「122」 「小沢一郎 対 検察(オール官僚)の闘い」(8) 「事業仕訳け」に対する反動派(官僚の味方)朝日新聞の嫌悪記事。 2010.3.15

副島隆彦です。 続けてどんどん載せます。


● 「事業仕分け人VS官僚 」

2009年11月25日  朝日新聞

http://www.asahi.com/business/topics/column/
TKY200911240495.html

  事業仕分けでは、官僚たちの説明をベースに、仕分け人がその是非を判断する。各事案で1時間の攻防だ。ネットでも公開されている。1時間では不足とする声もあるが、そんなことはない。この攻防をみて長妻昭厚労相が、幹部たちの説明能力不足を指摘した。確かにテレビでも、仕分け人の指摘に動揺する官僚の映像が多い。すべての事案を見ていないので、説明能力不足について正確な評価はできないが、かつて官庁発注の調査を仕事にしていた経験からすれば、さもありなんと思う。

 プラザ合意の円高不況を境に、景気対策を理由に財政規律が緩んだという実感がある。特に小渕政権以降は、調査予算がいくらでもつく状態が強まっていった。はやりのキーワードが入ったテーマであればなんでもありで、同一省庁内でも似たようなテーマが次々に発注されていた。調査分野に限らず官需全般がこうだったのではないか。納税者としては大いに疑問に思っていた。

 今の官庁幹部たちは若いときから長期間にわたって、このような予算のつき方が当たり前として育ったに違いない。大蔵省、財務省の査定の厳しさが言われるが、これにしても三、四十年前とは様変わりだったろう。劣化する前提条件が整っていたのだから、説明能力不足は当然であるし、そもそも本来の事業構想力も鍛えられていない。

 今後も事業仕分けは継続すべきだし、地方自治体でも推進したら良い。さらに、同様な方法で過去の事業の査定を強めるべきだろう。こうした活動を通して、不要な事業の抑止力となると同時に、説明力以前に、真に必要とされる事業の構想力が官僚たちに醸成されることを期待する。(龍)


◆聞こえてこない現場の声 事業仕分け 教育予算めぐる攻防 11月24日 朝日新聞
http://www.asahi.com/edu/tokuho/TKY200911240314.html

国の予算の無駄を削る、行政刷新会議の「事業仕分け」。11~17日に実施された第1弾では、教育関係の予算についても「仕分け人」が切り込んでいった。学校教育、大学、生涯教育――「国の基盤をつくるため」と文部科学省が積み上げた来年度予算の要求額は、科学技術関係も含めて総額5兆7562億円。どんな攻防が展開されたか。

■満場の傍聴者、ネット中継も

 「聞こえません。何とかしてくださいっ」

 事業仕分け初日の11日朝。埼玉県から東京都新宿区の会場にやって来た女性(64)が声を荒らげた。傍聴用のイヤホンが足りず、議論が全く聞こえないことにいら立っている。

 冒頭の議題は、文科省所管の三つの独立行政法人のあり方だった。女性は対象法人の一つ、国立女性教育会館(埼玉県嵐山町)でボランティアを10年間続けており、この日は雨の中を2時間かけてやって来た。「無駄遣いは無くして欲しいけど、実情を知って議論して欲しい」

 事業仕分けは3班に分かれ、文科省分を担当したのは第3ワーキンググループ。民主党議員のほか、大学教授や元中学校長らを含む19人の「民間仕分け人」が加わった。満場の傍聴者と報道陣。インターネットの中継もあり、会場はさながら「劇場」のようだった。

 「女性教育会館で指導を受ける人数は?」。強い調子で尋ねたのは、民主党参院議員の蓮舫氏だ。会館側の説明が終わるのを待たずに「何人?」と何度もただす。「幅広いと思っています」との答えに、「分からないということですね」とたたみかけた。途中で会館の理事長が叫ぶ。「心外ですっ」

 事業仕分けでは、「英語ノート」も俎上(そじょう)に上った。小学5、6年生では11年度に外国語活動が完全実施されるが、それがスムーズに進むよう冊子をつくって各校に配布している。

 ここでも蓮舫氏は「デジタル化し使いたいところが使えばいい」。ネットにデータを置き、必要な学校がダウンロードして印字すればいいという考えだ。

 「(小学校の英語には)教科書がないため、他の教科が無償で教科書を配るように、同等の価値のものとして……」。文科省の担当者が言いかけると、「全くわかりません。これは教科書じゃないですよね」。

 「音声教材としてCDも配っています。紙媒体にCDを加えて授業をするというのが現実の姿だろうと……」

 「現実の姿って何ですか。どうして決めつけるのですか」

 議論は「なぜ小学校から英語を?」という「そもそも論」に広がる。会場には「耳がやわらかいうちに」という説明に納得がいかない空気が流れた。

 02年度から学校に配布されている道徳教材「心のノート」も議論に。現行の中学版には特大文字で「この学級に正義はあるか!」と書かれたページがあるが、民間仕分け人の一人は「正義を振りかざすのがどれほど危険か」「教条的な決めつけが多く、『あるべき心の見本市』ですごく気持ち悪い」と言った。

 事業仕分けでは主に予算の妥当性を検討することが想定されているが、議論が政策全体に拡散する場面は多かった。

 政権交代により、スタートしたばかりで見直しの方向が固まった教員免許更新制。移行措置で講習は10年度いっぱいは続けることが想定されており、今回は山間地や離島で開くための補助事業のあり方が議論された。

 だが、仕分け人からは「制度そのものが必要か」「先生に向かない人は向かない。いくらやってもしょうがない」と重ねて「不要論」が続く。見かねた文科省の高井美穂政務官(民主党衆院議員)が「私たちは更新制廃止を前提に検討している。それを理解した上で議論を」と軌道修正に入ることもあった。

■公開で議論 高まる関心

 「パフォーマンスが先に立っている」「強引だ」。こんな批判が上がっている事業仕分け。しかしそれでも、民間が入って公開で国の予算を議論したこと、一般市民の目線で「素朴な疑問」を官僚に投げかけたことを評価する声は多い。

 「素朴な疑問」から、官僚の視野の狭さが透けてみえることもあった。例えば、将来どんな仕事に就きたいか、そのためにどうしたらいいかを若いうちから考えさせる「キャリア教育」をめぐる事業。文科省の担当者は、地方では総合的な計画を立てきれないとして「国がやる意義」を強調した。

 しかし一方で、仕分け人が国の事業として「教育にあたる地域の人材を全国規模で流動化させては」と提案しても担当者は答えない。回答を促され、「国の役割は先導役だが限定的」「そういった役割を果たすのにどういう事業がいいかと考え提案した」と聞く側にはよく理解できない答弁を繰り出した。

 他の事業の説明でも、現場の教員や子どもの話がほとんど出てこないことも多かった。

 教育行政の研究が専門の亀田徹・PHP総合研究所主任研究員は「仕分け人と文科省のやり取りはわかりやすかった。こんな事業もあるのかと初めてわかった人も多かっただろう。公開された意義は大きい」と言う。「文科省としても議論を仕分け作業の中だけで終わらせず、今後の予算編成や地方への財政措置にいかしてほしい」

 16日昼から文科省がホームページで呼びかけた意見募集には、19日午後1時現在で約4400件のメールが寄せられた。役所に同情的な意見が多いというが、今回のことで国の施策に一層関心が高まったことは間違いない。

 事業仕分けの第2弾は24~27日。今度は各地の義務教育費の3分の1を国が負担している制度をどうするか、国立大学への運営費交付金が今のままでいいかという、教育行政の根幹にかかわるテーマが議論される。

■文科・農水両省が別個に食育冊子

 事業仕分けでは、文科省と農林水産省が「食育」について似たような子ども用冊子を別々に作っていることが取り上げられた。学校では食べ物の働きを3色で教えているが、農水省のガイドで使っているのは5色。文科省側が「農水省のガイドは難しすぎる」と力説すれば、農水省側は「分かりやすい内容になっている」と反論。結局、仕分け人の判断は、両省とも「予算の大幅削減」と「重複部分の見直し」だった。

 文科省は「食生活を考えよう」という学習教材を03年度から小学校の低、中、高学年向けに作ってきた。08年度は387万部を配り、予算は1億円余り。

 冊子では、様々な食べ物について、体をつくる▽体を動かすエネルギーになる▽体の調子を整える――という働きの違いで3色に分類して説明している。

 一方の農水省は、1日に何をどれだけ食べたらいいのかを示す「食事バランスガイド」を厚生労働省と決めて、子ども、若者、中高年、高齢者など、年齢層別に冊子を発行。主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物を5色に分けて示す内容になっている。(見市紀世子、星賀亨弘、中村真理子)


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