「70」 サブプライム危機から世界恐慌へ (9) 2007年10月の新聞記事。 2008.1.5

副島隆彦です。今日は、2008年1月5日です。

「サブプライムローン危機から世界恐慌へ(9)」として新聞記事の昨年10月分を載せます。 副島隆彦記


(転載貼り付け始め)

●「G7声明で 世界経済減速を懸念 サブプライム問題で協調 」

2007年10月20日11時39分配信 毎日新聞

 【ワシントン川口雅浩】  先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が19日午後(日本時間20日午前)、ワシントンで開かれ、共同声明を採択して閉幕した。声明は「最近の金融市場の混乱、原油高、米住宅部門の弱さは成長を減速させる」と、米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題による世界経済の減速に懸念を表明。

 これまで楽観的だった見通しを慎重な見方に転換、G7が協調してサブプライム問題に対応し国際金融市場を安定させる姿勢を示した。

 G7は前回4月の声明では「世界経済はリスクは残るが、過去30年以上の間で最も力強く拡大している」と景気動向に楽観的な見方を示していた。今回は「経済全体のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)は引き続き強力」などとしつつ、事実上、景気認識を下方修正する形となった。

 サブプライム問題については「世界的な金融市場の混乱後、金融市場の機能は回復しつつある」としながらも「混乱の要因の十分な分析が行われなければならない」と指摘した。

 ただ、具体策は示さず「市場参加者が最近明らかになった問題の多くに対応することを期待する」と表明。国際通貨基金(IMF)の「金融安定化フォーラム」に対し、金融商品の格付け機関の役割や金融機関の監督に関する基本原則について来春をめどに提案するよう要請した。

 一方、オイルマネーや外貨準備を運用する中東諸国や中国などの「政府系ファンド(ソブリン・ウエルス・ファンド)」についても初めて議論し、「組織、リスク管理、透明性や説明責任といった分野で最良の行動指針を策定すべきだ」などとし、情報公開を求めた。

 為替相場については「中国の経常黒字が増加していることから、人民元の実効為替レートのより速いペースでの上昇が必要」と指摘。前回より踏み込んだ形で人民元改革の必要性を強調した。

 ◆G7共同声明の骨子

・金融市場の混乱や原油高、米国の住宅部門の弱さは成長を減速させるが、経済全体の基礎的諸条件は強い
・物価安定のため注意深く金融政策を運営
・為替市場を注視し、適切に協力。人民元レートのより速いペースでの上昇が必要
・金融市場は回復しつつあるが、市場によるばらつきがある状況は引き続き注視が必要
・政府系ファンドの透明性や説明責任が重要
・金融派生商品の価格評価や格付け機関の役割などを引き続き検討


●「 インド株式市場は4%近く下落」

ムンバイ 2007年10月18日 ロイター

インド株式市場は4%近く下落して引けた。ザラ場で最高値を更新後、投資規制案を嫌気した海外ファンドの売りに押された。

 SENSEX指数<.BSESN>終値は717.43ポイント(3.83%)安の1万7998.39。一時1万9198.66ポイントをつけ、最高値を更新した。

 外国機関投資家がポジションを縮小するなか、ICICI銀行やリライアンス・インダストリーズの下げが目立った。ICICI銀行は6.99%安、リライアンス・インダストリーズは4.25%安で引けた。

 アナンド・ラティ・セキュリティーズのバイス・プレジデント、シャルマ氏は 「本格的な売りが始まった。海外資金流入めぐる不透明感がある」との見方を示した。 ソフトウエア大手のタタ・コンサルタンシー・サービシズ や ウィプロ は2%超上昇。株安を受けルピーが大幅に下落したことを好感した。


● 米国でクレジットカードの負債が大幅に増え、「第2のモーゲージ(住宅ローン)爆弾」になりかねないという警告が出た。

 米経済専門雑誌「フォーチュン」の最近号(10月30日付け)が、、「米国のクレジットカード負債が9150億ドル(約100兆円)と大幅に増え、モーゲージ事態のように爆発する可能性を示している」と分析した。

 昨年末から始まって、今年、本格化したサブプライムモーゲージ(低所得者向けの住宅ローン)関連の負債規模も、今回のクレジットカードの負債と同水準の約9000億ドル規模だった。米国の各銀行では消費者が使用したカードの代金を財務諸表上に「資産」として表示し、同資産をもとに債権を発行し、続いて「貸出債権」を活用して、さまざまな金融商品を流動化してきた。

 これを受け、消費者たちがカードを使用した後、カード代金を期限内に決済しなければ、クレジットカード会社やクレジットカード勘定と連携した証券会社が数珠繋ぎで打撃を受けることになる。住宅ローンを受けた貸付者たちが借金を返済できず、銀行や該当銀行は発行した各種の派生金融商品が打撃を受けたのと同様のことが起きる。

 ただし、今回は消費者たちが「住宅ローン」ではなく「クレジットカードの代金」という融資金を返済できないということが違うだけだ。 消費者たちが、「カード代金を支払えない」と「返済不履行状態」を宣言し、連携債権の価格が暴落すれば、これを保有したヘッジファンドや年金基金などの機関投資家たちも、連鎖的に打撃を受けることになる。

 フォーチュンは、クレジットカードの負債急増で影響を受ける可能性があるところとして、シティーグループやアメリカンエクスプレス、バンクオブアメリカ、キャピタルワン、ワシントンミューチュアルなどをあげた。
 フォーチュンのこのような懸念は、これらの銀行が2001年以降、最悪の業績を相次いで出したことに基づいている。シティーグループは第3四半期(7~9月)に、クレジットカードの延滞で22億4000万ドルを損失処理した。

 シティーグループのゲリークリテンドン財務担当最高責任者(CFO)は、「初めて、シティーカード客の未決済残高が増加し、現金の引き出しが増えた」と、状況が悪化する可能性への懸念を示した。アメリカンエキスプレスもカードの延滞を憂慮して準備金を44%増やした。

 キャピタルワンやバンクオフアメリカ、それからワシントンミューチュアルの状況もさほど変わらない。これらの会社もカード分野の状況悪化に備えて、普段より20%以上、準備金を増やした。

● 「米大手銀・証券8社、「サブプライム」損失は182億ドル(2兆円)」

2007年10月22日 読売新聞

 【ワシントン=山本正実】 米大手銀行と証券の計8社の今年第3四半期決算が出そろった。8社すべてが、低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」の焦げ付き急増に関連した損失を抱え、その合計額は、純利益の1・14倍に当たる182億ドル(約2兆748億円)に達した。

 シティグループなど6社が減益となったほか、24日に決算を発表する大手証券メリルリンチは、純利益が赤字に転落する見通しだ。

 シティグループは、サブプライムローンの債権を使ったCDO(債務担保証券)と呼ばれる証券化商品の評価損が15億6000万ドル(約1778億円)生じたほか、投資ファンドなどに対する企業買収向け融資で貸し倒れ引当金を積み増した結果、トータルで50億ドルの損失が出た。

● 「米サブプライム問題の最悪期はこれから来る-S&Pのワイス氏」 Worst of U.S. Subprime Woes Are Yet to Come, S&P's Wyss Says

2007年10月11日 ブルームバーグ

 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のチーフエコノミスト、デービッド・ワイス氏(ニューヨーク在勤)は11日、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンの焦げ付き増加に端を発した信用関連の損失の最悪期はこれからになるとの見方を示した。

 ワイス氏は香港での会議で、「われわれはパニックの最悪期を経験したが、まだ信用関連の損失の最悪期は見ていない」と指摘。「損失がどの程度のものになるか誰も確信していない。さらに問題なのは、これらの資産を誰が保有しているかを市場が知らないことだ。誰が損をしたのか、どのぐらいレバレッジを掛けているのかがマーケットには分からない」と説明した。

 ワイス氏によれば、米住宅価格は2006年半ばのピーク時から3.9%下落した。ピーク時には住宅の価値は家計収入の3.4倍となっていたという。ワイス氏は、来年1月末に米金融当局が0.25ポイントの追加利下げを実施するとみている。


● 「米シティ:パンディット氏が昇進、トレーディング責任者は退社-損失後」
  Citigroup Promotes Pandit; Maheras to Leave After Credit Losses

2007年10月11日 ブルームバーグ

 米銀最大手シティグループは、元モルガン・スタンレー幹部で4月にシティに加わったビクラム・パンディット氏をトレーディング、投資銀行、代替投資の責任者に指名した。

 トレーディング責任者のトーマス・マヘラス氏は退社する。同行は不良債権などに絡んだ損失約60億ドル(約7040億円)を公表している。 人事はチャールズ・プリンス最高経営責任者(CEO)が11日の電話インタビューで明らかにしたもので、債券部門共同責任者のランディ・バーカー氏も退社するという。

 ウォール街の各金融機関は3カ月間にわたる信用市場混乱のあおりで評価損計上を迫られ、幹部人事の刷新が相次いでいる。シティは先週、2007年7-9月(第3四半期)利益が60%減少し、04年以来の低水準となったもようだと発表していた。

 シティ株は年初来、13%下落と競合する金融機関を下回るパフォーマンスとなっている。

● 界的に有名な投資家兼経営者であり、かつ世界第2位の資産家 (4兆円以上保有)であるウオーレンバフェット氏は、 2007年9月20日に  締め切られた金融機関の決算に際して、 世界の金融機関がデリバティブを簿価評価して、時価評価しなかったことに対して『神話価格に意味は無い』 と述べており、世界中の専門家は今の金融機関の決算に懐疑的な 目を向けており、実態がいつ露見して経営破たんの連鎖に陥るか、固唾を呑んで見守っているところでもある。

● 「アクレジテッド 買収を完了 ローンスター 」

http://www.usfl.com/Daily/news/news_556.asp

USフロント・ライン誌

 投資ファンドのローンスターは2007年10月 12日、信用度の低い顧客向けサブプライム住宅ローン会社アクレジテッド・ホーム・レンダーズの買収を完了したと発表した。 ダウ・ジョーンズ通信が伝えた。1株当たりの価格は11.75ドルで、現金で支払った。総額は約3億ドルとみられている。

 アクレジテッドは6月にローンスターへの身売りで合意した。その後ローンスターが信用市場の混乱に伴うアクレジテッドの資産劣化を理由に 買収価格の大幅な引き下げを求めたのをきっかけに訴訟合戦になった。 しかし両社は9月に価格を当初の1株当たり15.10ドルから11.75ドルに引き下げることで合意していた。

● 「野村、米住宅ローン担保証券関連事業から完全撤退 」

日経新聞 2007年10月15日

 野村ホールディングスは 15日、2007年7―9月期に、米国の住宅ローン担保証券(RMBS)関連事業で約730億円の損失を計上するとともに、同事業から完全撤退することを決めたと発表した。

 07年9月末時点のRMBS関連のポジションは約480億円(うち信用力の低い個人向け住宅ローンであるサブプライムローンは約170億円)。10月に入りRMBS関連ポジションの合計は約140億円まで減少しており、現在保有する分は「投資適格の格付けを持っており、当面は保有する方針」(仲田正史執行役)という。

 07年7―9月期は、RMBS関連での損失に加え、人員削減などの一時費用100億円を計上するため、連結税引き前損失額は約400億―600億円となる見込み。〔NQN〕

● 「大手米銀による SIV 救済基金、財務省主導に自由市場支持者は批判的」
Paulson's Credit Push Earns Jeers From Free-Market Adherents

By Brendan Murray and Simon Kennedy

2007年10月16日 ブルームバーグ

 ポールソン米財務長官のチームが取りまとめた銀行傘下の運用会社の救済基金について、自由市場の支持者らは、銀行に自らの判断の誤りの責任を回避させるものだとして批判的な見解を示している。

 ポールソン長官のチームは大手米銀の協力を促し、資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)市場の機能停止で苦境に立ったストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV)と呼ばれる運用会社の救済に向けた基金設立で合意にこぎ着けた。

 米ケイトー研究所のウィリアム・ニスカネン所長は、「失望させられた」として、「ブッシュ政権の方針に反するし、救済策は常にモラルハザードを引き起こす。このような状況は好ましくない」と語った。ブッシュ米大統領は就任時から、自由市場や自由貿易、小さな政府の政策を標榜している。

 関係者によると、米財務省は9月16日にワシントンでウォール街の金融機関幹部と会合を開いた。スティール米財務次官(国内財政担当)が銀行関係者を集め、協力を促したという。

 カーネギー・メロン大学のアラン・メルツァー教授は、「ブッシュ政権がここまで市場に関与するとは驚きだ」として、「政府の人間は誰も、自分たちが言うほどに純粋に1つの政策を支持しているわけではない」と論評した。

 基金はSIVから資産を買い取る。SIVはABCPを発行して調達した資金で金融債やサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン担保証券などを購入してきたが、ABCPが発行できなければ資産売却を迫られ、3200億ドル相当とされる資産の投げ売りで市場環境を一段と悪化させかねない。

 ポールソン長官は15日、銀行間の合意は「景気にプラス」と語るとともに、「民間部門が中心となってまとめた案だ」として財務省の役割を擁護していた。スティール次官は、公的資金の注入はないと強調し、基金は市場の回復を助けるための一時的な解決策だと説明した。

● 「バンク・オブ・アメリカ:純利益が大幅減 7~9月期決算」

毎日新聞 2007年10月19日

http://mainichi.jp/select/biz/news/20071019k0000m
020133000c.html

 米大手銀行のバンク・オブ・アメリカは18日、7~9月期決算を発表した。低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)の焦げ付き問題の影響で 投資銀行部門を中心に評価損が膨らみ、純利益は前年同期比32%減の36億9800万ドルに落ち込んだ。

 1株当たりの利益は0.82ドルだった。 大企業・投資銀行業務で評価損2億4700万ドルを計上したほか、トレーディング損失も6億ドルに膨らみ業績を押し下げた。

● 「米FRB、3回のオペで282.5億ドル供給」

2007年 10月 18日 ニューヨーク、ロイター

 米連邦準備理事会(FRB)傘下のニューヨーク連銀は18日、 3回のオペで282億5000万ドルの資金を供給した。 フェデラルファンド(FF)金利は、FRBの誘導目標と一致する4.75%で推移している。

 14日物レポで60億ドル、7日物レポで190億ドル、翌日物レポで32億5000万ドルを供給した。 14日物のオペ対象は、政府機関債が5億ドル、 モーゲージ担保証券(MBS)が55億ドル。応札額は870億ドルだった。

 7日物のオペ対象は、米国債が37億5000万ドル、 政府機関債が152億5000万ドル。応札額は986億ドルだった。 翌日物のオペ対象は、米国債が22億2600万ドル、政府機関債が10億2400万ドル。応札額は540億ドルだった。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-2841
4520071018

●「株価大暴落 ブラックマンデーから20年」

2007年10月19日(金)

 ■米国発の危機 今もくすぶる

 史上最悪の22・6%という株価大暴落を記録した1987年の「ブラックマンデー(暗黒の月曜日)」から19日で20年。

 就任間もない当時のグリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の対応で混乱は沈静化したが、日米欧の金融政策の足並みの乱れは日本をその後のバブル経済へと導いた。低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題が日米欧の金融市場を揺るがす現在、ブラックマンデーの教訓の重みが改めて認識され始めている。(ワシントン 渡辺浩生)

≪ルーブル合意≫

 20年前の10月19日は月曜日。寄り付きで下落したニューヨーク証券取引所のダウ工業株30種平均はいったん値を戻した後、午後になって下げ幅を急速に拡大。取引画面に映し出される数字に市場関係者の誰もが言葉を失った。

 そのとき、翌日の講演のためダラス空港に到着したグリーンスパン議長も、「508」という連銀幹部の報告を「5・08」と聞き間違えたほどだった。この日記録した508ドルというダウの下げ幅は、世界恐慌の発端となった1929年10月24日(暗黒の木曜日)の下落幅を超え、恐慌再来の恐怖が広がった。

 その年2月、パリで開かれた先進7カ国蔵相・中央銀行総裁会議(G7)。米経常赤字の縮小のためドル安に誘導するプラザ合意(85年)以降の日米欧の協調利下げに伴い、87年に入ってドルは1ドル=150円台に下落。ルーブル宮殿に集まったG7各国は、これ以上のドル安は世界経済に逆効果と考え、「為替相場の現行水準の安定」で合意した。

 しかし、その後、日米欧協調の足並みが乱れる。西ドイツは米国の反対を振り切り、国内のインフレ懸念から金利を高め誘導。市場に「政策協調は破綻した」と受け止められ、金利先高感が台頭し、株価暴落の引き金になったとされる。

 ≪24時間で火消し≫

 グリーンスパン氏は議長に就任早々、史上最大の金融危機に直面した。債券もドルも急落、資金がニューヨーク市場から逃避して金融システムは倒壊寸前だった。グリーンスパン氏はダラスから電話で指揮を飛ばし、翌朝の取引開始直前、FRBは「混乱と緊張の沈静化に意味のある流動性を供給する」との緊急声明を発表した。

 表現は簡素だが、「われわれはここにいる。あなた方が必要とするものすべてを提供する」(米紙ウォールストリート・ジャーナル)というウォール街への強いメッセージと受け止められた。

 また、グリーンスパン氏は「取引停止」を求める声にも耳を貸さず、市場への資金供給を断行。ニューヨーク連銀のコリガン総裁がシティグループなど大手銀行の首脳に電話し、資金繰りに窮する証券会社に緊急融資するように説得した。

 その結果、20日午後にダウは急反発し、大暴落は24時間で火消しされた。ブラックマンデー当日、たまたまFRB幹部と面会していたカーネギー・メロン大教授のアラン・メルツァー氏は「素晴らしい仕事をした。危機の波及を許さず、人々の恐怖を静めた」とFRBを高く評価した。

 ≪市場環境は激変≫

 世界の金融市場は、97年のアジア金融危機や2001年の米同時中枢テロなど、数々の危機をくぐり抜けてきた。この間に資金が国境を瞬時に越える経済のグローバル化が進展した。主要な投資家としてヘッジファンドが台頭し、中国やインドなどの新興国市場も急成長を遂げた。

  こうした中で「危機が広がる速度は増し、どの国も問題を回避するのは難しくなった」(メルツァー教授)と思い知らされたのが、サブプライムローン焦げ付きに端を発した世界市場の混乱だった。ローン担保証券に投資していた日米欧の金融機関が巨額損失を被り、信用収縮が広がった。

 一方で、欧州中央銀行(ECB)の誕生もあって中央銀行の信頼は20年前より増している。8月中旬の世界同時株安直後の日米欧の中央銀行による緊急資金供給が効果を発揮し、FRBによる9月の大幅利下げは市場に驚きを与え、株価は浮上した。

 しかし、世界恐慌には至らなかった20年前のブラックマンデーと比べ、今回のサブプライム問題は米住宅市場や消費の落ち込みを通じて景気を大きく悪化させる恐れをはらんでいる。米国発の金融危機は決して終わっていない。
                         ◇

【用語解説】ブラックマンデー
  1987年10月19日月曜日のニューヨーク市場の株価暴落。世界恐慌の引き金を引いた1929年10月の同市場での株価暴落ブラックサーズデー(暗黒の木曜日)にちなんで名付けられた。1987年当時は米国の貿易・財政赤字が拡大し、ドル安進行でインフレ懸念が強まるなど投資家に不安が広がっていた。コンピューターで大量の株式の売買を管理する「プログラム売買」が暴落を加速させたとされる。

● 「バフェット氏、ペトロチャイナの全保有株売却を明らかに 」

2007年 10月 18日 ニューヨーク、ロイター

http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPnJS8038
83420071019

 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏は18日、自身の率いるバークシャー・ ハザウェイが、保有していた中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)株をすべて売却したことを明らかにした。

 同氏はフォックス・ビジネス・ネットワークでのインタビューで「価格を基に判断して売った」と述べ、「100%バリュエーションに基づいた決定だった」と付け加えた。 また、売却以降ペトロチャイナ株はさらに上昇したことから、おそらく時期が早過ぎたとの見方を示した。 バークシャーは一時、ペトロチャイナの上場株の11%以上を保有していた。

 これとは別に、バフェット氏はバークシャーが米ベアー・スターンズの株式を取得する可能性があるとのうわさを否定した。ベアー・スターンズは今年、傘下の2つのヘッジファンドの破たんや評価損の計上などに悩まされ、株価が27%下落している。

 同氏はまた、米住宅金融大手カントリーワイド・フィナンシャルと高級住宅建設ホブナニアン・エンタープライジズについても、株式を取得していないと述べた。カントリーワイド株は年初来61%、ホブナニアン株は同70%下落している。 バフェット氏は、5月の株主総会で買い進めていると述べていた通貨が、ブラジルレアルだったことも明らかにした。

● 「G7 共同声明:為替に関する記述」

2007年 10月 19日 ワシントン、ロイター]

 ワシントンで19日に開かれた7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の共同声明では、為替相場全般に関する記述に変更はなかった。ただ、中国に対して人民元相場のより早いペースでの上昇が必要との認識を示した。

<07年10月・ワシントンG7>

 「我々は、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ましくない。我々は、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。我々は、人民元の柔軟性を向上させるとの中国の方針を歓迎しているが、経常収支黒字が増加し、国内インフレが上昇していることに鑑みれば、人民元の実効為替レートのより早いペースでの増価を許容することが必要と強調する」

<07年4月:ワシントンG7>
 「われわれは、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ましくない。われわれは、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。多額かつ増加する経常収支黒字を有する新興市場エコノミー、特に中国の実効為替レートが、必要な調整が進むように変動することが望ましい」
 世界経済動向:「われわれは、こうした経済動向が意味するところが市場参加者に認識され、リスクの評価に織り込まれることを引き続き確信」

<07年2月:エッセンG7>
 「われわれは、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ましくない。われわれは、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。多額かつ増加する経常収支黒字を有する新興市場エコノミー、特に中国の実効為替レートが、必要な調整が進むように変動することが望ましい」

 世界経済動向:「われわれは、こうした経済動向が意味するところが市場参加者に認識され、彼らのリスク評価に織り込まれていくであろうと確信する」

<06年9月:シンガポールG7>

 「われわれは、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ましくない。われわれは、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。多額の経常収支黒字を有する新興市場エコノミー、特に中国の為替レートの一層の柔軟性が、必要な調整が進むためには望ましい」

<06年4月:ワシントンG7>

 「われわれは、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ましくない。われわれは、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。多額の経常収支黒字を有する新興市場エコノミー、特に中国の為替レートの一層の柔軟性が、必要な調整が進むためには望ましい」

 世界経済の不均衡に関する付属文書:「アジアの新興国、とりわけ中国では、国内需要の振興や、輸出が主導する成長戦略への依存の低下、金融セクターの強化に向けた措置と同時に、必要な上昇を実現するため一段の為替相場の柔軟性が不可欠」

<05年12月:ロンドンG7>

 「われわれは、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ましくない。われわれは、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。われわれは、中国の通貨制度の更なる柔軟な運用が、世界経済および国際通貨制度をよりよく機能させ、より安定させることを期待する」

<05年9月:ワシントンG7>

 「われわれは、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ましくない。われわれは、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。われわれは、最近中国当局が自らの為替レート制度において更なる柔軟性を追求することとした決断を歓迎する。われわれは、より市場を志向したシステムを更に進めることが、世界経済および国際通貨制度をよりよく機能させ、より安定させることを期待する」


● 「 MMFは今世界で最もリスクの高い証券に投資」

2007年 8月20日(ブルームバーグ)

 マネー・マーケット・ファンド(MMF)は、安全を確保しながら銀行預金より高い利回りを提供するため37年前に考案された。このようなファンドの資金の多くは、米財務省証券や譲渡性預金、短期コマーシャルペーパー(CP)などに投資される。

 銀行預金と異なり、米連邦政府によって元本が保障されているわけではないが、MMFが損失を出すことはほとんどない。だが、投資家が知らないだけで、MMFは今世界で最もリスクの高い証券に投資している。サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンを裏付けとした債務担保証券(CDO)だ。

 今回のサブプライム問題の嵐を受け、投資家は安全を求めて米国債とMMFに資金を逃避させた。ベアー・スターンズのヘッジファンドが破産法適用を申請した後の8月8日には、米国のMMF残高は過去最高の2兆6600億ドルに達した。 安全性の象徴としてMMFは、額面1ドルに対して基準価格が1ドルを下回ることを許さない。しかし、資産の5%をサブプライム関連に投資していれば、最悪のケースでは価格は95セントになってしまう。

 米国でMMFが清算されたのは今までに1度だけだ。1994年にコミュニティ・バンカーズ・ミューチュアル・ファンド(デンバー)が運用するMMFが投資した証券がデフォルト(債務不履行)となり、ファンドは清算された。このときに投資家が受け取ったのは1ドルに対して96セントだった。

 米証券取引委員会(SEC)への届け出によると、バンク・オブ・アメリカやクレディ・スイス・グループ、フィデリティ・インベストメンツ、モルガン・スタンレーのMMFは6月時点で、60億ドル(約6900億円)超のサブプライムCDOを保有していた。運用資産合わせて3000億ドルのMMFが今年、サブプライム関連証券に投資した。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝


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