断が外交にも影響する可能性がある。トランプ大統領は、中国よりもロシアに対して好意的だ。トランプ大統領が無意識のうちにロシアを「白人国家」と認識しているからかもしれない。

 人種主義という補助線を引けば、アメリカ、ヨーロッパやイスラエルはいずれも「白人陣営」であり、自分たちの仲間であるという発想も成り立つのである。

 人は誰も自分の肌の色を選ぶことはできない。第1次世界大戦後、パリ講和会議の国際連盟委員会で日本は連盟規約に人種差別撤廃条項を入れようとしたが、アメリカ、イギリスなどの反対によって不採用になった。

 人種主義という妖怪をいまのうちに封じ込めておかないと、それは地球規模に拡散する危険がある。外交や国際政治の専門家(もちろん副島氏はここに含まれない)は、21世紀の世界に人種主義が台頭することはないと思っているであろうが、そのような楽観論を覆すような事態が現在アメリカで進行している。

 本書を読んでいただければ、トランプ大統領誕生後の世界で激変が起きていることを正しく理解していただけると思う。

 2017年8月 佐藤 優 

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『世界政治 裏側の真実』 もくじ

はじめに 世界の裏を読み解くインテリジェンス 佐藤優 1

第1章 トランプ政権で、いま何が起きているのか 

日本人が知らないアメリカ政治の真実

ドナルド・トランプの行動原理と思想を読み解く

ど汚い経営者たちのトップがトランプ … 18
初めに脅かしておいて手前でポンと落とすトランプ流交渉術 … 22
大統領就任演説時の引用はイスラエルに向けた犬笛だった … 24
ジェームズ・コミー前FBI長官解任の真相 … 29
「自分は生まれる前から神様に選ばれている」と考えているトランプ … 34
デモクラシーが完成すると独裁官が現れる … 37

ポピュリズム思想とエスタブリッシュメントの血みどろの戦い

「ドレイン・ザ・スワンプ」“Drain the swamp”の意味とは? … 42
今の共和党は、ほとんどがトランプ派になっている … 50
「世界の警察」から「世界のセコム」になるトランプのアメリカ … 55
トランプ攻撃の真相は白人たちのトランプ一家に対する嫉妬 … 59

第2章 第2次朝鮮戦争は勃発するか

暴走する北朝鮮を抑え込むアメリカと中国

2018年4月にアメリカが北朝鮮を空爆する

まず先に北朝鮮に手を出させるアメリカ … 64
北朝鮮のミサイルは日本には落ちない … 68
北朝鮮の核と弾道ミサイルが欲しい韓国 … 70
日本まで届く北の弾道ミサイルまでならアメリカは容認する … 72
自衛隊が朝鮮半島有事に参加したらどうなるか … 77

人民解放軍を抑えつける習近平の実力

米中露外交はキッシンジャーの根回しで動いている … 79
中国に最強の対艦ミサイルを与えたキッシンジャー … 81
THAADミサイルはアメリカの軍事的産業政策 … 84
人民解放軍のクーデター計画を潰した習近平 … 86

第3章 やがて実現する米中露3巨頭体制

テロリズムにおびえる世界を管理する〝第2次ヤルタ会談〟

欧米との戦いに打ち勝ったプーチン

シリア政府軍は本当にサリンを使ったのか? … 94
トランプとプーチンは中東でうまく棲み分けをしている … 97
プーチンに屈服したトルコのエルドアン … 102
天然ガスの世界の価格決定権をプーチンから奪い取る計画は失敗した … 103
ロシアとのエネルギー外交を担うレックス・ティラーソン国務長官 … 106
G20の米露の首脳会談ではアメリカがロシアに降りていた … 110

第2次ヤルタ体制と拡大するテロリズムの行方

当時の権力者たちの密約だったヤルタ会談 … 113
「反プーチンデモ」を仕掛けているのはプーチン自身 … 116
ヤルタ会談でソ連が取り損ねた権益を狙うプーチン … 121
カタールはなぜ中東4カ国から国交断絶されたのか … 123
IS(イスラム国)がコプト教徒を狙い撃ちにする理由 … 125
いくら潰してもIS(イスラム国)はこれから拡大していく … 127
自殺志願者をリクルートするテロリストたち … 130
2020年に血のオリンピックが起きる可能性がある … 132
巨大な偽善に首を絞められているヨーロッパ … 135

第4章 世界を動かす インテリジェンス・ネットワーク 

入り込んだら抜け出せないスパイたちの〝けもの道〟

諜報大国イギリスのインテリジェンス能力を読む

〝二重スパイ〟キム・フィルビーの恐ろしい真実 … 138
「ポジティブ・カウンター・インテリジェンス」とは何か … 143
優れた有能なスパイは必ず二重スパイである … 145
謎だらけのキム・フィルビー事件の真相 … 147
小説と映画とドラマで国民を洗脳するイギリス … 149

敵も味方もわからなくなるインテリジェンス活動の実態

酒に溺れるインテリジェンス・オフィサーたち … 155
トップを含めた全員が代替可能なインテリジェンスの世界 … 157
適性がないインテリジェンス・オフィサーは早死にする … 161
インテリジェンス・オフィサーは組織の内部評価に異常な関心を持つ … 164
公安警察に定点観測されている副島隆彦と佐藤優 … 167
イーグルス『ホテル・カリフォルニア』の真の意味 … 171
不思議な死を遂げた内閣情報調査室内閣参事官 … 175

第5章 共同謀議とは何か 

安倍政権と権力者たちの内部抗争

権力者たちの共同謀議は確実に存在している

共謀罪と破防法・治安維持法の大きな違い … 180
アメリカに命令されて共謀罪をつくらされた日本 … 182
官僚用語の「忖度」とは独断専行のことである … 185
共謀罪で権力者側が本当にやりたいのは「内心の監視」 … 186
実際には共謀罪を運用することはできない … 189

安倍政権のコンスピラシーを暴く

レイプ事件をもみ消そうとした警察官僚たちに共謀罪を適用せよ … 192
裏金を〝山賊分け〟にするスキームは日本全国で行なわれている … 200
首相は警察を動かす力があるから捕まらなかった … 204
アメリカにやらされた司法試験改革は完全に失敗だった … 206
前川喜平前文科省事務次官は、ただの官僚ではない … 210
検察に逮捕権と捜査権があってはいけない … 215
「学歴差別だけが人生」の官僚たち … 217

安倍政権を支える思想と団体の裏側

いま政権という形で可視化された長州支配 … 221
北方領土問題は本当に解決できるのか … 223
まるで旧日本軍のようないまの日本の官僚機構 … 227
小池百合子東京都知事の裏側には誰がいるのか … 230
官僚がルーティンで何かを始めたときが一番恐ろしい … 232
東京都議選での「都民ファーストの会」圧勝はあきらかにおかしい … 235
アンチテーゼだけで生きている反共右翼たち … 242
トランプ支持層と共通する安倍晋三応援団 … 244

おわりに──世界基準で知識、思想を語るということ 副島隆彦 247

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おわりに──世界基準で知識、思想を語るということ   副島隆彦

 この本は、佐藤優氏と私の4冊目の対談本である。

 1冊目は『暴走する国家 恐慌化する世界』(2008年)であった。リーマン・ショック(世界金融危機)の最中であった。あれから10年である。

 佐藤氏が国家の罠に嵌められて牢獄から出てきたのは2003年10月(当時、43歳)。歳月は慈悲を生ず。

 佐藤優氏は、私のことを「リバータリアンの副島さん」(リバータリアニズム Libertarianismという政治思想の信奉者)と、たった一行で私という人間を、正確に定義づけてくれた。私は感激した。

「あなたは、〇〇主義者ですよね。私は〇〇主義者です」と互いに簡潔に相手の思想を認め合ったうえで議論を闘わすことが生産的である。それが相手への最大限の尊重、敬意の表し方である。そして議論の後は、何が成果であったかを互いに穏やかに確認し合うべきだ。それが知識人というものだ。

 こういうことが平気でできなければ、日本人は、世界で通用する知識人、言論人の水準に到達しない。私は、佐藤優の、世界基準で知識、思想を語ることのできる能力を高く評価している。世界基準とは、英語で、world valuesワールド・ヴァリューズと言う。

「ワールド・スタンダード」という英語は無い。有ることは有るが、それは、工業製品などで使われる規格のことだ。日本のJIS規格の世界版だ。おそらく、中国がこれから日本のJIS規格を彼らなりに応用・拡張して、世界規模の新しい工業規格を作るだろう。

 だから、世界で通用する、「人間世界で通用している普遍的な様々な思考と諸価値」をワールド・ヴァリューズ( world values 、世界基準、世界普遍価値)という。そろそろ、こういうことを日本人が皆で知って、使い始めるべきだ。

 いまの日本の知識人たちは、私が知っている限りまったく残念ながら、こういう世界基準での、政治思想の流派の大きな理解ができていない。知識層のくせに世界を知らない。世界が大きくは、どのような現代の諸政治思想(ポリティカル・ソーツ political thoughts )の10ぐらいの流派でできているかを知らない。

 たとえば、前記したリバータリアニズムという、アメリカで1950年代に生まれた新型の政治思想は、ドナルド・トランプ大統領の誕生を、選挙選の初めから育てて支えた勢力である。「反国家、反官僚、反税金、反過剰福祉そして反グローバリズム(外国支配)」を掲げるアメリカの民衆の保守思想である。現在のアメリカで、このリバータリアンの勢力が大きくなっている。かつて急進リベラル派だった人々で、優れた知性と感覚をもっている人々までもここに合流した。

「アメリカ・ファースト!」を、愚かにも「アメリカ第一主義」などと誤訳し続けている、低脳の新聞記者や言論人に何を期待できるか。何が第一で何が第二なのかわかっているのか?

 アメリカの国益が第一の主義だ、などと馬鹿な理解をするな。「アメリカ・ファースト!」とは、「アメリカは、できるだけ外国のことに関わるべきでない。それよりも国内のことを優先(ファースト)にしよう」という思想だ。〝空の英雄〟チャールズ・リンドバーグが使い始めた政治標語(スローガン)だ。リンドバーグは、このあとひどい目にあった。

 だから×「アメリカ第一主義」ではなく、〇「国内問題優先主義」と正しく訳さなければいけない。アメリカ国内のことが第一(ファースト)なのだ。諸外国のことは、セカンド(二の次)ということだ。

「アメリカ・ファースト」と同義語である、アイソレイショニズム( isolationism )も、×「孤立主義」ではない。世界覇権国であるアメリカが孤立するわけがない。そうではなくてアイソレイショニズムも「アメリカ国内の問題を優先する主義。外国へ軍隊をなるべく出さない主義」なのである。

 こういうアメリカの政治思想諸流派、政治問題の解説を、私はたったひとりで30年も、ずっとこつこつとやってきた。そろそろ私の言うことを聞いたらどうですか。

 そうすれば、8月18日に起きた、トランプの首席戦略官(チーフ・ストラテジスト)のスティーヴ・バノンの辞任が、「アフガニスタンや北朝鮮への軍事行動に反対する」という反グローバリズムの立場で、トランプ大統領とぶつかったからだ、とわかるだろう。バノンは、アメリカのエスタブリッシュメント(支配階級、権力者層)と戦うポピュリスト(人民主義者、大衆主義者)である。

 ピープル(人民、大衆)の、形容詞形がポピュラーであり、それの人間形名詞がポピュリストである。北朝鮮の危険な核ミサイルの問題を世界がどう片づけるか、についても本書で詳しく論じた。北朝鮮は9月3日に第6回の核実験を行なった。

 だから私のことを「リバータリアンあるいはポピュリストの副島さん」と気軽に定義づけることのできる佐藤優は、日本では珍しく世界基準(ワールド・ヴァリューズ)で、ものごとを考えることのできる極めて限られた人である。だから私の佐藤優への評価は高い。

 現在の日本国内の、政治勢力間の対立と分裂で、佐藤氏と私がどの勢力(党派)を応援し、どこに属しているか、ということは二義的(セカンダリー。二の次)である。ひとりの言論人が、自覚して日本国の国益(ナショナル・インタレスト)すなわち、日本国民の利益を守っているのであれば、それでいい。

 言論人は、どうせ〝一本独鈷〟で生きている。自分が所属(寄生)する組織・団体からの収入や援助金などを当てにして生きている者は、二流である。

 ますます本が売れない時代になってきた。すべての物書きが追い詰められている。

 単行本は1冊1600円として、そのたったの1割の160円が著者の取り分である。憚りながら、佐藤優と私は、この一冊当たり160円の印税(原稿料)をかき集めて、それで生活している。そういう物書きは、小説家を含めてこの国にはもう何十人しかいないだろう。

 それでも、このように、組織・団体からでなく、直接、本の買い手・読み手即ち国民に、食べさせてもらっている人間が一番偉いのだ。あ、この本は、2人の共著だから、1冊160円の原稿料がさらに半分の80円になる。

 今年(2017年)、IS「イスラム国」というイスラム教の原理主義の過激派(ジハーディスト、聖戦主義者)がイラクとシリアで大敗北しつつある。だが、このテロリズムはこのあと、世界中に拡散して行くだろう。こういうことがこの本で語られている。

 佐藤氏は対談しているときにこう言った。「もしISが勝利したら、私も副島さんも、イスラム教徒になって、酒を飲むのをやめて、モスクに通って、ひげを生やすことになるでしょう」と。

 イスラム教の世界から出てきたISというのは、類推すると、かつての国際共産主義運動(コミンテルン。Comintern 1919年モスクワで創立。1943年に終焉した)と同じようなものだ、と佐藤優は言った。1917年のロシア革命を、レーニンたちは世界中に輸出する目的で、これを始めた。世界各国に出現した、燃えるような理想主義の情熱で、理想社会の建設を目指した狂信的な若者たちの世界的運動とISは同じようなものだ、と佐藤優は分析した。こういう佐藤優の世界基準(ワールド・ヴァリューズ)に立つ広い視野からの見識がすばらしいのである。

 現在の世界の、そして日本国内の政治・社会問題を2人で縦横に語れて楽しかった。私たちがこの本で積み残したのは、①マルクス主義と②キリスト教、そして③飼い猫たちの生態観察からの猫ちゃん論の3つである。次の機会を期したい。

 ちなみに、「忍者・佐藤優と狂犬・副島隆彦の手裏剣対談」という本書の惹句は私が考えた。佐藤氏も承諾してくれた。

 この本が出来るまでの構想と労苦を背負ってくれた日本文芸社の水波康編集長と、グラマラス・ヒッピーズの山根裕之氏に、著者2人から感謝の気持ちを表します。

 2017年9月 副島隆彦 

(貼りつけ終わり)


世界政治 裏側の真実

 宜しくお願い申し上げます。

(終わり)

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