「91」「サブプライム危機から世界恐慌へ」(26) 2007年8月崩れの次の月である9月の分の記事を載せる。2008.9.13

副島隆彦です。 下↓の「90」番に、サブプライム崩れ当日(8月17日)の前後の記事を載せた。ここは、その次の月だ。

8月17日には、東証の日経平均が874円暴落して、終値は、1万5273円だった。あの日から、世の中は騒然となった。しかし、それでも、世界を支配する権力者たちは、上の人間たちほど、まだ自分たちの力でどうにか出来るのだ、と信じていたようだ。

 だからアメリカ人の庶民層は、まったく慌てていなかった。その後の半年間、今年の3月のベアスターンズ証券の破綻・JPモルガンへの3兆円(300億ドル)の持参金付の吸収合併のあたりまで、本気ではなかったようだ。この危機が、世界恐慌の始まりなのだと、誰よりも一番知っていたのは、副島隆彦だろう。

 私は、あの日、ひとりで静かに祝杯をあげたことを覚えている。
あの日から、敗戦後62年目にして、世界史(ワールド・ヒソトリー)の大きな転換点が出現したのだ。このことの意味を一番かみ締めて知っていたのも私だ。 だから私は、その後の動きの一切を、自分の予想と予測の範囲内で、管理できた。私は、自分はあの日、自分の思想家・日本知識人としての人生に勝利したのだと気づいていた。 副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

●「世界の中央銀行は「07年のパニック」に打つ手なし-ムーディーズ 」
Central Banks Lack Tools to Fix `Panic of '07,' Moody's Says  By Mark Pittman and Kabir Chibber

2007年9月19日  ブルームバーグ

 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは19日発表したリポートで、中央銀行が「07年のパニック」のなかで信用市場の安定を回復させる手段を欠いている可能性を指摘し、金融機関に一段の情報開示を求めるべきだとの見解を示した。

 ムーディーズはリポートで、レバレッジを効かせるヘッジファンドの増加とデリバティブ(金融派生商品)が、金利上昇の影響を増幅したと指摘した。

 ムーディーズのクリストファー・マホニー副会長とピエール・カイユトー上級副社長はリポートで、「金融の世界の新しいパラダイムは幾つかの問題をもたらし、世界の金融当局者はまだその解決策を見つけていない」とした上で、「1つ1つの金融危機は新しい教訓をもたらし改革につながる。現在の『07年のパニック』も同様だ」と述べている。

 世界の主要中銀は8月に起こった信用収縮を、当初の対策によって鎮静させることができなかった。金融当局は翌日物の資金供給や利下げなどの伝統的な手段で対応しようとした。イングランド銀行は18日、44億ポンド(約1兆円)を英銀に緊急融資した。米金融当局はフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.5ポイント引き下げ4.75%とした。

 ムーディーズは、従来ならば米連邦準備制度は銀行への監督権限を生かし、システムへの資金供給によって信用収縮を緩和することができたが、現在では最大の投資家グループの1つとなったヘッジファンドを制御する力がないと指摘。「金融市場の衝撃が経済に影響を与える度合いは、中銀がシステム全体で『流動性』を回復できるかどうかにかかっている」とした上で「当局と市場が金融の世界のプレーヤーらに透明性向上を求めるだろう」との見方を示した。

 19日の発表されたのは今回の信用危機に関する2本目のリポート。前回の9月5日のリポートでは、米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンを裏付けとした証券の価格調整は少なくともさらに6カ月続くとの予想を示していた。マホニー副会長がインタビューで述べたところによると、次回のリポートでは格付け会社が市場で演じる役割について議論する見込み。

● 2007.9.19   あるサイトから

 債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の投資責任者ビル・グロス氏:

 グロス氏は「住宅問題は、さらに金利を押し下げる原動力となるだろう」と語り、米成長率を2.5-3%付近に保つためには、「最終的に少なくとも3.75%までの利下げが必要になるだろう」との見方を示した。

 グロス氏によると、利下げ局面の1回目の下げ幅が0.5ポイントとなったのは過去20年で2回だけで、いずれの場合もその後に米経済はリセッション(景気後退)入りしたという。同氏は「今回もリセッションになるということを示唆しているわけではない」として、「金融当局は住宅市場を注視しているということだ」と述べた。グロス氏は以前から2007年の利下げを予想していた。

 IMCOのマネジングディレクター、ポール・マカリー氏によると、同社は向こう1年の米景気が年初に考えていたよりも大幅に減速するとみている。マカリー氏は18日にPIMCOのウェブサイトに掲載したリポートで、向こう1年の米成長率は1.25-1.75%との予想を示し、3月時点の予想(2-2.5%)から下方修正した。

 グロス氏は、この予想が当たっているならば「米金融当局は今すぐ、積極的な利下げを開始する必要がある」と述べた。4-6月(第2四半期)の米成長率は4%だった。


● 「FOMC声明全文:住宅調整の深刻化と成長抑制のリスクを指摘」

2007年9月18日 ブルームバーグ

 米連邦公開市場委員会(FOMC)が18日の定例会合後に発表した声明の全文は以下の通り。FOMCは本日、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.5ポイント引き下げて4.75%とすることを決定した。

 今年前半の経済は緩やかに成長したが、借り入れ条件の引き上げで住宅調整が深刻化する可能性と、経済成長がより広く抑制される恐れが出てきた。この日の決定は金融市場の波乱が景気全般に与えうる悪影響の一部を抑止し、経済が長期的に緩やかに成長するのを促すのが目的。

 今年に入り、コアインフレの数値は小幅に改善してきた。しかしながら委員会はインフレリスクが一部に残ると判断し、慎重にインフレの動向を見守っていく所存だ。

 前回の定例会合以降、金融市場では景気見通しへの不透明感が強まった。委員会はこうした影響や他の経済側面の動向を引き続き見極めつつ、物価安定と持続的な経済成長を促進するために必要に応じて行動する。

 このFOMCの金融政策に対し、バーナンキ議長、ガイトナー副議長(ニューヨーク連銀総裁)、ホーニグ総裁、コーン理事、クロズナー理事、ミシュキン理事、エバンス総裁、プール総裁、ローゼングレン総裁、ウォーシュ理事が賛成した。

 連邦準備制度理事会(FRB)はこれに関連し、公定歩合を0.5ポイント引き下げ5.25%とすることを全会一致で承認した。公定歩合の引き下げはボストン連銀とニューヨーク連銀、クリーブランド連銀、セントルイス連銀、ミネアポリス連銀、カンザスシティー連銀、サンフランシスコ連銀の理事会から提出された。

 <8月17日のFOMC声明>
 金融市場の状況は悪化し、借り入れ条件の引き上げと不透明感の高まりがこの先の経済成長を抑制する可能性が出てきた。最近の経済統計は緩やかなペースでの景気拡大が続いていることを示唆しているものの、FOMCはこうした状況を考慮し、経済成長の下振れリスクが目に見えて高まったと判断した。FOMCは状況を監視しており、金融市場の波乱が経済に与える悪影響を緩和するため、必要に応じて行動を取る準備を整えた。

 このFOMCの金融政策に対し、バーナンキ議長、ガイトナー副議長(ニューヨーク連銀総裁)、フィッシャー総裁、ホーニグ総裁、コーン理事、クロズナー理事、ミシュキン理事、モスコウ総裁、ローゼングレン総裁、ウォーシュ理事が賛成した。


● 「8月米住宅差し押さえ:前年の倍以上、約11万件-リアルティトラック」
U.S. Home Foreclosures Doubled in August, RealtyTrac Says

2007年9月18日ブルームバーグ

 米リアルティトラックが18日に発表したところによると、8月に差し押さえ手続きが開始された住宅物件は10万8716件と、前年同月の4万2144件の倍以上に膨れ上がった。変動金利(ARM)型住宅ローンの金利リセット(見直し)で、サブプライム(信用力の低い借り手向け)ローンの支払い負担が増えたことが背景にある。

 リアルティは差し押さえ物件をオンラインで紹介する住宅情報サービス会社。これによると、8月の差し押さえ件数は2005年の調査開始以来の最高を記録した。州別ではカリフォルニアが4万1714件と首位。フロリダが2万6203件で続いている。

 リアルティのリック・シャーガ執行副社長はインタビューで8月の急増について、「差し押さえの新たな波が押し寄せ始めたに過ぎない」と語る。「ローン開始年の超低金利でしか住宅を購入できなかったのに、金利が上昇し選択の余地がなくなってしまった借り手は多数いる」と述べた。同氏によると、サブプライム向けARMでは最初の年の低金利は2、3年で2倍に跳ね上がることがある。


●「ロジャース氏とフェーバー氏、米利下げはリセッションを招く」
Rogers, Faber Say Fed Rate Cuts Will Spur a Recession

2007年9月18日 ブルーンバーグ

 資産家のジム・ロジャース氏とマーク・フェーバー氏は18日、連邦公開市場委員会(FOMC)が利下げに踏み切った場合、インフレが加速し、国内経済はリセッション(景気後退)に陥り、ドルは急落しかねないとの見解を示した。

 ロジャース氏は上海でインタビューに応じ、「FOMCがウォール街の友人たちを救おうとするたびに、状況は一段と悪くなる」と指摘。「バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が現在よりも速いペースで紙幣をばら撒くことになれば、お察しの通り、経済は深刻なリセッションに陥る。ドルの価値は崩壊し、米国債相場も急落を免れない。米経済は問題を多く抱えることになる」と警告した。

 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト134人の調査中央値では、18日のFOMCではフェデラルファンド(FF)金利誘導目標が5%に引き下げられる見通し。予想通りとなれば、4年ぶりの利下げとなる。

 ロジャース氏とフェーバー氏はいずれも、FOMCは政策金利を引き上げてインフレを抑制し、ドルを支えるのが適切だとみている。 フェーバー氏は「現在の問題の根源は人為的に低く抑えられた金利と金融緩和政策、さらに極めて無責任な金融政策によって助長された急速な信用の伸びにある」と述べ、「利下げは自殺行為だ」と断言した。

 同氏は香港の資産運用会社マーク・フェーバーのマネジングディレクターとして、約3億ドルの資産運用を監督する。ビーランド・インタレスツの会長を務めるロジャース氏は、1999年に始まった世界的な商品相場高騰を予想したことで知られる。


●「米SEC 投資信託から聞き取り調査-住宅ローン担保証券の評価額で 」
Mutual Funds Struggling to Price Bonds Draw SEC Query

2007年9月17日 ブルームバーグ

 米証券取引委員会(SEC)は、投資信託会社から住宅ローン担保証券について聞き取り調査を行っている。米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン市場で問題が浮上する前に購入した住宅ローン担保証券の価格を、投資家への情報で過大に評価していることを懸念している。

 SEC の投資管理部門の副ディレクター、ダグラス・シャイト氏 によると、SECは8月に投資信託会社大手25社 から聞き取り調査を行った。サブプライム住宅ローンの延滞率が過去最悪の水準となるなかで、住宅ローン担保証券への需要は今年に入り急低下した。

 シャイト氏はインタビューで、サブプライム関連証券の「価格査定での困難について」と、「相当数の解約申し込み」に対してどう対処しているかを複数の投信会社に尋ねたとした上で、「解約に応じるために流動性の高い資産を売っているとすれば、手元に残っている資産の価格査定の重要性はさらに増す」と指摘した。

 住宅ローン担保証券への投資意欲後退は他の証券にも広がり、メリルリンチの指数によれば、ジャンク(高リスク・高利回り)債は7月、月間ベースで5年で最大の下落となった。シャイト氏によれば、先月の調査からは一部の運用会社がサブプライム関連証券の価格査定で苦労していることが分かった。投信は保有資産の額を毎日計算し基準価格を示すことが求められるため、価格が確定できないのは問題だと同氏は述べた。

 住宅ローン担保証券の価格下落を織り込まなければ、投信の基準価格は過大評価されることになる。SECの投資管理部門の元責任者、バリー・バーバッシュ氏は、「価格が過大評価されていれば、解約した投資家は本来よりも多くの金額を受け取ることになる」と指摘した。


●「信用収縮で各行は最大1.2兆ユーロ(191兆円)の債務抱える恐れ=オランダ中銀」

2007年 9月17 日 アムステルダム、ロイター

 オランダ中央銀行(DNB)は17日、世界的な信用収縮による影響で、各銀行は最大1兆2000億ユーロ(1兆6600億ドル)程度の債務を抱える可能性がある、と述べた。

 これに先立ちオランダのメディアは15日、ベリンク中銀総裁の発言として、信用危機で最大1兆2000億ユーロの損失が発生する恐れがある、と報じていた。


●「イラク戦争「石油が目的」前FRB議長、回顧録で政権批判 」

日経新聞、共同通信 2007年9月17日 ワシントン

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070917
STXKB009117092007.html

 国際金融市場に絶大な影響力を振るったグリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長が17日発売の回顧録で「イラク戦争は主に石油が目的」と指摘、財政面でも「制御不能な歳出」を放任したなどとしてブッシュ政権を痛烈に批判した。

 18年半にわたってFRB議長に君臨、81歳の今も発言が注目される自称「リバタリアン(自由至上主義)共和党員」の前議長の回想だけに、米政財界に波紋を広げている。 前議長は回顧録「動乱の時代―新たな世界での冒険」の中で、ブッシュ政権が大量破壊兵器の脅威をあおってイラクに侵攻し「『イラク戦争は主に石油が目的』という周知のこと」を政治的に認めようとしなかったと指摘した。

 ブッシュ政権の経済政策については「制御不能な歳出に対し、大統領が拒否権を行使しようとしなかったことが最大の不満」として、議会と対決せず財政健全化を怠ったと苦言。政権内で政治的問題が優先され「経済政策の綿密な議論や、長期的影響の勘案に重点を置いていなかった」と酷評した。

● (副島隆彦注記。債務国である米国は、どうせ、ドル危機で、国内の金利が上がってゆく。FFレート(政策誘導金利)も、懸命に引き下げようとするが、どうせ、実勢に引きづられて、インフレの火消しの意味もあっても、跳ね上げてゆくしかない。)

2007年9月17日

 グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、17日付の米紙USAトゥデーに掲載されたインタビューで、「FRBはインフレを阻止するため、今後数年で政策金利を一時的に2ケタの水準まで引き上げる必要に迫られる公算が大きい」との見通しを明らかにした。

 米住宅価格の現在の水準が著しく高い。 Financial Times紙によると、グリーンスパン前FRB議長は、米住宅価格が今後大きく落ち、2桁台の下落もありうると述べたと言う。初めて米住宅市場にバブルがあったことを認めた。

 From the Financial Times: Greenspan alert on US house prices (hat tips Carlomagno houston)
US house prices are likely to fall significantly from their present levels, Alan Greenspan has told the Financial Times, admitting that there was a bubble in the US housing market.

  In an interview ahead of the release on Monday of his widely-anticipated memoirs, the former chairman of the Federal Reserve said the decline in house prices “is going to be larger than most people expect”.
...

  Mr Greenspan said he would expect “as a minimum, large single-digit” percentage declines in US house prices from peak to trough and added that he would not be surprised if the fall was “in double digits”.

  As Fed chairman, Mr Greenspan had talked about “froth” in the housing sector, but never said there was a bubble in the market as a whole. His successor Ben Bernanke has also avoided the word “bubble”.

 But Mr Greenspan told the FT that froth “was a euphemism for a bubble”.See the article for Greenspan's comments on SIVs and commercial paper. Greenspan is trying to generate interest for his memoirs, but these comments on the housing bubble and falling house prices are still note worthy.


●2007年9月15日

「ショーン・デービット・モートンの最新ニュースレター 」から

 ショーン・デービット・モートンは会員向けに有料のニュースレターを配信している。内容は、予言や警告のみならず株や通貨、貴金属なども含んだ幅広い投資分野のアドバイスだ。
「Coast to Coast AM」のインタビューによると彼のニュースレターは前ゴールドマンサックスの社長で 現財務長官のヘンリー・ポールソンも購読していたようで、予測の的中率には定評がある。

 低所得者向けの住宅ローンであるサブプライムローンの破綻後、破綻の影響の拡大を避けるためアメリカ政府は20日間で約790億ドルを市場に投入した。これは連邦銀行が通貨を増刷することで賄われた。その結果、膨大な額の過剰なドルが流通している。

 一方、連邦銀行は2006年3月以降、世界に流通しているドルの総額を示すM3レポートの公表を中止してるが、連銀の最後のレポートの数値からみて一年で35%のインフレ率だと想定できる。ブッシュ政権や連銀はこれをひた隠しに隠しているが、これは早晩明らかになるだろう。この結果、ドルは暴落し米国債もほとんど紙くずと化す。

 ドルの暴落以降基軸通貨としてのドルは放棄され、米国政府がかねてから準備していたAMEROが導入される。経済崩壊は、マヤカレンダーのコルマンインデックスのNight5にあたる11月17日前後に起こるはずだ。 2008年のアメリカは地獄をみるだろう

●2007年9月15日 毎日新聞

http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/afro-ocea/news/20070915k0000e030011000c.html

 米国のサブプライム住宅ローン(信用度が低い借り手用の融資)が破綻(はたん)し、世界経済を揺るがせている。カリフォルニア州などで住宅バブルがはじけたのがきっかけ。 ローン返済が滞り、競売にかけられた住宅数は7月だけで全米で約18万軒。今年末までに100万軒が差し押さえられるという。一体、何が起こったのか??。

 サンフランシスコから車で東に2時間、銀行の差し押さえ率全米一のストックトン。市中心部にある裁判所前で始まった競売はわずか5分で終了。約30件の不動産が差し押さえとなった。ブドウ畑に接する新興住宅地では真新しい家に「大幅値下げ」の
看板がかかる。

 サンフランシスコやサンノゼの高所得者が投資目的でセカンドハウスを購入したため、 不動産価格は00年から毎年10%超も上昇。04年には前年度比43%、05年には63%も急騰した。住宅ローンは「頭金2割、30年」の固定金利が基本だが、金融機関は「頭金なし、最初の1?3年間は金利のみ」、またはごく低利の金利のみを払えばいい変動金利ローンを設定し、投機ブームをあおった。

 不動産業のクレア・キティラスさん(30)は04年初め、33万6000ドル(約3860万円)で家を購入。1年たらずで56万ドルに値上がりしたため、変動金利ローンに借り換え、借入金の一部を2軒目の家(56万ドル)の購入費用に充てた。

 当初は30年固定金利ローンで支払いは月1600ドルだったが、変動金利に変えたため今年は2軒分で月5800ドル。価格は下がり、転売もローン借り換えも不可能になった。「どうせ30年も住まないし、価格は上昇し続けると思っていた」と唇をかむ。

 地元の不動産ブローカーのルイス・マウーツアさん(37)は「悪質なのはサンフランシスコなどのブローカー」と前置きしたうえで、具体的な取引例を明かしてくれた。「預金も良い仕事も信用もなし、家が欲しい気持ちだけがある、という市民に貸し付けた。完済能力があるのは2割だった」  借り手に現金がないため、ローン申請書に借り手の偽の収入証明書を添付するブローカーも。銀行側も気にしなかった。

 住宅ローンは証券化され、結局損をしたのはヘッジファンドや海外の投資家だ。 マウーツアさんは振り返る。「欲にまみれた借り手、非倫理的な方法で貸し付けたブローカー、きちんとしたガイドラインがなかった銀行。責任は全員にある」 サンフランシスコやニューヨークのマンハッタンは居住空間が限られているために不動産価格が下がりにくいが、ストックトンの周囲には農地が広がる。シリコンバレーのような地場産業もない。価格はあと2年は落ち続けるとみられる。

 マウーツアさんは「政府は救済のために税金を投入すべきではない。バブルはまた起きる」 とみる。調査会社のハウジング・プレディクターによれば、米国人の8割が同意見だそうだ。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝


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