「1517」 新刊2冊『余剰の時代』(ベスト新書)と『日本に恐ろしい大きな戦争(ラージ・ウォー)が迫り来る』(講談社)が発売されます。生き延びるための政治思想とアメリカ政治本です。2015年3月13日
 副島隆彦を囲む会の中田安彦です。今日は2015年3月13日です。

 副島先生の本が二冊立て続けに出ます。一冊は、『余剰の時代』(KKベストセラーズ)で、もう一冊は『日本に恐ろしい大きな戦争(ラージ・ウォー)が迫り来る』(講談社)です。それぞれ、政治思想についての本です。『余剰の時代』は発売中、もう一冊は3月19日ころ発売です。

 



 アメリカ政治についての分析・予測の本である『日本に恐ろしい大きな戦争が迫り来る』は、現在のアメリカ政治状況と次期アメリカ政権の外交について大胆に予測しています。もう一冊の『余剰(よじょう、サープラス)の時代』は、ヨーロッパの政治思想から日本史の知識まで総動員しながら、現在の世界を覆い尽くしている「モノとヒトあまり」という大変な状況について書いています。この余剰の時代は百年前から始まった問題で欧米の思想家たちが悩みに悩み抜いたが解決策がみつからない、という重大な問題であり、世界でモノとヒトが余りまくってどうしようもない、という「余剰問題の解決策」として“戦争”が行われてきた、という歴史がある、と書かれています。この点で「余剰の時代」が描いている内容は、現実のアメリカ政治を分析するときにも必要な視点を提供している、と言えます。

 二冊の本は過去の『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』(講談社)というアメリカ政治思想解説本の内容を踏まえて、より一般向けに政治思想とアメリカ政治を動かすリバータリアニズムや法哲学を始めとする近代ヨーロッパの思想について書いている本であるといえると思います。

 書店でお求め下さい。

中田安彦拝

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 『余剰の時代』目次

まえがき

第1章 「余剰」こそは人類最大の解けない問題だ――最後に余ったのは「人間」

ますます貧乏な国になる日本
楽天主義ではうまくいかない
オプティミスムに激しく反対したヴォルテール
人類最大の問題「余剰、過剰」を見抜いたケインズ

第2章 理想を捨てよ、そして何があっても生き延びろ! ――日本人が知るべき世界基準の思想

夢・希望で生きると失敗します
自分を冷酷に見つめる
「夢を持て」と言われても持てない若者たち
最後の余剰は人間
余剰問題の解決策としての戦争
人権思想なるものの誕生
ポジティヴ・ラーの生みの親
だからピケティの『21世紀の資本』に反対する
全体主義の生みの親
ニーチェの「他人への同情心を捨てよ」と「力への意志」に学べ
綺麗事を振り撒く者に注意しなさい

第3章 生き延びる思想――日本人が知るべきリバータリアニズム

『大草原の小さな家』の生き方
自分のことは自分でする
綺麗事を言わない
国家に頼らない
いつまでもダラダラと生きない
ズルい世間に騙されない
ある程度臆病でいなさい
世の中のウソを見抜きなさい
疑う力を身につける

生き延びる思想10カ条
あとがき

まえがき

『余剰の時代』という書名の本を書いてください、と、この本の編集者から球を投げられた時、私はヒドくうろたえた。

「それはあまりにも大きな問題であって、とても私には答えられない。余剰、過剰こそは、人類の最大の問題なんです。

 これには簡単には触れてはいけない。

 この問題に触ると大変なことになる。火傷をする。「余剰」に関わってはいけない、ここに触ってはいけないと、ずっと私は思っていた。

 ですから、もっと別のテーマ(主題)の本にしましょう」
 
 と私は言って、態度をはぐらかした。

 それで書名(タイトル)を、もっと別の「(若者が)生き延びる思想」、あるいは「この厳しい時代をどう生き延びるか」にしましょうと、いったんは変更した。しかし、そういうわけにはいかなかった。私は、無自覚で無謀な編集者から初めに投げられた課題(テーマ)から逃げられなくなった。

 人類(つまり今の私たち)は、ちょうど百年前から余剰の段階に突入した。このことは、現代世界で最も優秀な人々には気づかれていた。すなわちマルチン・ハイデガーからあと、ジョン・メイナード・ケインズからあとの、20世紀(1900年代)に突入した世界で最も鋭敏な人々によって気づかれていたことだ。
 
 だが、この「余剰」「過剰」の問題に真正面から触ってはいけない。そのように日本でも優れた知識人には分かられていた。危険なのだ。何が一体そんなに危険なのか?
 
「余剰」のことを英語でsurplus「サープラス」という。ドイツ語では、Überfluss「ユーバーフルス(超 + 河)」と言う。また、ドイツ語では Mehrwert 「メーアヴェールト」(剰余価値)というコトバで使う。これはマルクス主義経済学の用語だが、日本の今風に言えば、〝ブラック企業〟による従業員への過重労働、超過労働による酷使のことを指す。
 
 余剰・過剰問題は、ものすごく恐ろしい問題なのだ。触ると怪我をする。今の人間世界で解けない最大級の問題だ。

 ここで私ははっきり書く。余剰とは、ふつうは余剰生産物(余りもの)あるいは過剰生産(作り過ぎ)による過剰在庫のことだ。だが余剰とは、そんな生ま易しいものではない。余剰とは、ズバリ、余ってしまった人間たちのことだ。失業しそうな者たちのことを指す。だから、今のあなたが余剰そのものなのだ。

あとがき

 これで本書を終わる。この208頁の本を書き上げ、私は疲労困憊した。このヴォリュームにして、これほど脳が疲れた仕事は久しぶりだ。

 まえがきで書いたとおり、「余剰、過剰」問題は人類最大の解けない問題である。これ以上の難問は人類にとって無い。それほど恐ろしい問題なのだ。

 なぜなら人間が余っている、という現実は本当に恐ろしいことだからだ。「あなたは余剰なのだ」と言われた人間は一体どうしたらよいのか。この難問には答えがない。救いがない。だから、この本を書くのはキツかった。

 ただし、私にも収穫があった。この「余剰、過剰」問題という解なし(いまだ答えがない)の問題に、大陸西欧の偉大な思想家たちが、どのように向き合ってきたか、を調べあげて、苦労して壮大な見取図を描くことができた。この本で私が示したこの大きな見取図を、この国の読書人階級は、今後50年かけて理解するだろう。だから、この小著は私の死んだあとも残る本である。

 この厳しい時代をどう生きたらよいか。難しい政治の話はどうも苦手だ、という読者は、第3章から先に読むことをお薦めする。答えが出ない問題、すなわち「世の中、甘くないんだ」Tout nʼest pas bien. という、ヴォルテールが発見した重要な公理に立ち向かおうとする心構えが、まさに生き延びる思想そのものなのだ、とわかる。

 この本は、私を「諸思想の冥界巡り」に連れ出してくれた、ファウストにとってのメフィストフェレスである、KKベストセラーズ、小笠原豊樹編集長のずば抜けた教養なしには出来なかった。私は彼に最大限の敬意を表してこの本を書き終わる。

   2015年2月15日

副島隆彦 

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『日本に恐ろしい大きな戦争(ラージ・ウォー)が迫り来る』(講談社)目次

第1章 大きく2つに割れているアメリカ

第2章 アメリカの次期大統領を予測する

第3章 アメリカを動かす政治家・高官最新情報

第4章 国際紛争に至る6つの段階

第5章 ショック・ドクトリンが世界を襲う

第6章 極東の平和と安定を守り抜くために

まえがき

 2年後である2017年1月から、ヒラリー・クリントンがアメリカ大統領になったら、世界中が戦争になるだろう。

 日本では、この5月から「安保法制」の国会審議が始まる。兵器を使用しやすいように自衛隊法、周辺事態法、国連平和維持活動(PKO)協力法などの改正が相次ぐ。いよいよ、戦争か、平和(をこのまま続けられる)かの岐き路ろ に私たちは立たされた。 昨年(2014年)末の〝突然選挙〞(12月14日)があって安倍晋三首相たち自民党が勝った。これで安倍晋三は、あと4年間(2018年まで)首相ができると思って、その間に、日本をどんどん戦争態たい勢せいに持ち込むつもりだ。日本国民のほうは、「憲法改正までには、どうせまだ時間がかかる。何年か先だ」と不安にかられながらも考えている。憲法改正に反対である(平和主義)公明党が連立与党にいてくれるから、憲法改正はまだ当分、先だと、ヘンな勢力を頼りにしている。
私は近未来を厳しく予測(予言)する。

 2015年1月7日、フランス・パリで起きた週刊誌『シャルリー・エブド』襲撃テロ事件で、冷静なはずのフランス人まで反イスラム教の風潮になった。中東の狂気の集団ISIS(イスラム国)のことが響いている。

 おそらく、日本海に、北朝鮮の弾道(バリスティック)ミサイル(「宇宙ロケット」とも言う)が、発射されて落ちるだろう。それは、福井県の若狭湾(原発銀座)の公海上だろう。ここには、舞鶴の海上自衛隊の艦隊基地がある。かつての舞鶴軍港であり、明治期には「鎮守府 」と呼ばれた。アメリカの第7 艦隊(ザ・セブンス・フリート)のリエゾン基地もある。

 この北朝鮮のミサイル発射で、日本国民は大きく震ふるえ上がる。すかさず〝ショック・ドクトリン〞(Shock Doctrine)が発動される。ショック・ドクトリンとは、ナオミ・クラインというカナダの女性評論家の本のタイトルである。

 その勢いを借りて、安倍政権の安保法制がどんどん進められる。日本は一気に準軍事国家になる。軍備拡張に反対する者たちは弾圧されるだろう。安倍政権は、軍国主義に向かって法律群をどんどん可決(国会通過)させることができる。安倍政権は、世界基準では右翼(ライト)政権である。当然、このほかに尖閣諸島での中国との軍事衝突(military confl agration  ミリタリー・コンフラグレイション)の危険も迫る。

 すべては大きく仕組まれているのである。日本をこの方向に動かす、すべての企て(プロット)はアメリカによって綿密に設計され、着実に実行されていく。このように私が書くと、「また副島の陰謀論か」と言われる。私は、×「陰謀論」という言葉を認めない。

 英語のコンスピラシー・セオリー(conspiracy theory)は、○「権力者共同謀議(は有る)論」と正しい訳語に訂正すべきである。このように唱導している。

 私がこの本を書く動機は、日本国民よ騙だまされるな、である。私たちは、着々と仕組まれて、どんどん戦争態勢に引きずり込まれつつある。この現状に、先手先手を打って「次はこうなる。その次はこうなる。(彼らは)次は、こういう手で出てくるぞ」と、私が近未来の予測(=予言)を行う。そうすることで日本国民が前もっての知識を得ることができる。そうしたら危機に対して準備ができる。準備して身構えることによって、突発的に何かが起きても、うろたえないですむ。

 私たちは突然の軍事衝突の大事件が起きても、一瞬の恐怖心に囚とらわれてパニック状態に陥ってはならない、と私はこの本で諭さとす。日本国民にあらかじめの警戒心と対応能力を持ってもらいたい。そのために私は現在の世界(中)の最新情報を集めて伝える。

 私たち日本人が前もって準備して、次はこうなるぞ、その次はここからこのように仕掛けられるぞ、と身構えていれば、簡単に騙されることはない。「そうか、やっぱり、その手で来たか」と冷静に対応できる。

 もう1つ大事な近未来を本書で書いた。黒人の大統領の次は女の大統領なのである。〝女の時代の恐ろしい女たち〞が、ヒラリー・クリントンたちによって着々と準備されている。ということは、日本でも次は女の首相が誕生する。

 オバマが残りの大統領任期2年間は、必死で〝大きな戦争(ラージ・ウォー)〞を食い止める。そのあとが危険なのだ。 自然大災害と戦争の脅威が突然起きると、人々は狼狽し判断力を失う。その時を利用して権力者(支配者)たちは、うむを言わせず、一気に大きな制度改革(すなわち、安保法制やら憲法改正やら)を断行する。大事件の勃発で一瞬にして脳に打撃を受けて恐怖心に囚われた国民は、そのとき、判断力を失う。

 そこが権力者たちの狙い目だ。今こそ私たちは「備えあれば憂いなし」の心構えを持つべきだ。だから、そのための「これから、こういうことが起きる」という先手先手の、近未来の予測と、前もっての情報を、私がこの本で書いて知らせる。

 何があっても、うろたえるな。うろたえた、そのときが、国民(民衆)の側の総敗北である。権力者たちの思うがままにされる。私たちはショック(恐怖)に襲われて判断力を失くして、そのすきを突かれて権力者たちの言いなりにさせられる。これが、まさしく「ショック・ドクトリン」である。まんまと権力者たちの術中にはまったら、もうそのあとは、日本国は、いよいよ破滅への道を歩かされる。

 それを何とか阻止したい、ともがきながら願う私の必死さがこの本を書かせた。私は、今や、誰憚はばかることなく、近きん未来の予言者、日本国の占うらない師、呪まじない師の地位に就く。

 先のことに不安を抱え怯おびえることが多い人は、占いと呪まじないに頼る。占いとは近未来の予測のことだ。「そんなものを私は信じない。私は科か学がく的な人間だ」と、インテリぶってバカなことを言っている人間ほどアホである。

 私たちは、もうすぐ日本に押し寄せる近きん未来(数年以内)の災難に向かって、先手先手で事態に備え、襲い来る大きな災難を生き延びることが重要だ。

 そのために私は全身を強こわ張ば らせながらこの本を書いた。

あとがき

 勘の鋭い人たちが、「なんだか日本も戦争になりそうだな」と感じはじめている。

「まえがき」でも書いたが、私がこの本で言いたいことは次の一行だ。「戦争が日本にも迫っている(あと数年)が、そのときになって慌てるな、うろたえるな」ということだ。

 うろたえて、気が動転して日本国民が冷静な判断力をなくしたそのときが、権力者、支配者たちの思うつぼなのである。それを〝ショック(を与えて脅して支配する)・ドクトリン〞と言う(第5章参照)。

 世界は大ラージ・ウォーきな戦争にヒタヒタと向かっている。日本もこれに必ず巻き込まれる。中東(ミドル・イースト)の次は極東(ファー・イースト)なのである。すなわち、私たちの東アジアで戦争が起きる。いや、起こされる。そのように、アメリカのヒラリーの勢力が着々と仕組んでいる(第1章参照)。

 歴史(=人類史)は繰り返すのである。だが、本格的な戦争になるまでに、4つの段階(必ず踏む手続き)がある。①議論・対立(アーギュメント)、②軍事衝突(ミリタリー・コンフラグレイション)、③事変・紛争(ミリタリー・コンフリクト)だ。そして、その次が本当の④戦争(ウォーフェア)である。このことを日本国民が知ることが大事だ(第4章参照)。

「次はこうなる。その次は、こういうことが起きる」とあらかじめわかっていさえすれば、私たち(日本国民)はそれに対処できる。1人ひとりが対策を立てられる。身構えて準備することができる。そして戦争というのは、だいたい4年間で終わる。1つの国で500万人ぐらいが死ぬ。歴史(人類史)をずっと調べていてわかった。このことをみなさんに知ってもらいたかったので、私はこの本を書いた。

 もちろん、現代のアメリカ政ポリティカル・ソート治思想の研究者である私が、最新のアメリカの政治情報もたくさん、かつわかりやすい大きな構図(図式)で示した。

 日本国民に幸わいあれ。

2015年2月
副島隆彦

 

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