「1978」 『ニーチェに学ぶ 奴隷をやめて反逆せよ! ―まず知識・思想から』(副島隆彦著、成甲書房、2017年6月18日)が発売されます 2017年6月15日 古村治彦(ふるむらはるひこ)記
 SNSI・副島隆彦の学問道場研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)です。今日は2017年6月15日(木)です。

 2017年6月17日(土)に副島隆彦(そえじまたかひこ)先生の最新刊『ニーチェに学ぶ「奴隷をやめて反逆せよ! 」―まず知識・思想から』(成甲書房、2017年)が発売されます。金曜日には東京都内と近郊の大型書店に並び始めると思います。


ニーチェに学ぶ「奴隷をやめて反逆せよ! 」―まず知識・思想から

 今回、副島先生は、フリードリッヒ・ニーチェ(Friedrich Nietzsche、1844―1900)という大天才の思想を読み破り、私たちに日本語で分かりやすく理解できるようにするという大きな仕事に成功しました。

 私は大学入学して、「大学生になったのだから大学生らしく難しい本を読まなくちゃいけない」と考え、図書館で岩波文庫に入っている古典を借りてみました。その中にはニーチェの本もあったのですが、最初の数ページで、何が書いてあるのかさっぱり分からない、歯が立たない、ということで断念しました。「自分は頭が悪くてこんな難しい本は読めないんだ」と思い、それが心の傷となっていました。

 この本でも取り上げられていますが、適菜収(てきなおさむ、1975年―)氏の『アンチクリスト』の新訳である『キリスト教は邪教です! 現代語訳『アンチクリスト』』(講談社、2005年刊)を読んだ時、、そうか、そういうことだったのかと衝撃を受けました。しかし、ドイツ語が出来ない自分にとっては、原典に近い岩波文庫に入っているニーチェの本が読めなかったことは傷として残ったままでした。

 副島先生は、今度の本の中で、「この人を見よ(Ecce homo、エッケ・ホモ)」という言葉から始めて、ニーチェという大天才の思想と生涯を網羅して描いています。ニーチェは、キリスト教(イエス・キリストという男に対してではなくて)と徹底的に戦った人であった。それは、ローマ教会キリスト「教」、「教団」が、弱者救済や、則罪(しょくざい)、慈悲(じひ)という教義(ドグマ)を使って、人々を弾圧し、苦しめてきた。このいうことをニーチェが、公然と指摘して、本に書いたからです。また、ニーチェは、ローマ教会キリスト教が、「神」と「自然」を対置させたために、「自然」が良くないものとされた。それが人間(人類)にとって大きな不幸であったことも明らかにした思想家です。



 「人間は人間らしくあればいいのであって、不幸を背負い込む必要などない」ということは現代を生きる私たち日本人にとって、とても魅力的な教えであって、本書のタイトルにある「奴隷をやめて反逆せよ! 」ということにつながります。


ニーチェの人生に深く関わったリヒャルト・ワーグナーと妻コジマ


ヴァーグナーの熱烈な庇護者にして恋人だったバイエルン王ルードヴィッヒ二世。ニーチェの恋敵(こいがたき) 

 私は、本書『ニーチェに学ぶ』を読んで、再びニーチェの本を読んでみようという気持ちになりました。そして、早速、光文社の文庫になっている『この人を見よ』を買ってきました。「今回は大きなところが分かっているのだから、小さなところにつまずいても気にせずに読むことができる」と思っています。本書『』を読んだ後にこのような気持ちになる方がいらっしゃるだろうと思います。

 ニーチェの本に挫折してしまった人、興味がある人、ヨーロッパ近代のこの500年間というものを総合して分かりたい人にとって最適な一冊です。以下にまえがき、目次、あとがきを掲載します。これらを参考にして、是非手に取ってお読みください。

(貼りつけはじめ)

はじめに ―― ニーチェの「この人を見よ」の本当の意味を知らない日本知識人

 「この人を見よ」“ Ecce homo(エッケ ホモ) ” という言葉が非常に重要だ。
この「エッケ・ホモ(この人を見よ)」は、1888年末、ニーチェがまだ正気だった年に出た。だからニーチェの脳がすり切れながら、狂躁(きょうそう)的な走り書きで書かれた本だ。

 だから、この ⓬『この人を見よ(エッケ・ホモ)』を序文とする ❿『アンチクリスト』こそはニーチェ思想の集大成である。 ❻『ツァラトゥストラ』なんか読むな。どうせ誰も訳(わけ)が分かりませんから。これを聖書(キャノン)にしてはいけない。それよりも、こっちだ。

 「エッケ・ホモ」のhomo(ホモ)は「人間」で、Ecce(エッケ)は「見よ、見てみろ」だ。「この男、この哀れな(私という)人間を、見よ、見てみろ」という意味だ。繰り返すが、ニーチェは、この ⓬『エッケ・ホモ』と ❿『アンチ(反)クリスト』を、1888年、発病する直前に書いた。44歳のときだ。このあと思考力を失った。

 日本のインテリだったら、ニーチェが『この人を見よ』を書いている、ぐらいは知っている。そんなことは知っているよ、と言う。だが、ほとんど誰も読んでない。書名を知っているだけだ。読むと、何だ、このヘンな男は。と思ってしまう。

「エッケ・ホモ」とは、ヨーロッパ知識人の間では、共通の理解として、前ページの絵のとおりなのである。オランダの偉大なる北方ルネサンス時代(血みどろのオランダ独立戦争)を生きた、偉大な画家ヒエロニムス・ボッシュの絵である。

 本書では、ニーチェの主要な著作について、43ページの一覧のように番号をふる。

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         目  次
はじめに ――ニーチェの「この人を見よ」の本当の意味を知らない日本人知識人

第1章 これだけは知らねばならないニーチェ思想の骨格
 今こそ、ニーチェの思想を大きく理解しよう 012
 人生は各人の快楽を追求するためにこそある 021
 「ディオニュソスからアリアドネーへ」 023

第2章 日本人が分からない本当のニーチェ
 この惨めな日本でニーチェを理解するということ 032
 家畜のような人間ばかりになった日本 035
 「ディオニュソス的」対「ローマ教会キリスト教」の闘い 044
 「この人を見よ」の本当の意味を知らない日本知識人 051
 本当のイエスは「自分を拝め」と言っていない 058

第3章 邪教としてのキリスト教と闘ったニーチェ
 ローマ教会キリスト教は精神病院 068
 原文忠実訳ではニーチェは分からない 077
 ドストエフスキー、マルクス、ヴァーグナー、ニーチェという人間の環 083
 キリスト教も社会主義も理想社会の実現に失敗した 094
 キリスト教の敵は「現実」 101
 イエスに「この世」を否定する理由はない 105
 キリスト教=人類最大の不幸=悪そのもの 110
 私は適菜収訳の『アンチクリスト』に最大限の敬意を払う 122

第4章 ニーチェが生きた西欧19世紀という時代
 人間は大なり小なり惨めな生き物 128
 思想家ニーチェの始まりは『悲劇の誕生』 130
 オペラはギリシア古典劇の正当な嫡子 135
 『カルメン』がニーチェに与えた衝撃 142
 バーゼル大学就職の隠された背景 146
 ニーチェが目指した愛の共同生活は失敗 156
 ヴァーグナーは国際指名手配の破壊活動家だった 161
 ドイツが隆盛する一番いい時代を生きたニーチェ 171
 ヴァーグナーがドイツを誤らせた 179
 日本人が理解していないキリストの復活と再臨 185

第5章 炎の文献学者ニーチェ
 三島由紀夫もニーチェに大きな影響を受けた 194
生まれと幼年時代、青春時代 196
 文献学者として出発 ――『悲劇の誕生』に至るまで 200
 LGBT(同性愛系)だったヴァーグナーとニーチェ 208
 バーゼル時代――実は哲学者、そして文化批判者 219

第6章 闘う予言者ニーチェ
 病気とイタリアへの出奔 232
 計画的に旅をしたニーチェ――放浪したわけではない 241
永劫回帰の思想 250
 完成しなかった〝突き抜けた男女の共同体〟256
 シルス=マリアでの啓示 268
 「神は死んだ」 271
 「善」が悪で、「悪」が善だ 276
 ニーチェは反ユダヤ主義者ではない。反対だ 278

第7章 「狂気の破壊者」と見られて死んだニーチェ
  多作な孤独者 286
  発狂、廃人、そして終焉 295

  ニーチェ年譜 304
  あとがき 308

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 あとがき   副島隆彦 

 こうやって「私のニーチェ本」が仕上がった。丸3か月、苦心惨憺(さんたん)して、のたうち回ったあとの「私のニーチェ本の悲劇的(の)誕生」である。地獄の底(ここも煉獄[プルガリオ]か)を這(は)い回った気がした。そして、やれやれ遂(つい)に終わったよ、とこの場にへたれ込む感じだ。

 この本は、フランス語とドイツ語が本当によく出来る編集者と、私との共同合作によって出来た本である。多大の重荷と負担をお掛けした。

「だがしかし。それでもなお!」( Dennoch ! デンノッホ。ニーチェの名言)、「何があろうとも」、大思想家フリードリヒ・ニーチェ思想の本髄(ほんずい)を日本国民に教えるために、ここで私が、徹底抗戦しなければいけない、と思った。「ニーチェ思想 の本当の大きな部分を私が日本人に教えてやるよ。ほら、喰べなさい」という感じだ。

 この本を出しておけば、意図的に妨害されたまま、ニーチェ無理解が続いたこの150年間を、一気に縮(ちぢ)めることができる。

 適菜収(てきなおさむ)氏による『キリスト教は邪教です! 現代語訳「アンチクリスト」』(2005年、講談社+α新書刊)に続く、真実のニーチェ理解の第2波攻撃 がこれで敢行された。この世(人間世界)に棲(す)む悪の権化(ごんげ)たち(ローマ教会キリスト教、ローマン・カトリック)よ、 怖れ慄(おのの)くがいい。お前たち“人類の諸悪の根源” の正体を、正面から暴き立て突撃したニーチェの跡(あと)を継いで、さらに世界各国の思想戦闘員(ソート・コマンドウ)による波状攻撃が続く。私は日本という自分の持ち場で戦う。今こそ2千年に渡る人類の敵どもを索敵して、完膚(かんぷ)なきまでに打ち破らなくてはならない。

 何のこっちゃ、と戸惑(とまど)い訝(いぶか)しく思う人がまだ大半だろう。だが、そのうち分かる。ひとりひとりの人間が、その人の頭(おつむ)の理解力に合わせて、少しずつ分かってくれればよい。大きな構図で、人類史の巨大な真実が露(あら)わになってゆく。そのためにまた時間がこのまま経(た)ってゆく。それはそれで致(いた)し方ない。

 この本は本当に担当編集者のズバ抜けた言語能力に多大に負って完成された本だ。大型書店さえが、そして多くの出版社も、「もう世の中に必要はない。需要[デマンド]がない」として、次々に潰(つぶ)れてゆく時代の変化の荒波の中を、「日本ニーチェ真実丸(まる)」の一艘(そう)の船が進水する。どんな苦しみにも耐えてみせる。

 この本を作る上で甚大(じんだい)な知能労力を提供してくれた小笠原豊樹編集長に衷心から感謝を申し上げる。

   二〇一七年五月二五日
                                    副島隆彦

(貼りつけ終わり)


ニーチェに学ぶ「奴隷をやめて反逆せよ! 」―まず知識・思想から

(終わり)

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