「88」 「サブプライム危機から世界恐慌へ」(23) 2008年7月分の新聞記事の「80」番に載せなった残りを載せる。2008.9.13

副島隆彦です。2008年7月分の新聞記事のまとめは、「80」番(15)に載せたのだが、載り切らなかった分をここで載せます。  副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)


● 「サブプライム問題  外資金融勤め暗転:リストラの荒波…高給か安定か、揺れる学生」

朝日新聞 2008年7月31日

 サブプライム問題に揺れ続ける欧米金融大手のリストラの荒波は、東京を拠点とする社員ものみ込みました。すんなり転職先が決まらない例も目立ちます。報酬が高い半面、ドライに人員を削減するのが外資流とはいえ、今回の「危機」は根深いようです。

「人員縮小」突然の通告
 底冷えのする2月のことだった。外資系証券で働く20歳代の男性は午前中の仕事を終えると、上司に別の階の会議室に来るように呼ばれた。 「本社の業績が悪化した。申し訳ないが人員を縮小する。サインして欲しい」 退職金や給与支払いの総額を書いた書類があった。突然の人員整理の通告だった。

 その場でサインはできず、「持ち帰ります」と告げた。ただ、通告後はパソコンを使って仕事ができない決まりになっている。荷物をまとめて会社を去るしかなかった。「金融の職人になりたい」。そんな思いで大学卒業後すぐに外資系証券に入社。数年前に会社を変わり、不動産を証券化するチームに属した。風向きが変わったのは昨年末ごろ。サブプライム問題で市場が荒れ、機関投資家が証券化商品をなかなか買わなくなった。

 金融技術の高い、外資系金融の現場で働きたいとの思いが強い。以前勤めた外資系の面接を受けたが、「採用を絞っているので今は採れない」と言われた。まだ、採用されるめどは立っていない。別の外資系証券大手に勤めていた40歳代の男性は、新しい職を見つけるため20~30社にかけあった。内定寸前まで話が進みながら、手のひらを返したように断られたこともある。「これまでにいくつも会社を変わったが、今回は環境が最も悪い。サブプライム危機はそれだけ深刻なのだろう」

 兆円単位の損失を次々と計上している外資では、経営立て直しに向けて全世界で数千人にのぼる人員削減が相次ぐ。傷が浅いはずの東京市場も例外ではない。「外資系証券の中には、日本株の運用や証券化商品の販売を手がける20~50人単位のグループが丸ごと消えた会社もある」(人材紹介大手)

 人材紹介などを手がけるエグゼクティブ・サーチ・パートナーズの小溝勝信代表は「日本の外資系金融機関で働く人口は銀行・証券会社で計約2万5千人。そのうち千~2千人が昨年末からのリストラや希望退職などで職を変えた」と推測する。

 外資系金融は06年の高収益を追い風に、07年に東京でも大量採用した。ある欧州系金融機関は「コストが高い中途採用は厳選し、安く使える新卒採用を増やしたい」と打ち明ける。その分、リストラ組の職探しは厳しさを増す。「通常はこちらから連絡をとるが、今回は逆に向こうから1日に数十人単位で問い合わせがあった」。就職仲介会社の社長は、リストラされた社員からの問い合わせに応じるため、年末から春まで携帯電話を握って床についていたという。「経験したことのないくらいの特需」(ヘッドハンター)だった。

 多くの外資はこの4~6月期決算でも、サブプライム関連の損失を積み増した。「自分自身は好業績を上げていたのに、リストラされてしまった」。欧州系の金融大手に勤めてきた30歳代の男性は最近、職探しに走り出した。

 高給か安定か 揺れる学生
 学生も敏感に反応する。内定していた09年春の入社を取り消された学生もいる――そううわさされているからだ。「外資系で株式や債券のトレーダーになるのが夢だった」という東京都内の男子学生(24)は、外資系金融機関への就職をあきらめ、国内の大手電機メーカーへの就職を決めた。気持ちが変わったのは、米欧でサブプライム危機がはじけた昨夏。外資が東京の事務所で実施した職場体験に参加したのがきっかけだった。 「損失がどこまで膨らむかわからない。ひょっとしたら、うちの会社はつぶれるかもしれない」。

  あこがれの先輩が発したのは弱気な言葉だった。目の前にずらりと並んだパソコン画面を眺める債券トレーダーは、値動きの激しさにいら立っていた。

 「高給と仕事のやりがいにあこがれたが、重圧を受ける社員を目の当たりにして、外資でやっていく自信がなくなった」。この学生はそう漏らす。欧州から日本に留学していた若者は今春、日本の証券会社に就職した。「欧米系で不安な人生を 送るより、安定してキャリアを積める日本的経営の方がいいのではないか」と考えたという。 (都留悦史、古屋聡一)

●「米SECの調査、リーマンめぐる財務悪化などの憶測風説に焦点」

2008年7月28日

 ウォールストリート・ジャーナルは、米証券取引委員会(SEC)が米証券大手リーマン・ ブラザーズ・ホールディングスの財務悪化や大口顧客を失いつつあるなど6、7両月に流れた憶測に焦点を絞って、不正な株価操作の有無を調査していると報じた。調査の状況に詳しい複数の関係者の話を基に伝えた。


 SECは、多くのヘッジファンド運用会社などに通話記録や給与詳細の提供を求める召喚状を送った。同紙によると、召喚状は連邦準備制度の融資制度や英バークレイズ、ヘッジファンド運用会社SACキャピタル・アドバイザーズ、債券ファンド運用最大手の米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)に言及していた。SECの調査はまだ初期段階だという。

●「米銀行2行が経営破綻 サブプライム問題根深く」

2008年7月26日 毎日新聞

 【ワシントン斉藤信宏】米連邦預金保険公社(FDIC)は25日、ネバダ州のファースト・ナショナル・バンク・オブ・ネバダとカリフォルニア州のファースト・ヘリテージ・バンクが経営破綻(はたん)したと発表した。 FDICは2行の資産を差し押さえ、ネブラスカ州のミューチュアル・オブ・オマハ・バンク に譲渡した。米国内では2週間前にもカリフォルニア州の住宅金融大手インディマック・バンコープが破綻したばかり。

 25日に破綻した2行は資産規模こそインディマックの10分の1以下と小さいが、相次ぐ金融機関の破綻は、低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題の深刻さを改めて浮き彫りにした。

 FDICによると、ファースト・ナショナルの総資産は約34億ドル(約3670億円)で預金額は約30億ドル、ネバダ州内などに25支店を構えている。ファースト・ヘリテージは資産2億5400万ドル、預金額は2億3300万ドルで支店数は3店。ファースト・ナショナルはサブプライム関連の評価損などの影響で、08年1~3月期に1億3130万ドルの純損失を計上。経営の先行きが危ぶまれていた。


● 「空売り規制の全銘柄への拡大提案へ、新たな対策も検討=米SEC委員長」

2008年 7月 24日 ワシントン 、ロイター

 米証券取引委員会(SEC)のコックス委員長は24日、金融大手19社の株を対象とした空売り規制について、全銘柄への拡大を近く提案する方針を明らかにした。

 同委員長は下院金融委員会で証言し、空売り規制を市場全体に拡大することを検討しているとし「間もなく提案を行う」と述べた。 また記者団に対し、大規模な空売りポジションの報告義務付けなど、新たな空売り規制を検討していることを明らかにした。


●「UBS株が大幅安:米ニューヨーク州が提訴-入札方式証券めぐり 」

2008年7月25日 ブルームバーグ

 25日のスイス市場で、同国の銀行最大手UBSの株価が大幅安となった。米ニューヨーク州のクオモ司法長官は同行が入札方式証券(ARS)を安全な投資先として勧めたことが詐欺的行為に当たると主張し同行を提訴した。

 UBS株は一時6.4%安となった。チューリヒ時間午前9時6分(日本時間午後4時6分)現在、1.24スイス・フラン(5.4%)安の21.76スイス・フラン。

 クオモ長官はUBSに、同行顧客が保有するARS250億ドル(約2兆7000 億円)相当を額面価格で買い戻すことを求めている。2月にARS市場が崩壊して以来、マサチューセッツ州とテキサス州も同様の主張で同行がそれぞれの州で販売したARSの買い戻しを迫っている。

 UBSの広報担当者カリーナ・バーン氏は電子メールで、「徹底的に争う」方針を表明した。同行がARSを自行のバランスシートから顧客口座に移転するため「広範な販売促進活動を展開したという主張を否定する」とした上で、一部の行員に不適切な判断があった可能性については認めた。 UBSは16日、クローズドエンド型ファンドに販売した入札方式優先株 35億ドル相当を買い戻す計画を公表していた。

●「NY州司法長官、UBS提訴-販売した入札方式証券の買い戻し要求」

2008年7月24日 ブルームバーグ

 米ニューヨーク州のクオモ司法長官は24日、入札方式証券(ARS)の販売をめぐり、スイスの銀行大手UBSを民事提訴した。 過去5カ月間、ARS市場は事実上、凍結している。同司法長官はUBSに対し、同社のニューヨークなどの顧客が所有するARSを額面通りの価格で買い戻すよう求めている。

 同司法長官はUBSについて、投資家にARSを安全な金融商品として販売を促進したことは詐欺的だったと主張している。訴状によると、UBSはARS市場で混乱が生じた後も販売を続け、同行幹部らは個人的に保有する2100万ドル相当のARSを売却した。

 クオモ長官は記者会見で、「UBSは顧客との信頼関係を著しく損ねただけでなく、幹部らはARS市場が崩壊し始めるといち早く同市場から撤退し、数千人もの顧客に押し付けた」との声明を発表した。

 ニューヨークはUBSを提訴した3番目の州となった。UBSは3300億ドルのARS市場でシティグループに次ぐ大手引き受け業者。2月に利回りを決定する入札で買い手が現れなかった際、UBSなどの銀行は最後の買い手としての役割を放棄。数千のARS入札が不成立に終わり、投資家は保有するARSを売却できなくなった。

 クオモ長官は4月にARSのマーケティングをめぐる捜査の一環として、銀行と証券会社計18社に召喚状を送付していた。ARSの発行体は州や市、医療機関、クローズドエンド型投資信託、学資ローン関連組織などで、償還期間は通常、20年あるいは40年。

 UBSの広報担当者カリーナ・バーン氏は電子メールで、同行保有のARSを売却し、顧客の口座に移行させるよう「当行が広範な勧誘を実施したとの訴えを全面的に否定する」と指摘した。
同氏はただ、「UBSは従業員による違法行為はなかったと信じているものの、一部の個人が誤った判断を下したケースがあったことが判明した。これらの個人に対し、適切な懲戒措置を検討している」と述べた。

 UBSは今月16日、最大35億ドルの入札方式優先株を売却先のクローズドエンド型投資信託から買い戻すと申し出ていた。クオモ司法長官は24日、この提案は不十分であるとして、UBSは売却したすべての入札方式証券を買い戻す必要があると主張した。

● 「住宅ローン対策法案成立へ 焦げ付き、差し押さえ急増の歯止めとなるか 」

産経新聞 2008年7月24日

 住宅調査会社リアルティ・トラックによると、今年1~6月の全米の差し押さえ件数は、昨年同期比56%増の144万件。差し押さえは周辺の住宅価格を下げ、別の差し押さえを誘発する。CRLの調査によると、近隣の差し押さえで自宅の価値に影響を受ける世帯は全米4100万世帯、目減りした住宅資産価値は3560億ドル(約38兆円)に上る。その逆資産効果は消費落ち込みだけでなく、地域社会の破壊を招く。

 クリーブランド(オハイオ州)やボルティモア(メリーランド州)など差し押さえ急増に街が荒廃した全米の大都市は今年に入り、再開発費用を求めて、サブプライム融資を急拡大させた大手金融機関を相手に訴訟を起したほどだ。

 “津波”は低所得者層からミドルクラス、富裕層にまで波及。高額ローンが支払えず100万ドル(106億円)以上の邸宅が差し押さえとなる「ラグジャリー・フォークロージャー(豪華な差し押さえ)」も起き、豪邸を手放すテレビタレントや元プロスポーツ選手らセレブも珍しくない。

●「米石油輸送大手が破産法申請 原油高騰で損失回避策が裏目に」

日経新聞 2008年7月23日

【シカゴ=毛利靖子】 米石油保管・輸送大手のセムグループは22日、米連邦破産裁判所に連邦破産法11条 (日本の民事再生法に相当)の適用を申請したと発表した。在庫の値下がりリスクを回避する目的で原油先物を売却したところ、逆に原油価格が高騰し、損失が膨らんだ。

 今回の原油高騰局面で、米エネルギー産業のインフラを担う主要企業の経営破綻が明らかになるのは初めて。同社は原油タンクや送油管を保有し、石油大手から仕入れた原油を製油所に販売する。在庫を売却するまでの間に原油価格が下がると損失が発生するため、それを避けるため原油先物やオプションを使いつなぎ売りを実施していた。

 ニューヨーク・マーカンタイル取引所での先物売却で被った損失は24億ドル(約2500億円)を超える見込み。先物の相対取引も使っており、損失がさらに増える可能性がある。金融機関から追加担保の差し入れを求められ、資金繰りに行き詰まった。


●「NZ準備銀、5年ぶり利下げ 景気減速受け 」

日経新聞 2008年7月24日 シドニー 高佐知宏

 ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は24日、政策金利を年8.0%へ0.25%引き下げた。世界的な信用収縮に伴う金融機関の資金調達コスト増や物価上昇を背景に「景気減速の恐れが高まった」(ボラード総裁)として、2003年7月以来、5年ぶりの利下げに踏み切った。

 ガソリン高や食料品価格の上昇で7―9月期の消費者物価指数(CPI)は前年同期比5%程度の上昇となる見込み。総裁は「インフレ率は中期的には目標値上限(3%)以下に収まる」との見通しを示したうえで「(利下げにより)家計や企業の借り入れが容易になる」と述べた。

 ニュージーランドでは大手投資会社ハノーバー・ファイナンスが23日、世界的な信用収縮による経営環境悪化を受け、投資家などへの利払いを停止し、総額5億5400万ニュージーランドドル(約446億円)の資産を凍結した。これを受けニュージーランドドルも下落するなど経済の先行きに不透明感が広がっている。(11:02)


● 「差し押さえで主婦自殺」

2008年7月23日 ニューヨーク、共同通信

 米マサチューセッツ州トートンで22日午後、自宅を差し押さえられることになった主婦(53)が、競売関係者が物件を見に来る直前にライフルで自殺した。米紙ボストン・グローブなどが23日報じた。

 米サブプライム住宅ローン問題に絡む自殺などの悲劇はこれまでも伝えられているが、競売関係者が自殺の現場を目の当たりにしたようなケースは異例とみられる。

 同紙などによると、主婦は22日午後2時半、ローンを組んだ住宅金融会社に自殺を予告するファクスを送り、会社からの連絡で駆け付けた警官が遺体を同3時半に発見した。競売関係者も同じころ現場に到着。午後5時から競売手続きが始まる予定だった。主婦が夫と息子にあてた遺書には「生命保険で(ローン残額を)払って」と記していた。

●「農林中金、米シティの資産5千億円分を購入」

朝日新聞 2008年7月16日

 農林中央金庫は米金融最大手シティグループから、シティの資産をもとに組成した総額約5千億円分の証券化商品を購入した。サブプライム問題で巨額の損失を出し、資本増強と資産の大幅な圧縮を進めるシティの要請に応じた。サブプライムで痛手を負った欧米金融機関が投融資に慎重なのと対照的に、損失が比較的少なかった日本の金融機関の積極姿勢が目立っている。

 農中が買ったのは、シティが保有するクレジットカード・自動車ローン債権などから組成した証券化商品。今年1月ごろから複数回にわたって買い取りを進めた。

 シティの昨夏以降のサブプライム関連損失は、米金融大手で最大の約460億ドル近くに膨らんだ。シティは中東の政府系ファンドなどの出資を仰ぐ一方、従来の拡大路線を転換し、5月には4千億ドル(約42兆円)分の資産を売却する方針を打ち出した。

 シティのカード・自動車ローンなどは返済能力の高い利用者が多く、優良債権が多いとされる。農中にとっては「資産の安全性が高い割に利回りが良い。金融市場の混乱による欧米金融機関の投融資意欲の減退傾向が逆にチャンス」(幹部)だという。

 日本の金融機関には、欧米企業の資金調達の際にも出番が増えている。6月には三井住友銀行の主導で米IBM向けに500億円の融資案件をまとめ、今月11日には、みずほコーポレート銀行が主幹事となってスウェーデンのトラック大手ボルボ・グループに総額1100億円を協調融資すると発表した。


● 「米議会:原油の持ち高制限や公表義務付け強化検討-80ドルが適正 」

2008年7月23日 ブルームバーグ

 米議会は、原油の需要をゆがめ相場高騰につながったと考えられる先物取引の一部を禁止する可能性がある。原油相場は過去1年間で69%高騰した。

 米議会は、投資家が保有できる原油先物の持ち高の制限や公表義務付けの強化を検討している。議員らは、米ゴールドマン・サックス・グループなどの投機筋は、現物の受け渡しを行う意思がないのに相場変動に対して投資しており、そのことが相場高騰につながっている可能性があると主張している。

 米上院で今週審議される提案が導入されれば、相場がこれまでより需要に即した水準になる可能性があると、提案者らはみている。メキシコ石油公社(ペメックス)のジーザス・レイエス・ヘロレス最高経営責任者(CEO)によると、投機筋の影響を排除すれば、原油相場は1バレル当たり80ドル近辺と、22 日終値と比較して38%低い水準まで下落するとみられる。一方、年間の取引規模が4兆ドル(約430兆円)に上る原油市場の機能を阻害する可能性があるとして、提案の導入に批判的な声もある。

 テッド・スティーブンズ上院議員(アラスカ州、共和党)は石油輸出国機構(OPEC)に触れながら「米国民はOPECだけではなく、自国内の投機筋にも利用されている。歴史的に見れば、これは悪影響を及ぼす問題ではなかった。投機は最近になって持続不可能な水準に達している」との見方を示した。

 上院の共和党議員らは、投機の制限に関する投票を24日にも実施する見込み。下院は、8月に1カ月間の休暇が始まる前に投票を実施する計画だ。ブッシュ米大統領はいかなる法案も検討する意向を示している。


●「米議員がファニーとフレディの救済策で合意、23日に下院で採決も」

2008年7月22日 ブルームバーグ

 米下院金融委員会のフランク委員長(民主、マサチューセッツ州)は22日、議員がファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の救済計画で合意に達し、下院が23日に救済法案を採決する可能性があることを明らかにした。

 ブッシュ政権が提案した計画を修正した同法案では、米財務省が融資や出資の形で、ファニーとフレディに資金を投入する権限が与えられる。同法案では納税者の負担を制限するため、財務省が国債発行上限を超えて支援を行うことが禁止されている。また、ポールソン財務長官にファニー、フレディ両社の配当を制限する権限を与え、首脳陣の報酬は当局の承認が必要となる。

 フランク委員長は救済法案について、上院議員とともに「財務省が100%受け入れ可能だ」と指摘した。上院銀行委員会のドッド委員長(民主、コネティカット州)とシェルビー上院議員(共和、アラバマ州)は電子メールで「下院の代表と幅広く、概して実り多い協議を行ってきた」とし「われわれは引き続き法案の先行きに楽観的だ」との声明を発表した。


●「米住宅金融2社、公的資金250億ドル…議会が救済策試算」

2008年7月23日 毎日新聞

 米議会予算局(CBO)は22日、経営不安に陥った政府系住宅金融会社2社に対する救済策の試算を公表し、議会上下両院で調整中の法案が成立した場合、米政府は2社に250億ドル(約2兆6750億円)を投入することになると見込んだ。

 現状のまま金融市場が落ち着きを保てば、株式の買い取りや政府による融資が実際に必要となる可能性は50%未満と見通したが、住宅市場の落ち込みに歯止めがかからなければ、2社の財務状況は一段と悪化し、公的資金投入もあり得ると分析した。

 救済対象となっているのは、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の2社。CBOは、政府による救済策について「2社が金融市場で資本増強する際の大きな保証になる」と評価したうえで、「住宅市場さえ回復すれば、政府予算に影響を与えることはない」と指摘した。ただ、現状では住宅市況に回復の兆しは見られず、CBOも最終的には「08年~10年秋までの間に公的資金の投入が必要になる」と結論付けた。


●「米住宅金融2社:債券など160兆円超は海外に」

毎日新聞 2008年7月22日

 ポールソン米財務長官は22日、ニューヨークで講演し、経営不振の政府系住宅金融大手2社が発行する債券や保証する住宅ローン担保証券の残高が総額5兆ドル(約530兆円)に達し、そのうち1兆5000億ドル(約160兆円)超を海外の中央銀行や金融機関などが保有していることを明らかにした。

 長官は、国際金融市場の安定には「両社の経営安定が不可欠」とあらためて表明。米政府が両社を支える強い姿勢を国内外の投資家に知らせる重要性を強調した。米政府は公的資金の投入を検討しているが、長官は「納税者を保護する」として、損失を出さないよう慎重に行動する考えを示した。「現在の金融混乱を乗り越えるにはさらに時間がかかる」とし、金融機関の経営者にさらなる資本増強を求めた。(共同)

●「米ゴールドマンの第2四半期リスク資産は約43兆円 」

2008年7月7日 ニューヨーク、ロイター

 米ゴールドマン・サックス(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)は7日、第2・四半期末時点で同銀が保有するリスク資産が4016億ドル(約43兆0150億円)になったことを明らかにした。 ゴールドマンの四半期報告によると、内訳は市場関連リスクが2061億ドル、信用リスクが1580億ドル、業務リスクが375億ドル。また、第2・四半期末時点のレベル3資産は、前四半期比19%減の781億ドル。

 総資産に占める割合は7%となる。減少は資産の売却のほか、商業用不動産や銀行およびブリッジ・ローンがレベル2資産に移行したことを反映した。

● 「米ゴールドマンCEO、リーマンとベアーの株価操作疑惑で問いただされる=WSJ 」

2008年7月16日 ロイター

 16日付の米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙によると、米リーマン・ブラザーズとベアー・スターンズの株価下落にゴールドマン・サックスが関与していたのではないかといううわさについて、リーマンとベアーの最高経営責任者(CEO)がゴールドマンのCEOに真偽を問いただした。関係筋の話として報じた。

 WSJによると、今年3月に事実上の破たん状態に陥った当時にベアーのCEOだったアラン・シュワルツ氏はゴールマンのロイド・ブランクフェインCEOに対し、ゴールドマンのロンドン支局のトレーダーらがベアーの破たん前に同社の株価を操作していたとされるうわさの真偽について尋ねた。

 また、株価が大幅に下落しているリーマンのリチャード・ファルドCEOも、ブランクフェインCEOと話をしたという。またファルドCEOは、同社について悪いうわさを流した疑いのある個別のトレーダーとも接触した、とWSJは伝えている。 上場企業の株価操作を目的に、虚偽と知りながらうわさを流布することは法律で禁じられている。

 米証券取引委員会(SEC)は、リーマンとベアーの株価下落を狙ったうわさの流布によって投資家が利益を得たかどうか調査している。 ゴールドマンは不正行為はないと主張している。

http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/
idJPnTK015846820080716


●「米監督当局、ファニーメイとフレディマックの帳簿を調査=NYT」

2008年 7月 22日 ロイター

 米連邦準備理事会(FRB)と米通貨監督庁(OCC)の検査官は、政府系住宅金融機関(GSE)の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック) の帳簿について調査を行っている。22日付のニューヨーク・タイムズ(NYT)がポールソン財務長官の話として報じた。

 報道によると、FRBとOCCは、ファニーメイとフレディマックの株価急落により市場に不安が広がったことを受け、両社の帳簿の調査を開始した。 ブッシュ政権は議会に対し、GSE支援策の承認を促しているが、米議員の中には、両社が保有または保証するモーゲージ債に関連した潜在的な損失の規模を把握せずに支援策を承認することに懸念を示す声もあり、両社の財務状況への関心が強まっている。

 NYTはまた、FRBとOCCにとって、監督下にある銀行の多くが両GSE発行の債券を保有しているという面でも、両社の財務状況の健全性は重要であると指摘した。

●「米金融大手10社のサブプライム損失、過去1年間で21兆2千億円に」

朝日新聞 2008年7月19日

 米金融大手10社の低所得者向け(サブプライム)住宅ローン関連の損失が、過去1年間で計約2千億ドル(約21兆2千億円)に達する見通しになった。08年第2四半期決算でも損失計上が収束に向かう兆しは見えず、業績低迷は長引きそうだ。

 18日までに発表された7社の08年第2四半期(3~5月期または4~6月期)の決算では、サブプライム関連損失は計400億ドル近くまで膨らんだ。21、22日に発表予定のバンク・オブ・アメリカとワコビアを合わせると計500億ドル規模になる見通し。

 サブプライム危機が深刻化した昨夏以降、米金融機関は巨額の関連損失を相次いで計上した。大手10社(うちベアー・スターンズは今年3月に実質破綻(はたん))では、08年第1四半期までで計約1500億ドルに及ぶ。第2四半期を合わせると2千億ドル規模になるのはほぼ確実と見られる。

 四半期ごとの動きを見ると、ピークは07年第4四半期(07年9~11月期または10~12月期)の700億ドルで、08年第1四半期は約550億ドルまで減った。しかし、08年第2四半期もほぼ同規模の見通しで、金融機関によっては再び増えたところもある。

 過去1年で600億ドル以上の関連損失を計上したシティグループの ゲイリー・クリッテンデン最高財務責任者は18日の会見で、「住宅価格の下落と失業率の増加、景気の減速が長引いているのが影響した」と説明した。

 景気の落ち込みに伴い、サブプライムローンだけでなく、返済能力が高いと見られていた通常の住宅ローンにまで焦げ付きが広がっている。「通常の住宅ローンの(焦げ付き増などによる)損失は今後、現在の3倍に増える可能性がある」 (JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者) との見方も出ている。


●「シティは6兆円 関連損失最大」

2008年7月19日 ニューヨーク、共同通信

 米銀大手シティグループが十八日発表した二〇〇八年四-六月期決算は、サブプライム住宅ローン問題に関する損失が膨らんだことから、純損失が二十四億九千五百万ドル(約二千七百億円)となり、四半期ベースで三期連続の赤字となった。

 同ローン関連の金融商品の評価損などで計約七十二億ドルに達したほか、クレジットカード事業の関連などで貸倒引当金も計約七十二億ドルに上った。同問題が本格化した昨年夏以降で、貸倒引当金を含む関連損失は累計で五百九十億ドル(約六兆三千億円)規模となり、サブプライム関連では世界の金融機関で最大規模の損失となる見込み。

 シティの純損益の赤字額は〇八年一-三月期の五十一億千百万ドルからは半減し、市場予想を下回ったが、四・四半期連続で巨額のサブプライム関連の損失を計上したことになり、一段の資本増強などを迫られる恐れもありそうだ。


● 「米証券取引委が空売り緊急規制を修正、一部例外認める」

2008年7月18日 ワシントン、ロイター

 米証券取引委員会(SEC)は18日、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)や連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)など金融機関19社株の操作的な空売り(ショートセル)に対する緊急規制を修正した。一定のマーケットメーカーについて、空売り前の事前株式借り入れは必要ないとした。

 緊急規制では、空売りを実施する前に証券を借り入れること、期日に証券を受け渡すことが必要となる。規則は21日から実施されるが、最大30日間有効となる可能性がある。


● 「【金融不安】アメリカ住宅金融公社救済のため、日本の外貨準備の一部を米国の公的資金注入の資金源として提供する案が浮上」

産経新聞 2008年7月17日

 7月16日、渡辺喜美(わたなべよしみ)金融担当相は訪ねてきた米政府元高官に語りかけた。 「米住宅抵当金融公社の経営不安を憂慮しています。まず、日本は政府の保有分はもとより、民間に対しても 住宅公社関連の債券を売らないように言います」

 うなずく米要人に対し、渡辺氏は続けた。「米政府が必要とすれば日本の外貨準備の一部を公社救済のために米国に提供するべきだと考えている」

 昨年8月の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライム・ローン)危機勃発(ぼっぱつ)後の金融不安は、最近表面化した連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)、連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の2公社の経営危機でさらに深刻化している。

 米政府や連邦準備制度理事会(FRB)は公的資金注入など公社救済策を検討中だ。しかし、公的資金必要額は住宅価格下落に比例して膨張する。両公社の住宅ローン関連債権は米住宅ローン総額の半分近い5兆2000億ドル(約550兆円)で、日本の国内総生産(GDP)に相当する。

 両公社が発行している住宅関連証券が投げ売りされるようだと、米国のみならず欧州、日本、中国など国際的な信用不安になる。そればかりではない。米国債への信用は損なわれ、ドルは暴落しかねない。 株式の低迷に加え、米国債とドルが暴落すれば、ドルを中心とする国際金融体制は崩壊の危機に瀕し、世界経済全体が根底から揺らぐ。

 渡辺案は、米国の自力による住宅公社再建には限界があるとみて、この6月末で1兆ドルを超えた日本の外貨準備を米国の公的資金注入の資金源として提供する思い切った対米協調である。


●「米ワコビア、サブプライム損失1年で2.1兆円」

毎日新聞 2008年7月22日

【ワシントン斉藤信宏】米金融大手ワコビアは、22日発表した08年4~6月期決算の中で、低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題 に絡む証券化商品の評価損など計61億ドル(約6470億円)の損失を計上、88億5500万ドル(約9400億円)の大幅赤字に転落した。

 赤字は2四半期連続。証券化商品などの評価損に加えて、個人向けローンなどの焦げ付きに対する引当金の積み増し分56億ドルも計上しており、サブプライム絡みの損失はこれまでの1年間で計201億ドル(約2兆1300億円)に膨らんだ。

 ワコビアは住宅ローン事業を業務の中核としており、今年に入ってからローンの焦げ付き加速で業績が悪化している。手元資金を確保するため、四半期ごとの配当を1株あたり37.5セントから5セントへ大幅に減らすとともに、従業員の約5%にあたる6350人を削減する方針を明らかにした。ワコビアの決算で米金融大手8社の4~6月期(一部は3~5月期)決算が出そろったが、1年間でのサブプライム絡みの損失は8社で計1779億ドル(約18兆8600億円)に達した。


● 「サブプライム損失に続く! メガバンク3行を襲う3つの重大危機」

週刊現代 2008年7月17日 掲載

 米国の“金融恐慌”にひとのみされている現状
 不動産、建設に続き、金融株もまた株価暴落の中で下がり続けている。メガバンクも例外ではなく、軒並み一時の半値以下だ。株価を下げる最大の原因は、今もくすぶる欧米のサブプライム損失にある。日本のメガバンクの損失額は欧米金融機関よりヒトケタもフタケタも小さいし、本業は順調なのに、どうして売られ続けるのか。単に欧米のサブプライム損失への疑心暗鬼だけではない。

 米住宅公社関連債の衝撃
「メガバンクはサブプライムの“優等生”という常識が覆された」 証券幹部が金融株下落の原因をこう言う。

 米政府の経営支援を仰がねばならない2つの米住宅金融公社(ファニーメイとフレディマック)関連債券問題で、3メガバンクが巨額の保有残高を抱えていることが明らかになった。
 中でも三菱UFJフィナンシャル・グループ の場合が衝撃だ。サブプライム問題では、3メガの中で三菱UFJの損失額は1230億円と最も少なかった。

 ところが、そんな健全な銀行の関連債券保有残高が3.3兆円と、みずほフィナンシャルグループの1.2兆円、三井住友フィナンシャルグループの0.2兆円を大きく上回っていたのだ。「裏切られたショックが大きかった」(前出の証券幹部)

 米住宅公社の関連債は、本来、米国債に次いで信用力の高い債券だ。暗黙の政府保証が付いているといわれるほどで、多少のことがあっても世間の不安をかき立てる類のものではない。だがこの2公社が公的資金を投入せざるを得ない事態になり、発行する債券の信用もガタガタ、急落なのだ。紙くずになるとまでは言わないが、「第2のサブプライムショック」として不安が市場に広がるのは自然だ。

 米国で始まった取り付け騒ぎ
 「7月11日朝、テレビをつけたら銀行の経営破綻を伝えるニュースが流れていました。多くの人々が銀行に押し寄せて預金の引き出しなどでもめている。取り付け騒ぎであることがすぐに分かりました」

 米在住の邦銀幹部がこう振り返った。破綻したのは、カリフォルニア州にあるインディマックという地銀。インディマックは個人向け住宅融資事業を手がける独立系住宅金融の最大手で、低所得者向けもやっていた。15日付の「フィナンシャル・タイムズ」は、インディマックに続きそうな破綻寸前の銀行の名前を取り上げるなど倒産連鎖の危機を特集していた。

 「日本のメガバンクが自らの意思とは別に、3行合計で4.7兆円もの資金を公社関連債に投じていたことで、すでに米国の金融恐慌的な状況に巻き込まれていると見るべきです。果たして、3行はこの難局を巧みに泳ぎきれるか」(前出の邦銀幹部)

  外資買収に突っ走る不安
「米金融機関を助けてやってくれ」 サブプライム問題が深刻さを増す中で、米金融機関や米政府筋から陰に陽にメガバンクへ支援の打診がある。これをチャンスと見たのか、「欧米金融が弱っているうちに邦銀が国際金融のリード役になるべき」という論調が目立つ。 「水面下では、三菱UFJに米リーマンの面倒を見てもらいたいという話が来ているようです。三井住友は英バークレイズに1000億円の支援を決めた」(金融関係者)

 おだてられてこんな話に乗っていいのだろうか。外資系金融幹部がこう忠告する。「かつて長銀を手に入れるため、瑕疵(かし)担保条項という飛び道具を使った米リップルウッドのように、国際金融で勝ち抜くために火事場泥棒みたいなことを平気でやってのける。晩熟(おくて)の邦銀にそれができるのか」

 もしできなければ、ババを引かされ、損失を全部背負わされてオシマイ。97年当時のような金融不安は、もうまっぴらゴメンだが、メガバンクを取り巻く環境はあの頃に近づきつつあるのだ。

●「米銀150行程度が今後1年半ほどで破たんか、アナリスト予想-NYT」

2008年7月14日 ブルームバーグ

 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT、オンライン版)は14日、金融業界のアナリストの間で、今後1年から1年半で全米の銀行7500行中、150行程度が破たんする恐れがあるとの見方が出ていると報じた。中小の銀行で経営が急速に悪化しているためで、破たんを逃れた銀行でも、支店の閉鎖や他行との統合を迫られる公算が大きいという。

 同紙によると、米レイデンバーグ・ソールマンのアナリスト、リチャード・ボーブ氏は週末にかけて、問題のある銀行のリストを公表。「誰もがリストを作成していて、次とその次に破たんする銀行はどこか、銀行のうちどれだけが破たんするのかを突き止めようとしている」と述べた。

 

●「【金融】「サムライ債」、完売 米シティが日本投資家向けに発行」

2008年7月7月 産経新聞

 米サブプライム住宅ローン問題で巨額損失を出し続けている米シティグループが日本の投資家向けに社債を発行したところ、わずか4営業日で完売し話題を呼んでいる。期間3年で利率2.66%という条件について、「シティの経営状況を考えれば、もっと投資家に有利な条件を提示すべきでは」(金融筋) との声もある。それがあっという間に完売してしまうのは、なぜなのか-。

 話題になっているのは、「シティグループ・インク 第24回円貨社債」。日本円で購入できることから、「サムライ債」とも呼ばれている商品だ。購入は100万円単位。募集期間は6月13日から30日までだったが、発売4営業日目の18日には、発行総額1865億円分が完売となった。

 販売窓口だった日興シティホールディングスは「AAマイナスという高い格付けの社債であることや、円建てであるため為替リスクがないということもあり、ご好評のうちに完売となりました」(広報部)と説明している。

 ちなみに、日本の金融機関の3年定期預金の金利は全国平均で0.4%台。もっとも高いものでも、日本振興銀行の夏のボーナスキャンペーンの金利1.5%とみられ、これらの金利と比べると、シティの社債の2.66%は破格の高金利にみえる。

 ただ、専門家の間には異論もある。シティが今年1月に一般公募した優先転換社債の利回りはドル建てで6.5%。今回の円建て社債の2.66%を大きく上回る水準だったため、「今のシティの状況で2.66%は低い。日本の投資家にも、もっと有利な条件を提示すべきでは」(金融筋)との不満も出ているのだ。

 実際のところ、2.66%という利回りをどうみればいいのか。ある金融専門家に聞いてみると、「金融機関が他の金融機関から資金を調達する際に用いられる円金利スワップレートは現在、期間3年物で1.4%程度。シティの円建て社債の利率が3年で2.66%ということは、シティの経営状況に対するリスクプレミアム(上乗せされた金利)が1.2%程度は乗っているということで、言われるほど悪いわけではないのでは」との答え。

 シティが発行したドル建て優先転換社債の金利よりも大幅に低いことについては、「ドル建ての金利と円建ての金利は別物。比較するのには無理がある」との解説だった。もちろんこの円建て社債は通常の債券と同様、満期前に売却する場合には市場金利の動向や発行体であるシティの経営状況に応じて販売価格が変動し、元本割れのリスクもある。

 また、シティは完売翌日の6月19日、ゲーリー・クリッテンデン最高財務責任者が「サブプライム問題による評価損を大幅に追加計上するため、4-6月期の業績が押し下げられる」と発言し、世界中の投資家にサブプライム問題の傷口の深さを印象づけた。円建て社債はなかなかの投資商品のようだが、シティを取り巻く環境を考えると、購入者には釈然としない部分も出てきそうだ。 http://www.zakzak.co.jp/top/2008_07/t2008070710_all.html

●「【金融】数百の米銀が破たんの可能性、業界救済のための納税者支出は2兆ドルも-ルービニNYU教授=バロンズ 」
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/
idJPnTK016647820080804

2008年7月3日、ニューヨーク、ロイター

 3日付の米投資週刊紙バロンズは、エコノミストで米ニューヨーク大学教授のヌリエル・ルービニ氏の発言を引用し、米国は、少なくとも1年半は継続し、数百の銀行を破たんに追い込むリセッションの第2イニングにあると報じた。

 ルービニ氏によると、国民は金融サービス業界の残りを救済するため、多額の税金を支払う必要に迫られる見通しだ。同氏は納税者の支出について少なくとも1兆ドルとし、どちらかといえば2兆ドルに達するだろうとした。同氏は、銀行は山のような損失を抱えて債務超過に陥る見通しだとし、住宅価格の急落に加え、サブプライム住宅ローンについて、これまでのところ評価損の計上にとどまっているためだと述べた。

  同氏によると、銀行は消費者信用損失にも直面しているものの、引当金が不足している。さらに、担保価値がほぼゼロとなった住宅担保ローンの貸付残高が数百万ドルに及ぶことも指摘した。ルービニ氏によると、米消費者が貯蓄を減らす一方、連邦準備理事会(FRB)は問題がサブプライム住宅ローンより先に広がっていることを認識できず、危機にうまく対応できていない。

  同氏は、政府は過剰な規制を行っているとし、困難を抱えた金融機関の救済や、あらゆる市場への介入を例示した。ルービニ氏は「連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社 (フレディマック)、ならびにベアー・スターンズ債権者の救済や、新たな貸付制度を伴う金融システムの構築に関連し、規制当局は自らを調査すべきだろう。米国債と有毒性のある証券の交換にほかならない」と述べた。

 その上で「従来のように利益を私有化し、損失を国有化している。米証券大手と富裕層のための社会主義だ」との見方を示した。ルービニ氏は破たんに陥る金融機関について、住宅や商店、商業用不動産など米地域社会の中軸に融資を行う地銀が含まれると述べた。

 同氏は「40行近い中堅地銀のうち、3分の1は窮地にある」とし、半数は破たんに陥ると予想した。さらに、一部の大手行も債務超過に陥る可能性があるが、「ツー・ビッグ・ツー・フェール」とみなされるだろうと述べた。同氏は世界経済については「極めて強気」にみていると強調し、中長期的にポジティブな状態が続くと予想した。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝


copyright(c) 2000-2009 SNSI (Soejima National Strategy Institute) All Rights Reserved.