「1953」これは必読の一冊。下條竜夫(げじょうたつお)著『物理学者が解き明かす思考の整理法』(ビジネス社)が発売されます。小保方晴子、星占い、金融工学を理科系の視点で理解するほか、思考の整理法の実践編として好評だった前作に続いての新刊です。2017年2月10日
 副島隆彦の学問道場の中田安彦です。

 前回の『物理学者が解き明かす重大事件の真相』に続いて、学問道場の研究員の下條竜夫先生が、新刊を出されました。



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 今回は、「物理学者が解き明かす思考の整理法』と題して、世の中の様々な事象についてどのように理解していけばいいのか、思考を理科系の視点で整理していけばいいのか、ということについて持論を展開されておられます。前作も好評だっただけに、今回も期待できる内容です。

 目次を見ていただければ、どのような内容が取り上げられているかわかると思います。

(目次の転載貼付け開始)

 
物理学者が解き明かす思考の整理法 目次

はじめに 3

第1章 なぜ日本人は哲学がわからないのか ─── 11
    「哲学」とはアリストテレス哲学のことである

プラトンとアリストテレス 13
哲学を信じて虐殺された女哲学者ヒュパティア 16
哲学者とはアリストテレス哲学を信奉する人たちという意味である 21
『薔薇の名前』にでてくるアリストテレス哲学 25
現代につながるアリストテレスの哲学 29

第2章 星占いの科学 ─── 33
    なぜ日本人は星占いが大好きなのか

現代の星占い 35
四神(朱雀、玄武、青竜、白虎)とは四方にある星座のことである 38
西暦150年に完成していた中国天文学 44
木星の動きからつくられた十二支 48
北極星の移動に見る中国と日本の政治思想 55
陰陽師が行っていた星占いとは何だったのか 63

第3章 歴史の謎を天文学から明らかにする ─── 67
    女王卑弥呼とは誰だったのか?

日本に伝わる妙見信仰 68
西播磨の大避神社が示す北斗七星と北極星 73
昔の北極星の位置にある大倉山山頂 76
歴史から大避神社が星の位置にある理由を探る 78
二十四節気が明らかにする日本の古代史 79
日本に入ってきた道教 84
女王卑弥呼の正体 87
道教国家・日本 89

第4章 金融工学とはどういう学問か ─── 93
    なぜ儲けることができるのか

金融工学という錬金術 95
金融工学の想定外、ファットテイル(fat tail) 100
経済物理(econophysics)が予言した2014年1月の株式市場の暴落 107
20世紀は数学が世界を席巻していた時代である 111

第5章 現代物理学は本当に正しいのか? ─── 115
    副島隆彦氏との対談

物理学とはどのような分野に分かれるのか? 117
現代物理学は正しいのか 119
エルンスト・マッハの科学哲学 126
科学とは思考を節約するためにある 134
文科系の人間は「一定の条件において」を認めない 138


第6章 STAP事件の真実 ─── 147
    なぜ小保方晴子著『あの日』は陰謀論と呼ばれたか

業績を奪われ激怒していたハーバード大学バカンティ教授 149
STAP事件に関する異常な世論誘導 157
再現実験での丹羽仁史副チームリーダーの実験データ 162
STAP特許はまだ生きている 167
STAP細胞関連でファンドを獲得しているバカンティ教授 170
故笹井芳樹氏の見た夢 171

第7章 AIとは何か ─── 175
    経験は知恵に勝る

プロ棋士と互角の戦いをする将棋プログラム『ボナンザ』 177
将棋プログラムの強さは「特徴ベクトル」によって決まる 178
プロ棋士の指手をまねる 182
「特徴ベクトル」を自分で見つける最近のAI 186
脳の機能に似ている深層学習 189

第8章 なぜ日本人は論理的な文章が書けないのか? ── 193
    論理とはことばとことばの連結である

論理的な文章とはどういうものか 196
パラグラフ・ライティング 198
実際の文章例 203
文章に必要な要素① flow(流れ) 206
テーマの糸 212
文章に必要な要素② clarity(明快さ) 214
プレゼンテーション(パワーポイント)への応用 216
現代日本語は英語の文章作法を基礎としている 217


(貼り付け終わり)

 このように、今回の本では、前作に続いて、小保方晴子とSTAP細胞事件について更に論を進めているのが興味深いところです。特に日米関係を踏まえて、ハーヴァード大学のバカンティ教授の動向を詳しく調べているところが、さすがだと思います。
 この他にも、星占いのような世間に馴染み深い話題から、今話題のAI(人工知能)に至るまで、誰もが関心を持っていそうな話題について深く切り込んでいます。
 最終章の「論理的な文章の書き方」というのも必読論文でしょう。今回もヒット作になりそうなげ下條先生の新刊です。お近くの書店でぜひお求めください。

 以下に、まえがきを転載します。今回の本の意図について下條先生が語っておられます。

(貼り付け開始)

はじめに

 2016年の1月に『物理学者が解き明かす重大事件の真相』という本を出版した。福島原子力発電事故や地球温暖化問題などの重要事件、重要問題について、私の忌憚(きたん)のない見方を文章にして本にしたものだ。
 正直、この本を出す前は、不安だった。まず、こんな小難しい本を読んでくれる人がいるのかが心配だった。また、私の専門でない技術分野について言及することが多かったのも不安のひとつだった。自分の専門分野以外に口を出すことは、理科系の研究者ではタブーに近い。
 ところが、予想に反して、多くの人からお褒めの言葉をもらった。様々な人からメールや手紙をいただいたが、ほとんどは好意的な意見であった。同じ大学の先生たちからも、いたく褒められた。毒物の専門家であるコロラド大学のA. T. Tu 先生は、この本を読んで、わざわざ私に会いに来てくれた。びっくりするぐらい好評だった。

 皆さん、本当にどうもありがとうございました。

 ただ、私の研究室の学生たちだけは、この本をバカにしていた。「下條先生、こんな本だしてるよ、おもしれえなあ」「下條先生、小保方晴子が天才とか書いてる、笑える、わははははは」とか言っていたそうだ。まあ、そんなものかなあと思う。

 この本は、その『物理学者が解き明かす重大事件の真相』に続く、第二弾である。
 前回は、様々な事件とその背景を理科系の視点から見て解説した。マスコミが伝える事件の顛末(てんまつ)ではなく、「実際はこうだろう」という、自分の思考に基づいた事件の原因と背景を描いた。今回も同様な形で、哲学、古代史、経済学、文章の書き方など、文科系の学問を『理科系から見た文科系』という視点で書いた。

 本文で取り上げた『理科系の作文技術』という本の次に、大学の生協で売れているのが外山滋比古著『思考の整理学』という本だ。いかに思考すれば新しいアイデアが生まれるかをエッセイの形で説明した本である。今の若い人たちにとっては、「どういう方法で思考すればいいのか、どうやれば新しい考えを生み出すことができるのか」ということが重要らしい。
 しかし、残念ながら、『思考の整理学』という本には実例がない。だから、どういうテーマをどのように考えればいいのか、実感がわかない。

 そこで、よかったら、この本を『思考の整理学』の実例集として参考にして下さい。この本で取り上げたテーマは私の専門ではない。専門家に比べ、私の知識は圧倒的に不足している。少ない知識から、どうやって思考して整理して簡潔な主張に持って行くか、それが勝負である。いかに思考すればいいかの参考例としては最適だ。

 しかし、この本の中には、専門家の方からみれば、「ここは完全に勘違いしているなあ」というのがあるだろう。その時は gejo@sci.u-hyogo.ac.jp までメールを下さい。必ず、ご返事差し上げます。

 副島隆彦先生には、企画からずっと本当にお世話になりました。ここに謝意を表します。また、ビジネス社の岩谷健一さんにもお世話になりました。ここに御礼申し上げます。
   2017年1月

                                   下條竜夫(げじょうたつお)

(貼り付け終わり)

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 是非、ご一読ください。

 中田安彦拝





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