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「77」 リーマン幾何学を勉強しようと思えば、こういう作業からはいるしかない。2008.2.26

副島隆彦です。 今日は、2008年2月26日です。

アインシュタインの相対性理論を、ぶったたきたいと思う。
現代は、理科系の人間たちを中心に、アインシュタインを神様だとして、祭壇に祭り上げている時代だ。

 自分たち、勉強秀才は、サイエンス(近代学問)を信じるのであって、そこらの低脳たちが入る宗教などには、からめ取られない、と、この人たちは、信じている。 そして実情としては、この理科系の人間たちを中心に、アインシュタイン教の信者にされているのである。

 戦後世界で、アインシュタインを「人類最高の知恵」として崇拝させ続けたことに深い企(たくら)みがあったのである。彼らは、「現代科学信仰」という悪質な宗教でしかない。そろそろその秘密が世界中でばれつつある。

 だから、大宇宙は、本当はどのようになっていて、どういうしくみ(構造)をしているのか、と問うても、誰も答えられないのだということが、満天下に分かってきた。それなのに、まだ、アインシュタイン教を拝まされている。勉強秀才たちという、お坊様階級を上に作って、学校時代に勉強のできなかった民衆、大衆を悪質に支配している。このしくみを暴(あば)いて、打ち壊さないと、人類(人間)は、仕合せになれない。

お金という、支配の道具だけでなく、私たちには、勉強という、支配の道具で、ひどく不幸にさせられてきたのだ。なんとか大きな謎を解かなければいけない。

 そして現在もなお、愚劣なる、ビッグバン宇宙論が、各国の体制派のッ主流派の、宇宙物理学の、大僧正(だいそうじょう)どもの、クソ坊主たちによって、盛んに崇(あが)められている。
日本では、佐藤勝彦(さとうかつひこ)というノータリンの東大物理学教授が、この役職をやっている。打ち倒さなければ済まない。 そのためには、数学の方向から、攻めることも必要である。

彼ら体制派の内実も、今やぼろぼろである。世界中の民衆から、こつらは、全く尊敬されていない。むずかしいことを言っている、偉いお坊様たちだ、自分たちには関係ない、という扱いである。

 やがて、アインシュタイン教は、その祭壇を暴かれて、地に堕ちるだろう。その時のために、私たちも、今のうちから、少しずつ準備をして、リーマン幾何学とかの、わけの分からない高等数学に接近して、どう分からないのかを、分かりたいと思います。

以下に並べたのは、2ちゃんねる の中の、数学 の中の
「リーマン幾何学スレッド」を、私が、並べ替えて、そして、私たちの理解のために、日本のまじめな数学科学生たちの書き込んでくれる文章から、門前の小僧で、学びましょう。

 私は、昔、小室直樹先生の小室塾で、数学の時間になると、まったくついてゆけなくて、恥ずかしい思いをしました。が、そういうことは、気にしません。人間は、自分の分かることを分かればいいのであって、分からないことは分からないと、言い続ければいいのです。人生は、自分のためにあるのであって、人(たにん)のためにあるのではない。 自分にとって、ためになり、勉強になりさえすれば、それでいいのです。 副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

2ちゃんねる 数学  「リーマン幾何学スレッド」から


「リーマン幾何学スレッド 」

80 04/05/02  リーマン幾何学って何の役に立つの?

81 04/05/06  >>80  一般相対性理論の分析とかの役に立ちます。

6. トポロジについて勉強したいんだけど 何からはじめたらいいのかわからない。 なにかお勧めの本とかありますか?

>>6 小林昭七、野水克己の Foundation of Differential Geometry(I) を読みなさい 。

21 03/06/18  微分幾何だったら、小林昭七と野水克己の Foundation of Differential Geometry がお勧めだ。 日本語だったら、ボクは、野水の現代微分幾何入門が好きなんだけど、どうも絶版みたいで残念だ。  Nomizu-Kobayashi も絶版…。 他になにか良い本ないのか。

微分幾何の本なんて本屋に行けばいくらでもある。

66 04/02/19   野水の現代微分幾何入門ならその後復刊した。
http://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN4-7853-1127-4.htm

68 04/02/23 >>66  その復刊したのがすでに手に入りずらいみたいだが。 去年の8月に復刊して、そこには在庫僅少って書いてあるが、amazon, bk1, Yahoo!Books, 旭屋書店 では買えない。

70  04/02/23 >>66  この本は微分幾何を学ぶ上で必読ですか? 小林さんのものや、微分幾何とは少しずれるかもしれないけど、森田先生の本などもあります。

71 04/02/23  >>70  必読なんてことはない。 外国人はその本を読めないのに、微分幾何を学んでるんだから。

69  04/02/23   酒井隆はどうなの? 酒井隆氏の「リーマン幾何学」の評判はどうですか?

145 04/10/19  >>144  以前書店でざっと目を通しただけだが、 入門者向けとしてはまあまあです。

146 04/10/19  私は酒井隆の「リーマン幾何学入門」(日本評論社)を推します。

211 2005/09/24 もしかしたら物理で相対論の教科書から勉強したほうが理解しやすいのかもしれません。

79  04/04/30  最近、立花の本を朝倉書店から 復刊してますが、どうですか?

130 04/09/04  リーマン幾何学

現在 頂点に社長1人底辺にオレらヒラたくさんのピラミッド型
将来 大して偉くない上層部たくさん、入社しないので底辺少数    の逆ピラミッド型

351 2007/09/13  擬リーマン幾何の教科書を教えて下さい。

112 04/06/28  リーマン幾何学により、どのような世界を考察できるだろうか? 応用範囲が一見広そうだけど、実際に応用するとなるとなかなか…。

98 04/06/11 微分幾何と何が違うのですか?    リーマン計量    ローレンツ幾何。

114 04/07/03 >>112  古典力学でも拘束系の力学など色々ある。 電子顕微鏡の電磁レンズ等もその応用。


113 04/06/28  近似リーマンと1次オイラー方程式について、レポートがある。 近似リーマンとは簡単に概要を言うとどんな感じですか?

● 11 03/06/16 いつから計量のことを曲率と呼ぶようになったのですか?

12 03/06/16 >>11 計量と曲率はちがわないのではないか?

13 03/06/16 (・3・) 計量と曲率は全く違うものだ。 曲率は、計量の存在しない通常の線形接続でも
R(X,Y)Z=∇(X)∇(Y)Z-∇(Y)∇(X)Z-∇[X, Y]Z により定義される(1,3)型のテンソル場だ。 それに対し、計量は、擬リーマン多様体で定義される2階共変テンソルだ。

Re:>6  曲率テンソルをg_{ij}とする。 Γ_{jk}^{i}=1/2*Σ_{l}g^{il}(g_{lj,k}+g_{lk,j}-g_{jk,l}) 但し、,kは、k番目の成分による偏微分とする。(反変微分)

14. 03/06/16   接続って結局何なのですか?私には意味がわかりません。

15 03/06/16 まがった空間でベクトルを平行移動すると, もとのベクトルとズレてる。そのズレを表しているのが接続だ。

16 03/06/16   曲率と同値ガウン なのですか?

18 03/06/17 >12   簡単に言えば、直観的に 計量:空間の各点に無限小のモノサシ 計量の微分⇒接続:  ある点からある点へのベクトルの平行移動がどうなるかを示す~ポテンシャル~ 無限小離れた点での接空間を比べるための構造, 接続の微分⇒曲率:(より正確には, 接続1フォームの外微分⇒曲率2フォーム)その接続の変化率~場~共変微分の非可換性を測る量。こんな感じかな.

>>18さんの解説で概ねいいと思うんだけど、 そういう疑問に答えるとすれば、むしろ「接続とは、無限小離れた接空間の間で、一方の接空間の接ベクトルに対して、それと「平行」だとみなす他方の接ベクトルを定めるシステム」だと捉えることもできる。

 何がユークリッド空間での平行に相当するものかを接続によって定めることで、ベクトル場の微分を一般の空間でも定義できるようになる、と言える。

20 03/06/17  「有限幾何に曲率みたいなものないんですかね?」  と聞いたら、 「曲率?何それ?」  「curvatureです。」  「聞いたことないな。」  だそうです。  微分を差分に置き換えてさ。。。拡張できない?

22  03/07/06  曲がった空間ではベクトルを平行移動するとずれが生じちゃってそれを接続を使って修正するみたいなことを聞いたことあるけどベクトルを回転行列とか使って回転させて修正することってできないのですか?

74 04/03/21  >>22  ずれる、の意味があなたはわかっていないのです。

73 04/03/20  >>70  「現代」というのは、多様体上で接続を用いるところがそうなのかな? そうなると小林の「曲線と曲面の微分幾何」は、古典的というわけですね。

● 23 03/07/06  平行移動ってどうやって定義するんですか?

24 03/07/06 まず曲線を一つ指定してください。話はそれからです。

25  03/07/06  >>24  指定しました。それから?

● 38 03/07/11   Lie微分とかとも関係があるのでしょうか?

● だれかクリストッフェル記号について解説してください。

61 04/02/17  因みに、接続自体は計量を持ち出さなくても定義できる。平行移動もね。

62 04/02/17  曲面論をちょっと復習した。

63 04/02/18 曲率が内在的な量というガウスのビックリ定理を勉強した。

75 04/03/21  内積の意味がいまいちわからない

76 04/03/22   行列式で内積を定義するときのことですか?
テンソルを基底に分解してそれをベクトル空間とみなして標準内積とってみなさい。同じになるますよ。

84 04/05/14  応用するときにCインフィニティっていう仮定は強すぎることはないですか?

87 04/05/28 >>84 では、区分的にC^∞にします。

88 04/05/31 素人の質問で申し訳ありません。いくつか微分幾何やリーマン幾何の本を見たのですが、共変微分の定義が2種類ありました。

(i).∇_{j} v^i
(vは反変ベクトルの成分)
(ii).∇_{X} Y
(X,Yは接ベクトル)

どちらも同じような定義になっているのですが(ベクトルであるか成分だけかの違いだと思います)、この2つにはどんな関係があるのでしょう?

91 そうですね。不親切ですみません。両方ほとんど同じで

(i): ∇_{i} Y^k =(d_i Y^k + Γ_{ij}^k Y^j)
(ii): ∇_{X} Y = X^i (d_i Y^k + Γ_{ij}^k Y^j) d_k

です。(i)と(ii)を対応させるため記号と添え字を最初とは変えました。 (i)も(ii)も同じ接ベクトル Y = Y^k d_k (これは反変ベクトル)に対する共変微分です。d_iは偏微分の記号です。(i)は成分だけに対して、(ii)は基底も含めて微分という点で違っていると思っています。

>>91  同じものだと思われる。(ii)から(i)が云えるのは容易に分かるだろう。 (i)を使って∇_{X} Yを定義するのも容易であろう。 詳しいことは知らないので、他の人の意見を待つように。

93 04/05/31  >>91
∇_{i} というのは、X=∂/∂x^i に対する ∇_{X} のこと。 ただし、(i) の表記法は、本当は ∇_{i} という作用素が Y の第k成分 Y^k だけに対する作用素ではなく、Y の全成分に対する作用素なので、本当は ∇_{i} Y^k ではなく (∇_{i} Y)^k とでも書くべきモノです。そのため、∇_{i} Y^k のことを セミコロンを使って Y^k_{;i} と書いたりします。
( http://home.p07.itscom.net/strmdrf/manifold21.htm の (21-40) 参照)

94 04/06/01  丁寧にありがとうございます。
∇_{i} Y^k をkについて基底∂_kを足し合わせて縮約すれば同じものというわけですね。 しかし、まだよくわかっていないのでまだ疑問があります。また基本的な事ですみません。 基底の変換

∂_a = B^i_a ∂_i , B^i_a=(∂x^i/∂y^a), ∂_a=∂/∂y^a,∂_i=∂/∂x^i, i,a=1,2,...,n

をしたときに、ヤコビ行列 B^i_a は(1,1)テンソルにならないのですか? これを共変微分するときに、(ii)の定義であればBは関数と思ってやればいいのですが、(i)の定義では(1,1)テンソルの成分として共変微分を考えなくてもいいのでしょうか? 極端にBがクロネッカーデルタならどうなるのでしょう?

95 04/06/01 >>94  基底の変換って …。テンソルというのは基底に依存しない概念なんですから、 それはテンソルではありません。
(1,1) テンソルなら、共変ベクトル(=1形式)と反変ベクトルの双線形形式という形に表現できなければなりません。  クロネッカーデルタはOKです。これは共変ベクトル(=1形式)と反変ベクトルの縮約という双線形形式に対応する(1,1)テンソルです。

96 04/06/03  たしかにそうでした。すっかり抜けていました。 ∂_a = B^i_a ∂_i 自身が反変ベクトルですのでBの添え字aは共変微分には関係ありませんね。 本当にありがとうございました。

105 04/06/26 >>84  色々な変分問題を考えるとき、確かに C^∞ と言う仮定は強すぎる。その範囲で解が無い事もある。

115 04/07/24  私は、リーマン幾何の初学者なので以下の説明にも アホなミスがあるかもしれませんが・・・ コントラストと計量の関係がどうなってるのか教えてください。

● コントラストは距離のようなものでD(p,q)>0、D(p,p)=0という要請があって、一方計量は接空間での内積を 定義するもののようですが、

=-D[X||Y]=XYD[p||p]

としてコントラストから計量が導かれるという説明が ありました。どうして負号がつくんでしょうか?
どなたか教えていただけないでしょうか。

118 04/08/03  私は、リーマン幾何に覚えがありますが 「コントラスト」とは何ですか? どの本に書いてます?

123 04/08/11   リーマン幾何を学びたいのですが、 トポロジー、多様体の基礎レベルをやっておけば大丈夫でしょうか。

124 04/08/13  >>123 それで十分です。 村上慎吾、多様体も、すぐリーマン幾何に入っている。 ありがとう。

127 04/08/22 アインシュタイン方程式の厳密解に挑戦する香具師
http://science3.2ch.net/test/read.cgi/math/1092872747/

128 04/08/27  可積分 G 構造で重要なものにはどんなのがあるのですか。

143 04/10/16   コンパクトな C^3 級リーマン多様体で、断面局率が常に 0 以下なら K1 である(アダマール-カルタンの定理)。これを精密化したピンチング問題はどの程度進んでいるのだろうか。

152 04/11/06    C^2でもいい。証明がちょっとだけ面倒になる。 ピンチング問題なら普通コンパクト性を仮定するので余り関係ない。

153 04/11/09  今数値ははっきり記憶にないが、 コンパクト且つ、断面曲率が [-1-c_n, -1] で、 非ユークリッド空間形に微分同相 と言うのがあったと思う。

154 04/11/10  非ユークリッド空間形って何ですか?
space form   空間形

161 04/11/26  現在の数学の三大未解決難問は
P=NP問題
リーマンの予想
ポアンカレの予想   です

167 04/12/17 g_{,k}=g g^{ij} g_{ij,k} どなたか、この証明を教えてください。

168 04/12/23  両辺をそれぞれベタに展開したら等しいことが判りました。

180 05/03/15  【問題】 n次元ユークリッド空間で、m個の制約式
f_1(x) = 0
...
f_m(x) = 0
で定義される曲面があるとする (x は n次元ベクトル)。 この曲面の Riemann計量を求めよ。

>>180  f_i は一時独立なのかな?  はい。

それは特異点をもたないのですか。 はい、持ちません。

193 2005/06/17 リーマン幾何学とミンコフスキー幾何学の違いを教えてください。

194 2005/06/17 >>193   ds^2 = ∑g_ij(dx^i)(dx^j)  において、行列(g_ij)が正定値なのがリーマン幾何学 そうとは限らないのが、ミンコフスキー幾何学。 たとえば、R^4(時空間)においてds^2 = x^2 + y^2 + z^2 - t^2したのがミンコフスキー空間 です。

>ミンコフスキー幾何学は平坦なローレンツ幾何のことだ。

196 2005/06/28(火)  ユークリッド幾何  リーマン幾何  ミンコフスキー幾何 ローレンツ幾何
どうしても人名をつけたいのか。

199 2005/06/29 非可換幾何学はコンヌ幾何学ですか

202 2005/06/29 ロバチェフスキー幾何学  ヘッセ幾何学  ケーラー幾何学
多様体なんてmもっと人の名前ばっかりだ。

Finsler幾何
2007/05/03 最近フィンスラー幾何が盛り返して来た 。

215 2005/11/19 ルブランが最近評判になっているそうだ。
リーマン幾何の問題を複素幾何で システマティックに解いているそうだ。

216 2005/11/20  質問です。 4次元アインシュタイン多様体なのですが。 Ric = cg とするとき、
スカラー曲率 s = 4c, 長さ |Ric|^2 = 4c^2. ということで、s^2 - 3|Ric|^2 = 4c^2 > 0. という計算は正しいでしょうか?

219 2005/11/22(火) ブラックホールの本によく出て来る、へこんだ方眼紙みたいなのは何といいますか。

>>219 懸垂面    ほんとかよ

223 2005/11/23  多様体上の調和微分形式の長さに対して、 平均値の定理みたいなのって成り立つのでしょうか?

228 2005/11/27 そんなのがあったとしたらコンパクト多様体上の調和形式の長さは常に定数でなければならないが、0でない調和形式で0点を持つものは腐るほどある。


229 2005/11/27>>228  >0でない調和形式で0点を持つものは腐るほどある。 やはりそうですか。今それで困っているのです。 調和という性質から、局所的に変形して0点をなくすとかは出来ませんよね?

また、今はコンパクト4次元アインシュタインという状態で2形式で0にならないものを探しているのですが、 こういう条件からは、0点をなくすと言うのは何とかならないでしょうか?


230 2005/11/27  その調和形式をどうやって作るかを決めないと性質を調べにくいと思います。コホモロジー類に何か条件を課するのでしょうか?

231 2005/11/27  簡単に言ってしまうと、上の条件の下、シンプレクティック形式を探しているのです。
もちろん任意の4次多様体がシンプレクティックとは限らない。だけど、これだけ条件があれば十分かとも思う。

簡単のため$b_{-} > 0$(交差数が負のベッチ数が正)を仮定してます。 この中から微分形式 w を取り、その反双対部分 w- をとれば
w- \wedge w- = -|w-|^2
となるわけです。 積分が負だから、恒等的に0ではない。 で、0点があると困るのですが。。。

このままだと、性質は反双対だけになってしまいますね。 調和形式についてあまり勉強してないために、作り方とかを良く知りません。 何か参考になる本とかありますか?

232 2005/11/27 調和形式を作る話ですか。 古典的には周期を与えて作るのがドラーム理論。 複素多様体上で零点や極を与えて有理型函数を作るためにはそれに応じた調和形式を作ればよいというのが ワイルとか小平邦彦(こだいらくにひこ)の理論。

 先入観かもしれませんが調和形式に0点があった場合、 その個数と自己交点数の関係とかが問題になるような気がします。0点があったとき、0点集合の次元について何か言えないのですか?

233 2005/11/27 >>232  その個数と自己交点数の関係とかが問題になるような気がします。 0点があったとき、0点集合の次元について何か言えないのですか? 確かにそのような気がします。次元についてはあまり考えていませんでした。

 しかし、4次元(オープン)で無いことは確かです。 そして、もしかしたら、1次元以下になるのではないかとも考えています。
(2単体上で0だったら、それを面にもつ4単体上で w \wedge w = -|w|^2の積分が0になってしまう。)

 ところで、ドラーム理論と言うのは「小平の分解定理」に関連するものでしょうか? あれは調和空間の直交空間=ラプラシアンの像、ということだったと思ったのですが。また、周期を考えると言うことは、

 任意小のコンパクト集合を台とするような非定値調和形式が作れるということでしょうか? それなら、1の分解とか局所変形とかも出来そうな気がする。


234 2005/11/27  というか、点だったとしても、その個数が特性数とかに関連して決まってるとかそういうことはないのですか?

235 2005/11/27 確かに、調和形式の0点は特性数とかも関係するように思えます。つまり、位相的条件がだいぶ影響してくると言うことですよね。

236 2005/11/28 >>233 Aronszajnの定理によれば調和形式が空でない開集合上で0なら全体で0になります。

237 2005/11/28 >>236  そういわれてみれば確かに。 ということは調和形式の0点はどんな場合でも n - 1 次元以下ということですね。 そうすると1の分解等の局所変形は無理か。

しかし、Aronszajnのは、一点で0で近傍上「無限階の意味で抑えられる」。 とかではなかったっけ?

 ちなみにWeitzenbockの公式から、一点で0⇒任意階の共変微分もその点で0となりそうなものですが。そうすると、まだ確かめてないけど「無限階の意味で抑えられそう」だし。 0点を持つ調和形式って0点近傍でどんななんだろう。。。

238 2005/11/28  正則関数は調和です。

239 2005/11/28 Aronszajnの論文を確認してきました。 コンパクト・リーマン多様体の場合、近傍上の不等式の条件は自動的にOKだから、 0をもつ場合、0点周りの半径 r の球上で∫|u| > O(r^n)という n がある。 ということのようですね。 ・・・任意階の共変微分が0でもこの条件は満たされないだろうか?

240 2005/11/28 要するに調和形式は解析関数と同様、 テイラー係数で決まってしまうということだと理解してください。

241 2005/11/28  >>240  本当ですか? それなら、任意階の共変微分が(一点で)0なら、近傍上0ですか? この条件は一点で0となるから導けると思うのですが。

242 2005/11/28 Weizenboeckの公式からは 1点で0ーーー>任意階の共変微分もその点で0は導けません。

243 2005/11/28 >>242 むむ。そこが間違いですか。確かにどこか間違いがあるのですが。 しかし、
△w = -∇∇w+(wに関しての曲率の線型項)ですよね。 まず、これから、(一点での話ですが)
w=0⇒∇w=0
さらに△∇w=-∇^3w+(∇wに関しての曲率の線型項)
0=∇△w=-∇^3w+(∇wに関しての曲率の線型項)
上から下を引くと
△∇w=(△∇-∇△)w=-(∇wに関しての曲率の線型項)+(∇wに関しての曲率の線型項)
したがって、一点で△∇w=0で∇^3w=0
以下同様。どこが間違ってるのでしょうか?

244 2005/11/28 Weitzenboeckの公式の右辺がちがうのでは? Bochner Laplacianはナブラの2乗ではありません。

245 2005/11/28 正確ではありませんでした。省略してしまいました。
-∇∇wとwの内積を取って |∇w| だから、∇w=0は確実です。
(∇∇で、g^kl∇_k∇_lとします。)
で、下のほうでは任意のベクトルXを取って△∇_X(w)を考えます。
△∇_X(w)=-∇∇[∇_X(w)]+(∇wに関しての曲率の線型項)
0=∇_X(△w)=-∇_X[∇∇w]+(∇wに関しての曲率の線型項)
よって、△∇_X(w)=(△∇_X-∇_X△)w
=-(∇wに関しての曲率の線型項)+(∇wに関しての曲率の線型項)
これが一点で0(任意のXで)だから、一点で
0=△∇_X(w)=-∇∇[∇_X(w)]+(∇wに関しての曲率の線型項) =-∇∇[∇_X(w)]
これと∇_X(w)の内積を取って |∇(∇_X(w))|=0
と考えました。

247 2005/11/28 素人ですが定数って調和形式ではないですか? 自明じゃない調和形式wをとってある点pをえらんで  w’=w-w(P)とか考えたらw’とかはpで0になる調和形式とかにならないですか?

248 2005/11/28>>245   2行目で部分積分していませんか?Bochnerは 曲率項の条件があれば部分積分してw=0が導けることに気づいたわけですが。
>>246 はやるかもね。
>>247 健全な議論ですが、コンパクト多様体上の0次調和形式は定数に限ります。

249 2005/11/28そうか。考えてるのは2次の調和形式でしたね。4次元の話あんまりしらないんすけど調和形式ってあれば定数倍をのぞいて一つなんすか?

250 2005/11/28>>249  一つのコホモロジー類につき 一つだけあります。

251 2005/11/28>250  なるほど。つまり引き算して0点をつくるって作戦は成功しないんすね。おさわがせしました。

252 2005/11/28 いやいや、私の乱雑な文を読んででいただけただけで結構うれしいです。 あと、ここまでの話によればコンパクト台のcut offとかを使って局所変形をするとか言うのも無理みたいですね。 実解析的のようなものらしい。

>>248  消滅定理というやつですね。 たしか、1次のときはリッチ>0ですよね。

・・・どこかに間違いがあるはずなのですが、 >>245 は結構自信あるのです。 どこに間違いがあるのか分からないのも結構つらいものです。 だれか教えてください。お願いします。

253 2005/11/28 >>252 だから、245の二行目で反則わざを使っている。

254 2005/11/28  ∇w=0は確実です。


255 2005/11/28 W公式とw=0とΔw=0から出せるのは wのBochner Laplacian = 0 (あなたの記号でナブラを二回wに施したものが0) であり、wの共変微分=0ではないと思いますが。


256 2005/11/28  なるほど。積分してるから、∇w=0もいえないのですか。馬鹿な間違いだ。

すいません。最後に一つ質問させてください。 うえの議論で、実解析的というのがありましたが、複素正則の場合と違って0点が孤立するとかは言えませんよね。


257 2005/11/28 >>253-254  素人なのでくわしく教えていただけませんか?>>245さんがいってるのは

0=(-∇∇w,w)=(∇w.∇w)=∫|∇w
という感じの議論だと思いますが、これではおかしいですか?

259 2005/11/28>>256  調和形式の次数によります。 直積多様体の場合に考えてみればよくわかります。 また、1点におけるテイラー係数で決まる というのと実解析的というのは厳密には区別しないといけません。 計量としてC^∞級のものを考えることもある。

262 2005/11/29 色々と教えてもらえまして、本当にありがとうございました。 まあ、そんな簡単に0点のない形式が見つかっては困るようですが、 だいぶ状況も分かってきましたし、 条件もかなりある(4次元とかアインシュタインとか)ものですから、 別方面から頑張ってみようと思います。 後、できれば>>259を教えてもらいたいのですが。

263 2005/11/29>>262  Mを種数gが2以上の閉リーマン面、 wをM上の0でない正則1形式とすると、
wは共形計量に関して調和であり、(重複を込めて数えて)2g-2個の0点を持つ。 wをMxM上に第一成分への射影によって引き戻して得られる1形式は直積計量に関して調和であり、その0点集合はMの次元に等しい。

264 2005/11/29>>263  なるほど。つまりいくらでも大きい次元の0点をもつ調和形式を作れるわけですね。 本当に色々とありがとうございました。    どういたしまして。

266 2005/11/29  エルミートの多項式とチェビシェフの多項式の直交性について詳しく教えてください。
できれば数式を用いて説明していただけるとありがたいです。 よろしくお願いします。

272 2006/01/08 曲面M上の輪lに対し、lを中心線とする帯NがMの内部に存在するという事実を証明したいのですが、これは明らかではないのでしょうか? 帯の幅を十分小さくとればいいと思うのですが。

274 2006/01/08 曲面の条件がわからんが、局所ユークリッドなら明らかでは?

275 2006/01/08 曲面上に切断輪は存在しない。(ジョルダンの曲線定理)という定理の証明を考えているのですが、参考になるサイトとかあれば教えて下さい。

278 2006/02/07 Mをコンパクトリーマン多様体としたとき、 (M上のp-form全体)=(harmonic form全体)+Im △ と直交分解でき、ラプラシアンの固有値は離散的で各固有値の重複度は有限となりますが、これはMを完備有限体積リーマン多様体としたときも成立するでしょうか?     しません。

280 2006/02/08>>279 ありがとう。 考えてたら反例になりそうなの思いつきました。

281 2006/02/10>>278  R^3 の閉部分多様体となる2次元多様体で p = 0, 固有値 0 で反例が出来ると思います。

2006/02/25 連続スペクトルの下限が多様体の変形にどう応ずるかが興味深い問題である。

ミラー対称性? 正弦定理   一次元複素多様体

304 2006/07/19 一次元複素多様体=リーマン面という事でいいのですか?

OKだと思いますよ。 証明は知らない。 知ってる人いたら教えてほしい。
どうなんだろ? よくわからん   ど~なのかの~  当然だけど向き付け可でないと。

リーマン幾何をやってるとリーマン予想解けると思っていませんか?

315 2006/10/15 >>309 概複素多様体は向き付け可能 連結な(これを定義に含める時もある)n次元複素多様体とは、ハウスドルフ空間で局所的に複素n次元数空間の開集合への同相写像が与えられており、それらの間の変換関係が正則写像になっているものを言う。

 リーマン面とは1次元複素多様体を言うが、元来は複素数平面に無限遠点を付加してできるリーマン球面上の分岐点を持つ被覆面を言った。これらは同等であることが知られているが、その証明は難しい。

316 2006/11/05>>315  2 次元(複素1次元)概複素多様体は必ず積分可能にならないのですか?

318 2006/11/17  リーマン幾何初心者です。 リーマン多様体上の点pの座標近傍Uを適当にとって
U上で g_ii=1、g_ij = 0 とすることは、いつでも可能ですか?

2006/11/17>>318 私のつたない耳学問では、 計量から決まる レビチビタ接続 の曲率テンソルが零の時可能でその時にのみ可能 では無かったかな。小林・野水に証明が載っているらしい。

>>319 ありがとうございます。やっぱし、いつでもできるというわけではないんですね。 今度図書館から小林・野水を借りてきて見てみます。

325 >>316 real analyticな場合はそうなることが昔から知られていたが、 smoothな場合はNNの定理。

326 2006/12/16 real analytic な概複素構造という意味は分かるますよね。

330 2007/02/19 3次元ポアンカレ予想の証明を理解したいのだが、何を勉強すればいい?

331 2007/02/19 数学セミナー増刊「解決ポアンカレ予想」 がいい。Ricci flowがキーワード 。

>>331  実はその本を見たのでちゃんと勉強してみたくなりました。 どんな本で何を勉強すれば理解できるのですか?

334 2007/02/19  とりあえず Reto Mullerの Differential Harnack Inequalities and the Ricci Flow でもどうですか 。
Prefaceに、

 The goal of this book is to explain some of the key ingredients of Grisha Perelman's first paper on the Ricci flow, namely Li-Yau type differential Harnack inequalities, entropy formulas and space-time geodesics.
とある。

ありがとう。とりあえず読んでみる。

332 2007/02/19 質問です 。Gauss-CodazziとWeingartenは 一方が他方の系なのでしょうか。

351 2007/09/13 擬リーマン幾何の教科書を教えて下さい。

337 2007/04/02 重力と電磁気の統一は、そんなにむずかしいことではない。 アインシュタインは重力を計量によって与えたが、それを少し変えて、 各点の慣性座標として重力を与えれば、電磁気を同時に含むようにすることができる。 それを下記に示した。 これは新しい時空の幾何学である。
http://blogs.yahoo.co.jp/japan_miroku/1528596.html

338 2007/05/02 馬鹿も休み休み云え。

340 2007/05/03>>339 昔から電子顕微鏡理論に使われていたらしい。 詳しい事は知らない。

342 2007/05/24 とある一般相対性理論の本を読んでいて、微分形式について簡単な説明があったのですが、計算上の係数に納得出来ない箇所があります。 どなたかのアドバイスを頂ければ幸いです。http://www.nowsmartsoft.or.tv/bbs/test/read.cgi/
Relativity/1179990332/l50

345 2007/09/05 STML16 Differential geometry Kuhnel   AMS の評価はどうですか?

>>345 http://www.maa.org/reviews/brief_mar02.html
の評によれば、学部生には難しいだろう。

347 2007/09/07わざわざありがとうございます。前半は曲面論のようなのでなんとか読めそうです。

348 2007/09/07  曲線と曲面の微分幾何(小林昭七) という本もあるよ。

349 2007/09/07>348  前半部分(極小曲面)まではだいたい読みました。もう少し曲面からリーマン幾何につながる本を探していたのですが、 >>345を入手したのでここでの評判を聞いてみました。

357 2008/01/27>>354 接続は誰もが一度はわかんなくて悩むところ。 ユークリッド空間と比べたりして考えてみてください。

もう少し具体的ベクトル場などを構成してやってみようと思います。

>>357  普通の偏微分をちょっと補正するだけなんだけど。

>>362 もっと詳しく。 ちなみに今の俺は線形接続についてはわかりました。

>>363 線形接続については362の通りだと言うことはわかった?

>>364 なんとなくわかりました。 しかし偏微分を補正するというよりは方向微分を補正するというほうが近いと 思いました。私は間違っていますか?  36 2のことについてもう少し詳しく教えてください。

全微分を補正すると言っても実質は変わらない。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝

 


「この「第2ぼやき」記事を印刷する」
「76」 「サブプライム危機から世界恐慌へ」(13) 2008.2.14

副島隆彦です。2008年2月14日です。さらに載せます。
いよいよ大恐慌への突入の様相を呈してきました。もう誰も、子の大きな動きに反論を唱える(「景気は再び力強く回復するだろう」などと書くこと)者はいなくなりました。

米ドルとNY株式と米国債の3つを大暴落させる動きに、世界は動いています。アメリカ内部でも、ここまで来たら、もうドルを防衛(ドル安阻止)する気などなくなって、どこまででもドルが下がっても構わない、という感じになってきました。

アメリカ国民の暮らしさえ守れればいいのであって、ほかの外国のことなど知ったことではない、という動きになってゆくでしょう。それで、どれだけでも米国内に金融を緩和(ドルを撒き散らす)して、それで、財政出動(減税と福祉策と住宅差し押さえの停止のための国家財政資金の大盤振る舞い)も加えて、それで、国内を守ろうとする。

 今のところは、まだ米国債(10年もの、長期)が買われていて、米国債に向かって、資金が逃避している。だから、中古の米国債が買われるので、利回り(長期金利)が、年率3.6%にまで下がっている。だから、いくらアメリカ国内が、石油の値上がりによるインフレ懸念があっても、金利が上がらないので、まだ、大丈夫だ。

 しかし、この動きが止まって、米国債さえ安全でないのだ、という雰囲気に変わってゆくと、アメリカ国内から、資金が逃げてゆく。おそらくユーロに逃げるだろう。日本円(日本株式、日本国債)に、各国の資金が密かに逃げ込んできている
という情報がある。 日本経済の足腰は強い。そのことを新興国も知っている。中国、イラン、ロシアの政府が、ひそかに日本株と日本国債を買っている。

 しかし、その一方で、3月末決算で、銀行が、サブプライムを組み込んだ証券を買っていることが、隠しおおせなくなって、決算書から判明する事態が襲い掛かってくるだろう。それが、次の株式の暴落を引き起こすだろう。

1月22日に、FRBは、0.75%の緊急のFFレートの利下げを決定した。その数日後に、さらに0.5%を下げた。それで、今は、FFレート(アメリカの政策誘導金利)は、年率35になった。これを2%にまで下げても、もう、金利政策(記入政策の一種)では、どうにもならない、という段階に来た。あとは、まさしく、”ヘリコプター”・ベンだろう。

アメリカは、すでに公式=学問的にも、景気後退(リセッション、recession、不景気)に突入した。  副島隆彦記

(転載貼り付け始め)

●【投資】英ヘッジファンドのマン・インベストメンツ、米銀株と米長期債の売り推奨」

2008年1月25日 ロイター

http://jp.reuters.com/article/treasuryNews/idJPnTK
809240820080125

 英ヘッジファンドのマン・インベストメンツは24日、米国がリセッション(景気後退) とインフレ進行の可能性に直面していることを考えれば、米銀株と米長期債の売りに
よって利益の得られる可能性が高いとの見方を示した。

マンの調査責任者、トマス・デラカーサ氏は記者会見で米銀について、米住宅ローン市場の
急変に端を発したクレジット関連の損失を一段と償却する見込みだと指摘し、
「まだすべての評価損計上は終わっていない」と述べた。

マン・インベストメンツは世界最大の上場ヘッジファンドである英マン・グループの一員。
マン・グループは世界全体で約720億ドルの資産を運用している。

デラカーサ氏は、米国がリセッション入りした場合、クレジットカードや自動車ローン、
学生ローンのデフォルト(債務不履行)が増え、銀行のクレジット関連の損失が既に
発表している以上に膨らむと予想。「米経済は薄氷を踏む状態だったが、その氷が今や
割れている」と述べた。

米国債については、米連邦準備理事会(FRB)の利下げによって短期債金利が低下する
一方、インフレが引き続き長期債利回りを押し上げると予測、利回り曲線のスティープ化を
見込んだ取引で利益が得られるとみている。


● 2008年1月25日 ブルームバーグ

 バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)の今週の緊急利下げは、 正に必要な措置だったのか。著名エコノミストや投資家の間で意見が分かれている。

スタンフォード大学のジョン・テーラー教授は、緊急利下げを「理にかなったものだった」と評価。 ハーバード大学のマーティン・フェルドシュタイン教授も「非常に良い措置」と指摘した。

一方モルガン・スタンレー・アジアのスティーブン・ローチ会長は「危険で無謀で無責任」な措置だったと批判。 2001 年にノーベル経済学賞を受賞者したジョゼフ・スティグリッツ・コロンビア大学教授は「悪しき経済運営」の産物と断じた。

意見が分かれているのは、香港やロンドンなどアジアと欧州の大幅な株価下落からわずか 1日足らずで利下げが実施されたためだ。バーナンキFRB議長は、「ぜい弱な」市場が減速する景気に及ぼす悪影響を警告したが、アナリストの間には、誤った判断を下しただけの投資家に救いの手を差し伸べるリスクを指摘する声もある。

ローチ氏は、今週開催の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で「新たな情報がないなかで、積極的な利下げを実施することによって米金融当局が送っているのは、市場を保護し守らなければならないというメッセージだ」と語った。

1月22日に実施されたフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標の0.75 ポイント引き下げは、同金利が20年前に指標として採用されて以降、最大幅の利下げだった。

01-05年に財務次官(国際経済担当)を務めたテーラー氏は、「今実施するのは理にかなった措置だと思う」と指摘。「実施のタイミングは市場の動向に基づいて決められたものに違いないが、米国の経済状態を考慮すると、利下げ幅はさほど的外れなものではなかった」と語った。

S&P500種株価指数は、利下げが発表された22日には1.1%下落したものの、 その後は反転。23、24日の2日間で計3%超上昇した。それでも昨年10 月に記録した 過去最高値を依然として14%下回っている。

トレーダーの間には、29、30日に実施される連邦公開市場委員会(FOMC)の定例会合で、0.5ポイントの追加利下げが実施されるとの予想が優勢。予想通りなら政策金利は5カ月足らずで計2.25ポイント引き下げられることになる。米国が前回リセッション入りした2001年以来の大幅な利下げだ。

FOMCの緊急会合での利下げ決定は01年以来。次回の定例会合までの日数は、過去16年間で最短だった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の主任エコノミスト、「わたしは、FOMCが定例会合の1週間前に、世界の株価動向に直接反応するような形で動き、悪しき前例を作ったことに懸念を抱いている」 と言明。定例会合まで「1週間待っても、金融政策の推進力への影響はなかったはずだ」との見方を示した。

これに対してライル・グラムリー元FRB理事は「これは必要かつ大いに好ましい措置だった」と指摘。 金融当局は今週まで「臆病」だったとの見方を示した。さらに「当局は単に、現在の危機の深刻さを理解していなかったのだ。このため、タイムリーな行動を取れなかった」と語った。

S&P500種先物は、国際投資資金が株式市場から流出するなか、22日午前8時20分(日本時間23日午後10時20分)の利下げ発表の前に一時5.3%安となる場面があった。ブッシュ政権と米下院指導者は24日、戻し減税や企業の設備投資優遇など一連の景気刺激策で合意した。

世界2位の企業買収会社、カーライル・グループの共同創業者デービッド・ルーベンスタイン氏は、ダボス会議でインタビューに対し「FOMCはこれまで積極的であり助けになっている」と指摘。 「おそらく、もう少し早く行動していたら、市場にとってさらに助けになったのかもしれない。ただ鍵を握るのは景気刺激策だと思う」と語った。

 

● 「バーナンキ議長の利下げも商用不動産には効かず、ローン金利は急上昇 」
Bernanke's Easing Thwarted by Surging Commercial Mortgage Rates

2008年1月25日 ブルームバーグ

 バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長をはじめ、米金融当局は住宅市場の混迷に起因する景気悪化の立て直しに取り組んでいるが、米商用不動産市場は悪化を食い止めるのが困難な状況に陥っている。

パリセード・ファイナンシャルのプリンシパル兼最高投資責任者のデービッド・マクレーン氏によると、連邦公開市場委員会(FOMC)が9月以降に4度の利下げを実施したのを背景に、米10年物国債利回りは過去3カ月間で 1.43ポイント下落し、2003年以来の低水準をつけたが、その一方でアパート建物やオフィス、小売店舗、ホテルなどのための借り入れコストは最大で1.25 ポイント上昇した。

米ミッション・キャピタル・アドバイザーズのプリンシパル、デービッド・トビン氏は、「レバレッジを利かせたあらゆる資産や、楽観的だった昨年の見通しに基づいて交わされた実現不可能な開発契約が非常に多く存在しているため、市場は行き詰っている。これでは住宅市場と同様の終わりを迎えるだろう」と語った。

米当局による金融緩和策にもかかわらず、3兆2000億ドル(約343兆円)といわれる商用不動産市場は住宅市場の混迷を映すかのように落ち込んでいる。価格は1929年の大恐慌以来初めて下落した。米調査会社リアル・キャピタル・アナリティクスの市場分析ディレクター、ダン・ファスロ氏によると、今年の米商用不動産価格は2007年のピーク時から10%下落する見通し。2002 年から2007年にかけては60%上昇していた。

米カリフォルニア大学の経済学者ケネス・ローゼン氏は、証券化された商用住宅ローンの支払い遅延が今後1年半で4倍に増加するとの見通しを示した。

 

● 「仏ソシエテ・ジェネラルが巨額損失 トレーダーの不正取引で 」
CNN 2008.1.24

http://www.cnn.co.jp/business/CNN200801240014.html

(CNN) フランス銀行大手ソシエテ・ジェネラルは24日、トレーダー1人の不正取引で
49億ユーロ(約7620億円)の損失を被ったことを明らかにした。

同銀がウェブサイトで発表したところによると、融資投資部門のトレーダーが、 許容限度を超えた欧州指数先物取引に関与し、不正を隠すため架空取引をねつ造していた。

調査の結果、トレーダーは昨年から今年年頭まで、独断で不正を行っていたことが判明した。
トレーダーは不正を認めて解雇され、上司も退社した。 トレーダーは業務を通じて行内のチェック制度を把握しており、これが不正隠しを可能にしたという。 ソシエテ・ジェネラルはこの問題とは別に、米サブプライム問題の影響で 約20億ユーロ(約3110億円)の損失を計上した。


● 「WSJ-FRBの緊急利下げ、経済エリートの失望を招く」

ダウ・ジョーンズ 2008.1.24

  スイス、ダボス、 ウォール・ストリート・ジャーナル紙

世界の経済エリートは一晩考え、米連邦準備制度理事会(FRB)による予想外の緊急利下げに対する判断を下した。評価できるが十分ではないかもしれない、という判断だ。
  世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に出席した政府高官やエコノミスト、
政策担当者は、FRBによる0.75%の緊急利下げが 目の前の悪路をいくらか平らにしたとの見方で同意した。

多くの経済指標が世界経済の成長鈍化を示し、広範な市場が年初から後退するなか、投資家は米国の景気後退(リセッション)入りと、サブプライム(信用力の低い個人向け融資)問題後の厳しい現実の長期化を甘受しているようだ。

23日の欧州の主要株式市場では、欧州中央銀行(ECB)がすぐには利下げしないとの見方が広がるなか、大幅安となった。しかし、アジア主要市場では多くの株価指数が上昇し、香港のハンセン指数は前日から約11%高となり、22日の下げを戻した。 米国では、日中を通じて下げてきた株価指標が持ち直した。

ダボス会議では、FRBの行動の必要性を評価した向きさえも、 リセッション入りの可能性ではなく、リセッションの程度について議論を交わした。 モルガン・スタンレーのジョン・マック最高経営責任者(CEO)は、緊急利下げの規模に驚いたと述べ、利下げによって融資や投資のための資金調達コストが低下することから、利下げが潤滑油となり、 「確実に」市場の再興に寄与するだろうと語った。

ただ、「時間を要するだろう。ここ数年間で発展した問題は、数週間で元に戻るようなものではない」 と警告した。 モルガン・スタンレーは昨年、94億ドルの評価損を計上し、中国の国有投資会社「中国投資有限責任公司(CIC)」から50億ドルの出資受け入れを決定した。

● 「NY州保険局、モノライン救済策で銀行に1.6兆円規模の資金支援要請
-23日の米株式市場、急伸=MBIAやAMBACなど金融関連株価急騰で-」

日経新聞 2008年1月24日(木)
  前日のNY株式市場は、ダウ工業株30種平均が取引中盤までクレジット市場危機に対する懸念で、一時326ドルと300ドルを超す大幅な下落を続けていたが、その後、モノラインといわれる、サブプライムローンや消費者ローンなどが組み込まれた金融商品の保証を専門にする金融保証会社に対する救済策が報じられると、急激に値を戻し始め、結局、前日比298.98ドル(2.50%)高の1万2270.17ドルと1万2000ドル台を回復。この日一日だけで、実に632ドルも乱高下し、2002年7月24日以来の大幅な値動きとなった。

● 「NY州保険局、モノライン救済策で銀行に1.6兆円規模の資金支援要請
-23日の米株式市場、急伸=MBIAやAMBACなど金融関連株価急騰で-」

日経新聞 2008年1月24日(木)
  前日のNY株式市場は、ダウ工業株30種平均が取引中盤までクレジット市場危機に対する懸念で、一時326ドルと300ドルを超す大幅な下落を続けていたが、その後、モノラインといわれる、サブプライムローンや消費者ローンなどが組み込まれた金融商品の保証を専門にする金融保証会社に対する救済策が報じられると、急激に値を戻し始め、結局、前日比298.98ドル(2.50%)高の1万2270.17ドルと1万2000ドル台を回復。この日一日だけで、実に632ドルも乱高下し、2002年7月24日以来の大幅な値動きとなった。


●「仏ソシエテ・ジェネラルが巨額損失 トレーダーの不正取引で 」

CNN 2008.1.24

http://www.cnn.co.jp/business/CNN200801240014.
html

(CNN) フランス銀行大手ソシエテ・ジェネラルは24日、トレーダー1人の不正取引で
49億ユーロ(約7620億円)の損失を被ったことを明らかにした。

同銀がウェブサイトで発表したところによると、融資投資部門のトレーダーが、 許容限度を超えた欧州指数先物取引に関与し、不正を隠すため架空取引をねつ造していた。

調査の結果、トレーダーは昨年から今年年頭まで、独断で不正を行っていたことが判明した。
トレーダーは不正を認めて解雇され、上司も退社した。 トレーダーは業務を通じて行内のチェック制度を把握しており、これが不正隠しを可能にしたという。 ソシエテ・ジェネラルはこの問題とは別に、米サブプライム問題の影響で 約20億ユーロ(約3110億円)の損失を計上した。


● 「WSJ-FRBの緊急利下げ、経済エリートの失望を招く」

ダウ・ジョーンズ 2008.1.24

  スイス、ダボス、 ウォール・ストリート・ジャーナル紙

 世界の経済エリートは一晩考え、米連邦準備制度理事会(FRB)による予想外の緊急利下げに対する判断を下した。評価できるが十分ではないかもしれない、という判断だ。

 世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に出席した政府高官やエコノミスト、 政策担当者は、FRBによる0.75%の緊急利下げが 目の前の悪路をいくらか平らにしたとの見方で同意した。

多くの経済指標が世界経済の成長鈍化を示し、広範な市場が年初から後退するなか、投資家は米国の景気後退(リセッション)入りと、サブプライム(信用力の低い個人向け融資)問題後の厳しい現実の長期化を甘受しているようだ。

23日の欧州の主要株式市場では、欧州中央銀行(ECB)がすぐには利下げしないとの見方が広がるなか、大幅安となった。しかし、アジア主要市場では多くの株価指数が上昇し、香港のハンセン指数は前日から約11%高となり、22日の下げを戻した。 米国では、日中を通じて下げてきた株価指標が持ち直した。

ダボス会議では、FRBの行動の必要性を評価した向きさえも、 リセッション入りの可能性ではなく、リセッションの程度について議論を交わした。 モルガン・スタンレーのジョン・マック最高経営責任者(CEO)は、緊急利下げの規模に驚いたと述べ、利下げによって融資や投資のための資金調達コストが低下することから、利下げが潤滑油となり、 「確実に」市場の再興に寄与するだろうと語った。

ただ、「時間を要するだろう。ここ数年間で発展した問題は、数週間で元に戻るようなものではない」 と警告した。 モルガン・スタンレーは昨年、94億ドルの評価損を計上し、中国の国有投資会社「中国投資有限責任公司(CIC)」から50億ドルの出資受け入れを決定した。

● 「サブプライム:日米欧の金融グループの損失、13兆円超す」

2008年1月24日 毎日新聞

 米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題に絡み、 日米欧の主要金融グループが昨年末までに計上した関連損失が 総額約13兆円超に達していることが、23日分かった。 損失額は主要金融グループの年間の最終利益の合計(約30兆円)のほぼ4割に膨らんだ。

欧米の大手行などが保有するサブプライム関連の証券化商品の残高は 「全体で60兆~80兆円にのぼる」(アナリスト)と見られている。 損失処理の進ちょく具合は各金融機関ごとに保有額に対して3~8割とばらつきがあり、米シティグループなどは、08年1~3月期以降も巨額の追加損失計上を迫られる可能性が高い。サブプライム不安は簡単に収まりそうにない。

22日にまでに07年12月期(一部07年11月期)決算が出そろった 米金融大手7社の損失額は757億ドル(約8兆円)と 日米欧の主要金融グループの損失全体の6割を占めた。 個別では、米シティグループが286億ドル(約3兆円)で最大で、次いで米証券大手メリルリンチの225億ドル(約2.4兆円)だった。 スイスUBSと米モルガン・スタンレーも損失が1兆円を超えている。

昨夏にサブプライム問題が表面化して以来、欧米の金融機関の損失が急激に膨らんだのは、米住宅バブル崩壊によってローンの焦げ付きが急増し、サブプライム関連の証券化商品の買い手が付かなくなったためだ。 市場価値の暴落に歯止めがかからず、
証券化商品の在庫を大量に抱えたシティなどが巨額の評価損計上を迫られた。 欧米金融グループは損失処理と同時に中東の政府系ファンドなどからの大規模な資本支援も受けたが、問題収束に向けた打ち止め感は出ていない。

11月末までにモルガン・スタンレーが保有残高の約8割の損失処理を行った一方、
シティの損失処理は約3割強にとどまるなど、各グループで損失処理の進ちょく状況に大きな差があることも市場の不信を呼んでいる。特にシティは「モルガン・スタンレー並みにするには、260億ドル(約2.8兆円)の追加損失処理が必要」(米アナリスト)とされ、
損失拡大が懸念されている。【斉藤望】

 

● 「NY州保険局、モノライン救済策で銀行に1.6兆円規模の資金支援要請
-23日の米株式市場、急伸=MBIAやAMBACなど金融関連株価急騰で-」

日経新聞 2008年1月24日(木)
  前日のNY株式市場は、ダウ工業株30種平均が取引中盤までクレジット市場危機に対する懸念で、一時326ドルと300ドルを超す大幅な下落を続けていたが、その後、モノラインといわれる、サブプライムローンや消費者ローンなどが組み込まれた金融商品の保証を専門にする金融保証会社に対する救済策が報じられると、急激に値を戻し始め、結局、前日比298.98ドル(2.50%)高の1万2270.17ドルと1万2000ドル台を回復。この日一日だけで、実に632ドルも乱高下し、2002年7月24日以来の大幅な値動きとなった。

 

● 「WSJ-FRBの緊急利下げ、経済エリートの失望を招く」

ダウ・ジョーンズ 2008.1.24

  スイス、ダボス、 ウォール・ストリート・ジャーナル紙

世界の経済エリートは一晩考え、米連邦準備制度理事会(FRB)による予想外の緊急利下げに対する判断を下した。評価できるが十分ではないかもしれない、という判断だ。
  世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に出席した政府高官やエコノミスト、
政策担当者は、FRBによる0.75%の緊急利下げが 目の前の悪路をいくらか平らにしたとの見方で同意した。

多くの経済指標が世界経済の成長鈍化を示し、広範な市場が年初から後退するなか、投資家は米国の景気後退(リセッション)入りと、サブプライム(信用力の低い個人向け融資)問題後の厳しい現実の長期化を甘受しているようだ。

23日の欧州の主要株式市場では、欧州中央銀行(ECB)がすぐには利下げしないとの見方が広がるなか、大幅安となった。しかし、アジア主要市場では多くの株価指数が上昇し、香港のハンセン指数は前日から約11%高となり、22日の下げを戻した。 米国では、日中を通じて下げてきた株価指標が持ち直した。

ダボス会議では、FRBの行動の必要性を評価した向きさえも、 リセッション入りの可能性ではなく、リセッションの程度について議論を交わした。 モルガン・スタンレーのジョン・マック最高経営責任者(CEO)は、緊急利下げの規模に驚いたと述べ、利下げによって融資や投資のための資金調達コストが低下することから、利下げが潤滑油となり、 「確実に」市場の再興に寄与するだろうと語った。

ただ、「時間を要するだろう。ここ数年間で発展した問題は、数週間で元に戻るようなものではない」 と警告した。 モルガン・スタンレーは昨年、94億ドルの評価損を計上し、中国の国有投資会社「中国投資有限責任公司(CIC)」から50億ドルの出資受け入れを決定した。


● 「サブプライム:日米欧の金融グループの損失、13兆円超す」

2008年1月24日 毎日新聞

 米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題に絡み、 日米欧の主要金融グループが昨年末までに計上した関連損失が 総額約13兆円超に達していることが、23日分かった。 損失額は主要金融グループの年間の最終利益の合計(約30兆円)のほぼ4割に膨らんだ。

欧米の大手行などが保有するサブプライム関連の証券化商品の残高は 「全体で60兆~80兆円にのぼる」(アナリスト)と見られている。 損失処理の進ちょく具合は各金融機関ごとに保有額に対して3~8割とばらつきがあり、米シティグループなどは、08年1~3月期以降も巨額の追加損失計上を迫られる可能性が高い。サブプライム不安は簡単に収まりそうにない。

22日にまでに07年12月期(一部07年11月期)決算が出そろった 米金融大手7社の損失額は757億ドル(約8兆円)と 日米欧の主要金融グループの損失全体の6割を占めた。 個別では、米シティグループが286億ドル(約3兆円)で最大で、次いで米証券大手メリルリンチの225億ドル(約2.4兆円)だった。 スイスUBSと米モルガン・スタンレーも損失が1兆円を超えている。

昨夏にサブプライム問題が表面化して以来、欧米の金融機関の損失が急激に膨らんだのは、米住宅バブル崩壊によってローンの焦げ付きが急増し、サブプライム関連の証券化商品の買い手が付かなくなったためだ。 市場価値の暴落に歯止めがかからず、
証券化商品の在庫を大量に抱えたシティなどが巨額の評価損計上を迫られた。 欧米金融グループは損失処理と同時に中東の政府系ファンドなどからの大規模な資本支援も受けたが、問題収束に向けた打ち止め感は出ていない。

11月末までにモルガン・スタンレーが保有残高の約8割の損失処理を行った一方、
シティの損失処理は約3割強にとどまるなど、各グループで損失処理の進ちょく状況に大きな差があることも市場の不信を呼んでいる。特にシティは「モルガン・スタンレー並みにするには、260億ドル(約2.8兆円)の追加損失処理が必要」(米アナリスト)とされ、
損失拡大が懸念されている。【斉藤望】


● 「 米国はすでにリセッション、金融政策は「緩衝材」-アルコアCEO 」
Alcoa's Kleinfeld Says U.S. Economy Is Already in Recession
2008年1月23日 ブルームバーグ
アルミニウムメーカー大手の米アルコアのクラウス・クラインフェルト最高経営責任者(CEO)は23日、米経済について以下の通りコメントした。スイスのダボスで開かれている世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でインタビューにドイツ語で応じた。
  「米国はすでにリセッション(景気後退)入りしている。これはどこにいても実感できる。2008年は困難な年になるだろう。米金融当局は賢明な措置を実施したが、打撃に対してクッションの役目を果たすに過ぎない。世界経済は米国からの影響を免れないだろう」
  欧州中央銀行(ECB)の「トリシェ総裁は極めて思慮深く、非常によく任務を遂行している」

● 「WSJ-米FRBはどこまで利下げすべきなのか 」

2008年1月23日 ダウ・ジョーンズ

  ワシントン(ウォール・ストリート・ジャーナル)22日に緊急利下げを決めた米連邦準備制度理事会(FRB)の政策担当者たちが直面している主な問題のひとつは、「米経済を救済するためには、どこまで政策金利を引き下げるべきか」ということだろう。

FRBがフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.75%引き下げ3.50%としたことを受け、
1月29・30日に開かれる定例の連邦公開市場委員会(FOMC)で、FRBがさらに0.50%利下げすると市場では予想されている。追加利下げが0.75%になる可能性をもある程度みられている。

いずれしても、22日の緊急利下げと合わせると、1982年以降では、これほど短期間では最大の利下げ幅となる。予定していた金融緩和をすぐに実施するために、FRBは前倒しの金融緩和を決めた。

しかし、最終的に、これまで考えたよりも低い水準までの利下げもFRBが意図しているかどうかは、あまりはっきりしていない。来週のFOMCでは、特にこの点が議論されるだろう。
FF金利先物市場では、今月初めの時点で、オーバーナイト物資金の銀行間金利であるFF金利の目標が、年末までに3.25%に引き下げられると予想されていた。いまでは、2.00%~2.25%まで引き下げられるとみられている。 しかし、FRB高官はおそらく、来週のFOMCでは見方を固めないだろう。 追加利下げの余地をもたせる可能性が高い。

昨年10月にはFF金利の誘導目標は4.50%だったが、FRBは利下げは打ち止めだと考えていた。 いまや経済の見通しがはるかに弱まり、利下げが求められている。FRBとしては、可能性は低いがより深刻な悪影響をもたらす可能性のある大幅なリセッション(景気後退)に落ち込む可能性に対し、保険をかけようとしている。どの程度の保険を望むかで、今回の利下げ局面の終着点が決まるだろう。つまり、経済と各市場の動向次第ということだ。


● 「WSJ-米FRBはどこまで利下げすべきなのか 」

2008年1月23日 ダウ・ジョーンズ

  ワシントン(ウォール・ストリート・ジャーナル)22日に緊急利下げを決めた米連邦準備制度理事会(FRB)の政策担当者たちが直面している主な問題のひとつは、「米経済を救済するためには、どこまで政策金利を引き下げるべきか」ということだろう。

FRBがフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.75%引き下げ3.50%としたことを受け、
1月29・30日に開かれる定例の連邦公開市場委員会(FOMC)で、FRBがさらに0.50%利下げすると市場では予想されている。追加利下げが0.75%になる可能性をもある程度みられている。

いずれしても、22日の緊急利下げと合わせると、1982年以降では、これほど短期間では最大の利下げ幅となる。予定していた金融緩和をすぐに実施するために、FRBは前倒しの金融緩和を決めた。

しかし、最終的に、これまで考えたよりも低い水準までの利下げもFRBが意図しているかどうかは、あまりはっきりしていない。来週のFOMCでは、特にこの点が議論されるだろう。
FF金利先物市場では、今月初めの時点で、オーバーナイト物資金の銀行間金利であるFF金利の目標が、年末までに3.25%に引き下げられると予想されていた。いまでは、2.00%~2.25%まで引き下げられるとみられている。 しかし、FRB高官はおそらく、来週のFOMCでは見方を固めないだろう。 追加利下げの余地をもたせる可能性が高い。

昨年10月にはFF金利の誘導目標は4.50%だったが、FRBは利下げは打ち止めだと考えていた。 いまや経済の見通しがはるかに弱まり、利下げが求められている。FRBとしては、可能性は低いがより深刻な悪影響をもたらす可能性のある大幅なリセッション(景気後退)に落ち込む可能性に対し、保険をかけようとしている。どの程度の保険を望むかで、今回の利下げ局面の終着点が決まるだろう。つまり、経済と各市場の動向次第ということだ。

 


●「アジア株大幅続落・中国銀のサブプライム損失報道を嫌気 」
日経新聞 2008年1月22日
 【香港=吉田渉】 22日のアジア主要株式相場は大幅続落。中国の上海総合指数は一時前日比5.3%下落。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題で赤字転落が伝えられた中国銀行は「重要事項が未発表」として終日売買停止となった。銀行株は軒並み大幅安。台湾の加権指数は6.3%下落する局面もあった。韓国総合指数、シンガポールST指数の下落率も3%を超えている。
 前日の欧州株急落の流れを引き継ぎ、投資家心理は冷え込んでいる。サブプライム問題が中国の銀行に波及するとの観測も、相場の重しとなっている。 (11:07)


http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJS
808585020080122

上海 2008年1月22日 ロイター
上海証券取引所は22日、上海市場に上場する 。中国銀行のA株の取引を一時停止すると発表した。「重要な事柄」について発表しなかったことが理由としている。

 上海証券取引所はウェブサイト上に掲載された声明で「中国銀行は重要な事柄に関する発表を行わなかった。従って、22日は終日同行株の取引を停止する」とした。ただ、詳細は明らかにしていない。

 アナリストによると、市場では、中国銀行が米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン) へのエクスポージャーにより巨額の損失を出す可能性があるとした報道についてコメントを発表するとみられていた。

香港市場に上場する中国銀行のH株は取引されており、0219GMT(日本時間午前11時19分)現在、5.34%安。


● (ジョージ・ソロス氏のダボス会議での爆弾発言とされるもの。副島隆彦注記。)

「世界はドルの買い増しに消極的=ジョージ・ソロス氏 」

2008年1月23日  ロイター ダボス(スイス)発

 著名投資家のジョージ・ソロス氏は23日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、世界的にドル離れが進んでいるとの認識を示した。同氏は「金融市場には保安官が必要だ。世界はドルを買い増すことに消極的だ」と発言。 「現在の危機は、ドルを国際通貨とする時代の終えんを意味する。ワシントン・コンセンサスではなく、新しい保安官が必要だ」と述べた。

 

●「 米国はすでにリセッション、金融政策は「緩衝材」-アルコアCEO 」
Alcoa's Kleinfeld Says U.S. Economy Is Already in Recession
2008年1月23日 ブルームバーグ
アルミニウムメーカー大手の米アルコアのクラウス・クラインフェルト最高経営責任者(CEO)は23日、米経済について以下の通りコメントした。スイスのダボスで開かれている世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でインタビューにドイツ語で応じた。
  「米国はすでにリセッション(景気後退)入りしている。これはどこにいても実感できる。2008年は困難な年になるだろう。米金融当局は賢明な措置を実施したが、打撃に対してクッションの役目を果たすに過ぎない。世界経済は米国からの影響を免れないだろう」 「欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は極めて思慮深く、非常によく任務を遂行している」

● 「世界は第2次大戦以後最悪の金融危機に直面=ソロス氏」
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK
808558820080122?rpc=144

ウィーン 2008年1月22日 ロイター

 著名投資家ジョージ・ソロス氏は、オーストリア国内紙とのインタビューで世界は第2次大戦以後最悪の金融危機に直面しており、 米国はリセッション(景気後退)入りする可能性があるとの見解を示した。
 ソロス氏は「状況は第2次大戦終結以後どの経済危機よりも深刻だ」と述べた。 過去数年
の政治は「市場原理主義」のようなものに起因する、 ある種の基本的な誤解によって行われてきたと指摘し、「これは間違った思想であり、 われわれは実際に現在、深刻な金融危機に直面している」と述べた。
 米国はリセッションに向かっているかとの質問には「その通り。米国には脅威となっている」と述べた。

また、リセッションは欧州にとっても脅威である点があまり理解されていないことは
意外との認識を示した。 ソロス氏はタイのバーツを暴落させ、アジア金融危機を引き起こした張本人。


● 日経新聞 2008/01/21(月)

週明け21日の東京株式市場は、ブッシュ米大統領の景気対策への
失望売りが広がった前週末の米株安などを受け反落した。

日経平均株価(225種)の終値は、1万3400円台を割り込み、
前週末比535円35銭安の1万3325円94銭と、昨年からの最安値を大幅に更新し、
2005年10月以来の低水準となった。 日経平均の下落幅は1月4日以来の大きさで、昨年からでも4番目だった。

東証株価指数(TOPIX)は同47・76ポイント低い1293・74と、05年9月以来の1300割れとなった。第1部の出来高は約21億7800万株だった。 外国為替市場での円高や、アジア市場でも株価が下落していることが 投資家心理を悪化させ、東証1部上場銘柄の9割以上が値を下げるなど、全面安の展開となった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080121-000000
35-yom-bus_all

●「アジア株大幅続落・中国銀のサブプライム損失報道を嫌気 」
日経新聞 2008年1月22日
 【香港=吉田渉】 22日のアジア主要株式相場は大幅続落。中国の上海総合指数は一時前日比5.3%下落。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題で赤字転落が伝えられた中国銀行は「重要事項が未発表」として終日売買停止となった。銀行株は軒並み大幅安。台湾の加権指数は6.3%下落する局面もあった。韓国総合指数、シンガポールST指数の下落率も3%を超えている。
 前日の欧州株急落の流れを引き継ぎ、投資家心理は冷え込んでいる。サブプライム問題が中国の銀行に波及するとの観測も、相場の重しとなっている。 (11:07)


● http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJS
808585020080122

上海 2008年1月22日 ロイター
上海証券取引所は22日、上海市場に上場する 。中国銀行のA株の取引を一時停止すると発表した。「重要な事柄」について発表しなかったことが理由としている。

 上海証券取引所はウェブサイト上に掲載された声明で「中国銀行は重要な事柄に関する発表を行わなかった。従って、22日は終日同行株の取引を停止する」とした。ただ、詳細は明らかにしていない。

 アナリストによると、市場では、中国銀行が米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン) へのエクスポージャーにより巨額の損失を出す可能性があるとした報道についてコメントを発表するとみられていた。

香港市場に上場する中国銀行のH株は取引されており、0219GMT(日本時間午前11時19分)現在、5.34%安。

 

● 「世界は第2次大戦以後最悪の金融危機に直面=ソロス氏」
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK
808558820080122?rpc=144

ウィーン 2008年1月22日 ロイター

 著名投資家ジョージ・ソロス氏は、オーストリア国内紙とのインタビューで世界は第2次大戦以後最悪の金融危機に直面しており、 米国はリセッション(景気後退)入りする可能性があるとの見解を示した。
 ソロス氏は「状況は第2次大戦終結以後どの経済危機よりも深刻だ」と述べた。 過去数年
の政治は「市場原理主義」のようなものに起因する、 ある種の基本的な誤解によって行われてきたと指摘し、「これは間違った思想であり、 われわれは実際に現在、深刻な金融危機に直面している」と述べた。
 米国はリセッションに向かっているかとの質問には「その通り。米国には脅威となっている」と述べた。

また、リセッションは欧州にとっても脅威である点があまり理解されていないことは
意外との認識を示した。 ソロス氏はタイのバーツを暴落させ、アジア金融危機を引き起こした張本人。


● 日経新聞 2008/01/21(月)

週明け21日の東京株式市場は、ブッシュ米大統領の景気対策への
失望売りが広がった前週末の米株安などを受け反落した。

日経平均株価(225種)の終値は、1万3400円台を割り込み、
前週末比535円35銭安の1万3325円94銭と、昨年からの最安値を大幅に更新し、
2005年10月以来の低水準となった。 日経平均の下落幅は1月4日以来の大きさで、昨年からでも4番目だった。

東証株価指数(TOPIX)は同47・76ポイント低い1293・74と、05年9月以来の1300割れとなった。第1部の出来高は約21億7800万株だった。 外国為替市場での円高や、アジア市場でも株価が下落していることが 投資家心理を悪化させ、東証1部上場銘柄の9割以上が値を下げるなど、全面安の展開となった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080121-000000
35-yom-bus_all

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝


「この「第2ぼやき」記事を印刷する」
「75」 「サブプラム危機から世界恐慌へ」(12)

副島隆彦です。続けて載せます。2008年1月18日、19日の記事を載せます。 副島隆彦記

(転載貼り付け始め)

●「日本でファンド融資拡大、金融機関・08年、日経調べ 」

日経新聞 2008年1月20日

http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2C1900L%2019012008&g=E3&d=20080120

 国内外の金融機関が日本で買収ファンド向けの融資を拡大させる。 日本経済新聞が実施した調査によると、2008年の計画を示した大手銀行や外国証券など 14社は合計で2兆円超の買収融資を用意、 07年実績の3倍強に増やす。欧米では信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の影響で金融機関が融資を手控えており、 大型のM&A(合併・買収)は事実上ストップ。影響が軽微な日本市場で攻勢をかける。

 調査は銀行、証券、保険、ノンバンクなど45社を対象に昨年12月から1月上旬にかけて実施。36社から回答を得た。08年の買収融資の計画を具体的に答えたみずほコーポレート銀行をはじめとする国内大手銀やゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーなど14社の数字を合わせると2兆1600億円となった。1000億―2000億円の範囲での回答が多く、 一部の外国証券は4000億―5000億円を見込む。

● 日経新聞 2008年01月20日

  欧米やアジア市場でここへ来て株価の下落が加速し、下げの大きさが際立っていた日経平均株価に並んできた。米景気が本格的に減速し始めたとの見方から世界的に経済の先行き懸念が高まったことが背景にある。

 1月 第2週時点(11日まで)の日経平均の年初来下落率は7.8%で、3―4%前後の各国指数に比べて下げが大きかった。しかし第3週時点(18日まで)ではほぼ横並び。日経平均は9.4%と依然下げ幅が大きいが、香港が9.4%、フランスやドイツも9.3%など、下げ幅が並んできている。米英も9%近い下げになった。

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080120AT2D
1900819012008.html

● 東京新聞 2008年1月19日

 【ニューヨーク=池尾伸一】信用力の低い人向け住宅ローン(サブプライムローン)問題で揺れる米国でクレジットカードローンなど一般の消費者向けのローンの延滞や焦げ付きが急増している。

 国民の貯蓄率がマイナスの米国では一般の人々はローンを借り入れて、消費を拡大してきた。それだけに、焦げ付き問題の深刻化は消費の冷え込みに直結する懸念が高い。日本や中国など輸出を通して米国の消費者への依存度が高い各国経済にも打撃を与えそうだ。

 シティグループ、J・Pモルガン・チェースなど米大手五金融機関が明らかにした10-12月期決算によると、これら金融機関は消費者向けのローンの焦げ付きや延滞の急増に伴う引当金の積み増しなどで、合計125億ドル(約1兆3000億円)の損失を計上した。クレジットカード会社のアメリカン・エキスプレスも焦げ付き急増から4億4000万ドルの損失を計上した。

 これまで米国の消費者は価格が上がり続ける住宅を担保にして、金融機関からのローンの借り入れを拡大。クレジットカードによるモノやサービスの購入も増やしてきた。しかし、住宅価格の下落により、資金繰りに行き詰まり、ローンを返済できなくなるケースが増えている。

 アメリカン・エキスプレスによると、フロリダ州やカリフォルニア州など住宅価格の下げ幅が大きい地域ほど、消費者向けのローンの焦げ付き発生率も高い。

 また、サブプライムローン関連商品に投資した各金融機関は巨額損失の痛手を被っており、一般の消費者からのローンの申し込みに応じられなくなっている。これも消費者の資金繰りが行き詰まる大きな要因。焦げ付き拡大から銀行などがさらに消費者へのローンを絞れば事態はさらに悪化することになる。

 百貨店のメーシーズの12月の売り上げが前年同月比7・9%減となるなど消費の減速は鮮明になっており、消費者向けローンの焦げ付き問題は米経済の大きな足かせとなりそうだ。


http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/
CK2008011902080609.html


●  「サブプライム問題は第2段階へ 」
2008/01/19(土)

 シティグループ181億ドル、メリルリンチ約160億ドル──と米大手銀行の巨額評価損計上が相次いだが、 サブプライム問題は米金融機関の損失というステージから次の段階に移行しようとしている。

 17日の米国株価下落の大きな要因となったのがモノライン(米金融保証会社)への不安の強まりだった。 ムーディーズ・インベスターズ・サービスが同社の格付けを引き下げ方向で見直すとしたことで、MBIAは31.2%の大幅安、アンバック・フィナンシャル・グループは51.9%の急落となった。

 債務担保証券(CDO)などモノラインが有する資産が劣化していることが背景だ。  三菱UFJ証券・投資情報部長の藤戸則弘氏は「モノラインの保証が付くと債券がワンノッチ上がるが、 モノラインが経営危機を迎えれば、その保証自体に影響が出る。

 米モノライン大手7社で2.4兆ドル分の債券に対する保証を行っているといわれており波及の度合いは大きい」と述べ、クレジットクランチの危機が迫っていると警鐘を鳴らす。

● 注目は、やはり米国だ。中でも「モノライン(金融保証)大手のアムバック、MBIAの救済策が当面の焦点」とカブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストは言う。

 サブプライムローン(信用力が低い個人向け住宅融資)問題を契機にした証券化商品市場の混乱が続く中、モノラインに対する市場の見方は厳しさを増している。 株価は下落を続け、格付け会社はアムバック、MBIAの格付けを引き下げる方向で動いている。

「モノラインが破綻すれば、あらゆる証券化商品が巻き込まれる。カードローンや国債などの債権にまで影響が及ぶ可能性がある」と山田氏は警鐘を鳴らす。

http://www.toyokeizai.net/online/toushi/shiki/?kiji_no=428

【東京株式動向】日経平均は1万3500円で底値固めるか?結局は”米国頼み”


● 米格付け大手フィッチ・レーティングスは18日、「モノライン」と呼ばれる金融保証会社大手、アムバック・フィナンシャル・グループの格付けを引き下げたと発表した。アムバックが同日、予定していた資本増強策を撤回したため。

 アムバックの保証を利用して高格付けを得ていた約5000の債券や証券化商品が連動して格下げされる見通しで、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に端を発した米金融市場の混乱に拍車がかかる可能性がある。

 フィッチは実際に保証業務を手掛けるアムバック・アシュアランス・コープなど3社を従来のトリプルAからダブルAに、親会社のアムバック本体をダブルAからシングルAに引き下げた。同時にこれら4社の格付けについて将来的な格下げの可能性も示した。

 金融保証会社は証券化商品などの発行主体から保証料を受け取り、債務不履行(デフォルト)が生じた場合に予定通り元利払いをする。


● 2008/01/20(日)

 「アムバック保険部門財務格付け、「AAA」から2段階下げ-フィッチ 」
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003
017&refer=jp_news_index&sid=atD2unAhZ1Sc

 アムバックが「AAA」の格付けなしでは社債を最高位で保証できなくなる、あるいは保証事業の停止を余儀なくされる、もしくは身売りを迫られる可能性がある

「AAA」の格付けを取得する金融保証会社7社は総額2兆4000億ドルの債券を保証している。ブルームバーグのデータによると、金融保証会社が最高格付けを失った場合、債務者や投資家に
最大2000億ドルの損失をもたらす可能性がある。

 金融保証業界は全体で1000億ドルのサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン証券関連債務担保証券(CDO)を保証。プライム以外の自動車ローンを220億ドル、地方債1兆2000億ドルも保証している。米MBIA、ベアーSなど:最悪期はまだ終わらず-CDS取引が示唆。

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003
001&sid=a9YXdoBr.xkE&refer=jp_commentary


● 「米アンバック・アシュアランスをAAAからAAに格下げ=フィッチ」
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT
810761320080118

「1850億ドル相当のCDOを格下げする可能性=ムーディーズ」
http://jp.reuters.com/article/businessNews/id
JPJAPAN-29834620080118

金融保証会社(モノライン)の格付け下落により、保証先債権の格付けも低下銀行などが保有する債権全般に膨大な評価損が生まれる可能性が出てきました。(モノライン全社の保証総額2.4兆ドル 2600兆円程度)仮に 5%でも130兆円の資産が失われることになる。


● 「資本市場の新しい大問題 」

2008年1月19日

 アメリカの金融保証業界は民間および公的部門が発行する2兆4000億ドルにもおよぶ債権を裏書しているが、普段は目立たない業務を行っている。

 しかし、今この業界は大きく揺らいでおり、俄然注目を集めだした。もしそのうちの1社でも2社でも破綻するようなことになれば、 その保証に寄りかかっている銀行その他の金融機関にとってはとてつもない打撃となるであろう。そして信用危機はさらに悪化し、ただでさえ景気の急減速に手を焼いている政策当局にとって、さらなる頭痛の種になることだろう。

  金融がドミノ倒しになる危機が重くのしかかっている。格付け機関のムーディーズは、金融保証の大手であるMBIAとアンバックのAAAの格付けを近い将来引き下げる意向を示した。1月18日(金)には、アンバックは格付け維持のための10億ドルの資本増強計画を断念したと発表し、さらなる格下げのおそれさえ出てきた。別の格付け機関であるフィッチはこれを受けてアンバックの格下げを行った。

MBIA はつい最近、投資会社ウォーバーグ・ピンカスの出資を受けて、それまでの10億ドルに加え新たな10億ドルの増資を何とか実現したが、それでも今のAAAの格付けを守るためにはさらなる資金が必要となるであろう。別の債権保証会社であるACAはさらにひどい苦境にある。

12月に シングルAの格付けを「ジャンク」レベルに引き下げられたのである。ACAは取引先に対し、問題解決のための時間の猶予を求めたが、金曜日の時点でも再建計画を提出するに至っていない。ACAが法人登記されているメリーランド州の保険監査当局はすでに行政責任を一部認めている。

  金融保証業界というのは要するに、自分たちの高い格付けを信用度の低い債権に「貸す」ことによって投資家から見た価値を上げているわけである。 そこで自らの格付けが少しでも下がるようなことがあれば、新たな案件を引き受けることはできなくなり、すでに保証している証券の価値も減損する。

今やすっかり毀損してしまった悪名高いCDOを含む、何10億ドル分もの資産担保証券を保証してしまっているこの業界の格付けが引き下げられるのは、もはや既定路線である。

 アンバックは水曜日、CEOの解任ならびに35億ドルの評価損の計上を発表したが、そのうち11億ドルはCDOがらみである。 金融保証業界が手を染めたこれら魅惑の金融商品は、脆弱な自己資本の何倍もの額になる。そして業界が現実に支払いを 行わなければならなくなる可能性は景気減速により高まっている。今週、この業界の株価が急落したのも無理からぬことである。

 業界はもはや高格付けに値しないと市場に見限られ、負の連鎖を生みつつある。アンバックは株価の下落によって外部からの資本増強の道がほとんど絶たれてしまった。 金融保証業界の危機が他に飛び火する兆候もすでに見られる。木曜日にはメリルリンチが、ACAその他による債権保証を得ていた

31億ドルの債権を損失計上している。他の銀行もACAの保証能力に対する疑念から損失計上を行っている。 銀行が金融保証会社と付き合う上で直面する「パートナーリスク」の全貌は今になってようやく見え始めたところである。

JPモルガン・チェースの親玉、ジェーミー・ダイモンは、金融保証業界の危機が債権市場にもたらすものは「テラヤバス」だと言っている。 もしもアンバックやMBIAのような大手金融保証会社が"take a tumble"する(倒れる、急落する)ようなことがあっても、 それは控えめな方の意味("take a tumble"=自分の置かれた状況を急に悟る)として受け取られることであろう。

● 「米景気対策:市場に失望感…次の景気対策は」

毎日新聞 2008年1月19日

【ワシントン斉藤信宏】  ブッシュ米大統領は18日、総額1400億~1500億ドル(約15兆~16兆円)にも及ぶ大規模な緊急経済対策を発表したが、ダウ工業株30種平均は一時、前日終値比136.73ドル下落し1万2000ドル割れ寸前まで値を下げるなど、 政府の期待に反して市場には失望感が広がった。

政府が計画している「戻し税方式」の減税は、一時的には景気浮揚効果があるが、「長続きするかどうかは未知数」(市場関係者)との指摘もあり、景気後退への不安がなお市場を覆い続けている。

低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)の焦げ付き問題解決のための抜本策とも言えず、むしろ昨年12月に出された借り手救済策に近い「時間稼ぎ」との見方さえ出ている。

市場関係者の間では「ここまで景気後退の可能性が高まると、後退を回避するためには少なくとも2500億ドル(約25兆)規模の財政出動が必要になる」 (メリルリンチのデービッド・ローゼンバーグ氏)といった観測も浮上するなど、 市場では早くも対策の増額を求める声が出ている。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長も、講演や議会証言の中で「経済の先行き見通しは一段と悪化している」 と繰り返し危機感を表明し、大幅な追加利下げを示唆している。にもかかわらず、既に口先介入だけで株式市場の勢いは戻らなくなっている。

昨年夏の金融危機以来、「遅すぎ、少なすぎ」と市場から酷評されてきた米政府とFRBが、今月末の一般教書演説と連邦公開市場委員会(FOMC)でどのような策を打ち出すのか。 早くも市場の関心は、次に出てくる景気対策に向かっている。


● 「債券保証業社 等級下向きが恐ろしい理由」

マネートゥデー | 記事  2008-01-19
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LS2D&mid=sec&sid1=101&sid2=258
&oid=008&aid=0000877558

[マネートゥデーキム・ギョンファン記者]   銀行は去年発生した信用梗塞事態でリボ金利が聳えるなど短期 資金調逹に大変だった。

しかし、2008年に入り銀行は一般水準の金利のみを賦課してお互いに貸し出しを増やし始めた。 これによって短期金融市場の圧力は減っているという嬉しい消息が聞こえた。

それでも安心する状況では絶対にない。 信用梗塞フポックプングで脆弱になった金融基盤が一歩遅れて問題に浮び上がっているからだ。 最近金融状況の中一番注目しなければならない点は信用梗塞フポックプング影響で信用等級下向き危機に処したアムバックとMBIAなど債券保証業社たちだ。

国際信用坪沙であるフィッチは18日(現地時間)アムバックの信用等級を"AAA"から"AA"に下向き調整した。 債券保証業社の信用等級が下向き調整されたことは今度が初めてだ。

債券保証業社が最高信用等級を受けることができない場合これらが保証した債券の価値は急落するようになってなおさら信用梗塞で萎縮している債券市場にもっと衝撃を与えるようになる。 また他の債券保証業社であるMBIAも信用等級下向き圧力を受けている。債券保証業社たちの信用等級ズルハヒャング調整はまた他の危機を懐任する序開きだ。

まず短期的にこれらが保証した債券を保有している銀行と債券投資者たちはもっと大きい信用損失を被るようになる。そして長期的に債券関連業務が麻痺してこういうわけでアメリカとヨーロッパ経済圏の資金調逹費用はもっと増えるようになる。


● 「DJ-米政府の景気刺激策、手遅れの可能性も 」

 2008年1月18日 ダウ・ジョーンズ

 ブッシュ大統領は17日に、卓越した経済政策担当者である バーナンキFRB議長の承認を得るとすぐに救済計画の公表に踏み切った こうした財政刺激策が「時宜を得て」おり、「早急かつ断固として」 実施される限りにおいては承認するとバーナンキ議長は語っていた。

一方、ブッシュ大統領は18日、この救済計画を「直接的」かつ「迅速な」ものとし、「できる限り速やかに」成立させたい意向を表明した。 バーナンキ議長が17日に指摘したように、こうした計画において 迅速さを求めることは疑うまでもなく重要だ。

 連邦議会が時間を浪費するようだと、税還付の小切手は、2008年を通して続くとみられている弱い経済成長のてこ入れに間に合うようにはどうも届かない可能性がある。それはまた、景気循環が好転してから 消費者の郵便受けに小切手が届く可能性をも示唆している。 そうなればまた、全く別の問題が浮上することになる。

  しかし、バーナンキ議長とブッシュ大統領が揃って 迅速さを強く求めていることは、両氏が最近の歴史を振り返り、経済混乱への対応が遅すぎると見なされないことを確かめていることをも示している。 2001年に同様の景気低迷が起きた際、当時FRB議長を務めていたグリーンスパン前議長は、 議会による救済計画への着手を進める前に、より多くの経済指標を確認したいと語った。

  しかし、前議長は数日後に主張をがらりと変え、 議員らに対し大規模な景気刺激策が早急に必要であるとの見方を示した。 この景気刺激策は最終的には成立したものの、実際はその年にリセッション入りしたという点では失敗に終わった。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は17日、ブッシュ大統領の景気刺激策を支持する発言を行ったが、 このことはまったく意外ではない。 要するに、経済成長を維持するためFRBが持っている、 利下げと短期資金市場への流動性供給という主な道具はうまく機能していないのである。

 数回にわたる流動性供給の入札を含め、これまでFRBが実行した政策は、「信用の質や評価に対する根本的な懸念を払しょくできず、 また、金融機関のバランスシートに対する圧力も緩和できなかった。このため、金融政策だけでは経済全体に影響を及ぼす金融市場の緊張を解消できない」とバーナンキ議長は認めている。

 「財政政策、金融政策のどちらであれ、経済が現在支援を必要としているのは確かだ」とエコノミック・サイクル・リサーチ・インスティテュートのマネジング・ディレクター、ラクシュマン・アチュサン氏は指摘している。

 「景気後退(リセッション)につながる自律的な景気減速が始まっており、これを食い止めるため(例えばこの景気刺激策のような)何らかの方策が実行されなければ、 リセッションに陥ることになる。負のスパイラルはまだ大きな勢いを得ていないため、(今回のような)政策を迅速に実施することで回避することは可能だ」という。

 また、この政策は基本的に「金融システムを正常化させるための道具を資金市場に投入する」ことを求めているとアチュサン氏は指摘し、「この計画が成功する可能性はあるが、そのためには、減税の支払い書類を今後数週間に送付開始しなければならない」と付け加えた。

 これは政府にとって無理難題だろう。今回と似たような政策が実施された2001年当時でさえ書類発行には10週間を要しており、議会予算局(CBO)は今回もほぼ同程度の時間を要すると推定している。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝


「この「第2ぼやき」記事を印刷する」
「74」 サブプライム危機から世界恐慌へ(11) 「1月21日22日の欧米大崩れ」の直前までの記事を載せます。2008.2.14

副島隆彦です。今日は、2008年2月14日です。
「いよいよ大恐慌突入」の記事の、私が集めているものを続けて、載せ続けます。1月12日ぐらいから20日までに起こったことです。これらもあとあと「時代の証言」となるでしょう。

 以下に載せる記事の一本目の、「米住宅金融副社長が心中20008年1月19日)」を、私は、「世界大恐慌に突入の合図だ」と思いました。

 このあと2月21日から、新たに雲行きがおかしくなって、世界同時株安となった。 「シティが日本時間15日(2008年1月15日)夜に発表した2007年第4四半期(10-12月)決算によると、証券化商品の評価損181億ドルを含めてサブプライム関連の損失が総額222億ドル発生」という記事が出ていた。シティグループ(シティバンク)の損失金は、2007年の年間で300億ドル(3・1兆円)を越した。

以下に載せるのは、1月21日、22日の株式の世界同時暴落の直前までの記事である。 副島隆彦記

(転載貼り付け始め)

● 「米住宅金融副社長が心中」

ニューヨーク 2008年1月20日 共同

 サブプライム住宅ローン問題で倒産に追い込まれた米メリーランド州の住宅金融会社の副社長(59)が妻を殺した後に自殺した。 AP通信が19日、報じた。捜査当局は夫婦関係の問題が動機で倒産による心中を否定している。

 副社長の会社は住宅を抵当に住宅ローンを組む金融会社で06年には貸付額約55億ドル(約5900億円)の業績だったがサブプライム問題で破たんした。

http://newsflash.nifty.com/news/ta/ta__kyodo_
2008012001000162.htm


●「日本でファンド融資拡大、金融機関・08年、日経調べ 」

日経新聞 2008年1月20日

http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=
AT2C1900L%2019012008&g=E3&d=20080120

国内外の金融機関が日本で買収ファンド向けの融資を拡大させる。
日本経済新聞が実施した調査によると、2008年の計画を示した大手銀行や外国証券など 14社は合計で2兆円超の買収融資を用意、 07年実績の3倍強に増やす。欧米では信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の影響で金融機関が融資を手控えており、
大型のM&A(合併・買収)は事実上ストップ。影響が軽微な日本市場で攻勢をかける。

 調査は銀行、証券、保険、ノンバンクなど45社を対象に昨年12月から1月上旬にかけて実施。36社から回答を得た。 2008年の買収融資の計画を具体的に答えたみずほコーポレート銀行をはじめとする国内大手銀やゴールドマン・サックス、 モルガン・スタンレーなど14社の数字を合わせると2兆1600億円となった。1000億―2000億円の範囲での回答が多く、 一部の外国証券は4000億―5000億円を見込む。

● 日経新聞 2008年01月20日

  欧米やアジア市場でここへ来て株価の下落が加速し、下げの大きさが際立っていた日経平均株価に並んできた。米景気が本格的に減速し始めたとの見方から世界的に 経済の先行き懸念が高まったことが背景にある。

 1月 第2週時点(11日まで)の日経平均の年初来下落率は7.8%で、3―4%前後の各国指数に比べて下げが大きかった。しかし第3週時点(18日まで)ではほぼ横並び。日経平均は9.4%と依然下げ幅が大きいが、香港が9.4%、フランスやドイツも9.3%など、
下げ幅が並んできている。米英も9%近い下げになった。

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080120AT2D
1900819012008.html

● 東京新聞 2008年1月19日

【ニューヨーク=池尾伸一】信用力の低い人向け住宅ローン(サブプライムローン)問題で 揺れる米国でクレジットカードローンなど一般の消費者向けのローンの延滞や焦げ付きが 急増している。国民の貯蓄率がマイナスの米国では一般の人々はローンを借り入れて、消費を拡大してきた。

 それだけに、焦げ付き問題の深刻化は消費の冷え込みに直結する懸念が高い。日本や中国など輸出を通して米国の消費者への依存度が高い各国経済にも 打撃を与えそうだ。

 シティグループ、J・Pモルガン・チェースなど米大手五金融機関が明らかにした10-12月期 決算によると、これら金融機関は消費者向けのローンの焦げ付きや延滞の急増に伴う引当金の積み増しなどで、合計125億ドル(約1兆3000億円)の損失を計上した。クレジットカード会社のアメリカン・エキスプレスも焦げ付き急増から4億4000万ドルの損失を計上した。

 これまで米国の消費者は価格が上がり続ける住宅を担保にして、金融機関からのローンの借り入れを拡大。クレジットカードによるモノやサービスの購入も増やしてきた。しかし、住宅価格の下落により、資金繰りに行き詰まり、ローンを返済できなくなるケースが増えている。

 アメリカン・エキスプレスによると、フロリダ州やカリフォルニア州など住宅価格の下げ幅が大きい地域ほど、消費者向けのローンの焦げ付き発生率も高い。

 また、サブプライムローン関連商品に投資した各金融機関は巨額損失の痛手を被っており、一般の消費者からのローンの申し込みに応じられなくなっている。これも消費者の資金繰りが行き詰まる大きな要因。焦げ付き拡大から銀行などがさらに消費者へのローンを絞れば事態はさらに悪化することになる。

 百貨店のメーシーズの12月の売り上げが前年同月比7・9%減となるなど消費の減速は鮮明になっており、消費者向けローンの焦げ付き問題は米経済の大きな足かせとなりそうだ。


http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/
CK2008011902080609.html


●  「サブプライム問題は第2段階へ 」

2008年1月19日(土)

 シティグループ181億ドル、メリルリンチ約160億ドル──と米大手銀行の巨額評価損計上が相次いだが、 サブプライム問題は米金融機関の損失というステージから次の段階に移行しようとしている。

 17日の米国株価下落の大きな要因となったのがモノライン(米金融保証会社)への不安の強まりだった。 ムーディーズ・インベスターズ・サービスが同社の格付けを引き下げ方向で見直すとしたことで、
MBIAは31.2%の大幅安、アンバック・フィナンシャル・グループは51.9%の急落となった。

 債務担保証券(CDO)などモノラインが有する資産が劣化していることが背景だ。  三菱UFJ証券・投資情報部長の藤戸則弘氏は「モノラインの保証が付くと債券がワンノッチ上がるが、 モノラインが経営危機を迎えれば、その保証自体に影響が出る。

 米モノライン大手7社で2.4兆ドル分の債券に対する保証を行っているといわれており波及の度合いは大きい」と述べ、クレジットクランチの危機が迫っていると警鐘を鳴らす。

● 注目は、やはり米国だ。中でも「モノライン(金融保証)大手のアムバック、MBIAの救済策が当面の焦点」とカブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストは言う。

 サブプライムローン(信用力が低い個人向け住宅融資)問題を契機にした証券化商品市場の混乱が続く中、モノラインに対する市場の見方は厳しさを増している。 株価は下落を続け、格付け会社はアムバック、MBIAの格付けを引き下げる方向で動いている。

「モノラインが破綻すれば、あらゆる証券化商品が巻き込まれる。カードローンや国債などの
債権にまで影響が及ぶ可能性がある」と山田氏は警鐘を鳴らす。
http://www.toyokeizai.net/online/toushi/shiki/?kiji_no
=428

【東京株式動向】日経平均は1万3500円で底値固めるか?結局は”米国頼み”

● 米格付け大手フィッチ・レーティングスは18日、「モノライン」と呼ばれる金融保証会社大手、アムバック・フィナンシャル・グループの格付けを引き下げたと発表した。アムバックが同日、予定していた資本増強策を撤回したため。

 アムバックの保証を利用して高格付けを得ていた約5000の債券や証券化商品が連動して格下げされる見通しで、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に端を発した米金融市場の混乱に拍車がかかる可能性がある。

 フィッチは実際に保証業務を手掛けるアムバック・アシュアランス・コープなど3社を従来のトリプルAからダブルAに、親会社のアムバック本体をダブルAからシングルAに引き下げた。同時にこれら4社の格付けについて将来的な格下げの可能性も示した。

金融保証会社は証券化商品などの発行主体から保証料を受け取り、債務不履行(デフォルト)が生じた場合に予定通り元利払いをする。


●「アムバック保険部門財務格付け、「AAA」から2段階下げ-フィッチ」
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017
&refer=jp_news_index&sid=atD2unAhZ1Sc

2008年1月20日 ブルーンバーグ

 アムバックが「AAA」の格付けなしでは社債を最高位で保証できなくなる、あるいは 保証事業の停止を余儀なくされる、もしくは身売りを迫られる可能性がある

「AAA」の格付けを取得する金融保証会社7社は総額2兆4000億ドルの債券を保証している。ブルームバーグのデータによると、金融保証会社が最高格付けを失った場合、債務者や投資家に
最大2000億ドルの損失をもたらす可能性がある。

 金融保証業界は全体で1000億ドルのサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン証券関連債務担保証券(CDO)を保証。 プライム以外の自動車ローンを220億ドル、地方債1兆2000億ドルも保証している。米MBIA、ベアーSなど:最悪期はまだ終わらず-CDS取引が示唆。

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003001
&sid=a9YXdoBr.xkE&refer=jp_commentary


● 「米アンバック・アシュアランスをAAAからAAに格下げ=フィッチ」

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT
810761320080118

1850億ドル相当のCDOを格下げする可能性=ムーディーズ

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN
-29834620080118

金融保証会社(モノライン)の格付け下落により、保証先債権の格付けも低下銀行などが保有する債権全般に膨大な評価損が生まれる可能性が出てきました。(モノライン全社の保証総額2.4兆ドル 2600兆円程度)仮に 5%でも130兆円の資産が失われることになる。


● 「資本市場の新しい大問題 」

2008年1月19日

 アメリカの金融保証業界は民間および公的部門が発行する2兆4000億ドルにもおよぶ債権を裏書しているが、普段は目立たない業務を行っている。

 しかし、今この業界は大きく揺らいでおり、俄然注目を集めだした。もしそのうちの1社でも2社でも破綻するようなことになれば、 その保証に寄りかかっている銀行その他の金融機関にとってはとてつもない打撃となるであろう。そして信用危機はさらに悪化し、ただでさえ景気の急減速に手を焼いている政策当局にとって、さらなる頭痛の種になることだろう。

  金融がドミノ倒しになる危機が重くのしかかっている。格付け機関のムーディーズは、金融保証の大手であるMBIAとアンバックのAAAの格付けを近い将来引き下げる意向を示した。1月18日(金)には、アンバックは格付け維持のための10億ドルの資本増強計画を断念したと発表し、さらなる格下げのおそれさえ出てきた。別の格付け機関であるフィッチはこれを受けてアンバックの格下げを行った。

 MBIA はつい最近、投資会社ウォーバーグ・ピンカスの出資を受けて、それまでの10億ドルに加え新たな10億ドルの増資を何とか実現したが、それでも今のAAAの格付けを守るためにはさらなる資金が必要となるであろう。別の債権保証会社であるACAはさらにひどい苦境にある。

 12月に シングルAの格付けを「ジャンク」レベルに引き下げられたのである。ACAは取引先に対し、問題解決のための時間の猶予を求めたが、金曜日の時点でも再建計画を提出するに至っていない。ACAが法人登記されているメリーランド州の保険監査当局はすでに行政責任を一部認めている。

 金融保証業界というのは要するに、自分たちの高い格付けを信用度の低い債権に「貸す」ことによって投資家から見た価値を上げているわけである。 そこで自らの格付けが少しでも下がるようなことがあれば、新たな案件を引き受けることはできなくなり、すでに保証している証券の価値も減損する。

 今やすっかり毀損してしまった悪名高いCDOを含む、何10億ドル分もの資産担保証券を保証してしまっているこの業界の格付けが引き下げられるのは、もはや既定路線である。

 アンバックは水曜日、CEOの解任ならびに35億ドルの評価損の計上を発表したが、そのうち11億ドルはCDOがらみである。 金融保証業界が手を染めたこれら魅惑の金融商品は、脆弱な自己資本の何倍もの額になる。そして業界が現実に支払いを 行わなければならなくなる可能性は景気減速により高まっている。今週、この業界の株価が急落したのも無理からぬことである。

 業界はもはや高格付けに値しないと市場に見限られ、負の連鎖を生みつつある。アンバックは株価の下落によって外部からの資本増強の道がほとんど絶たれてしまった。 金融保証業界の危機が他に飛び火する兆候もすでに見られる。木曜日にはメリルリンチが、ACAその他による債権保証を得ていた

 31億ドルの債権を損失計上している。他の銀行もACAの保証能力に対する疑念から損失計上を行っている。 銀行が金融保証会社と付き合う上で直面する「パートナーリスク」の全貌は今になってようやく見え始めたところである。

 JPモルガン・チェースの親玉、ジェーミー・ダイモンは、金融保証業界の危機が債権市場にもたらすものは「テラヤバス」だと言っている。 もしもアンバックやMBIAのような大手金融保証会社が"take a tumble"する(倒れる、急落する)ようなことがあっても、 それは控えめな方の意味("take a tumble"=自分の置かれた状況を急に悟る)として受け取られることであろう。


● 「米景気対策:市場に失望感…次の景気対策は」

 毎日新聞 2008年1月19日

【ワシントン斉藤信宏】  ブッシュ米大統領は18日、総額1400億~1500億ドル(約15兆~16兆円)にも及ぶ大規模な緊急経済対策を発表したが、ダウ工業株30種平均は一時、前日終値比136.73ドル下落し1万2000ドル割れ寸前まで値を下げるなど、 政府の期待に反して市場には失望感が広がった。

 政府が計画している「戻し税方式」の減税は、一時的には景気浮揚効果があるが、「長続きするかどうかは未知数」(市場関係者)との指摘もあり、景気後退への不安がなお市場を覆い続けている。

 低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)の焦げ付き問題解決のための抜本策とも言えず、むしろ昨年12月に出された借り手救済策に近い「時間稼ぎ」との見方さえ出ている。

 市場関係者の間では「ここまで景気後退の可能性が高まると、後退を回避するためには少なくとも2500億ドル(約25兆)規模の財政出動が必要になる」 (メリルリンチのデービッド・ローゼンバーグ氏)といった観測も浮上するなど、 市場では早くも対策の増額を求める声が出ている。

 米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長も、講演や議会証言の中で「経済の先行き見通しは一段と悪化している」 と繰り返し危機感を表明し、大幅な追加利下げを示唆している。にもかかわらず、既に口先介入だけで株式市場の勢いは戻らなくなっている。

 昨年夏の金融危機以来、「遅すぎ、少なすぎ」と市場から酷評されてきた米政府とFRBが、今月末の一般教書演説と連邦公開市場委員会(FOMC)でどのような策を打ち出すのか。 早くも市場の関心は、次に出てくる景気対策に向かっている。


● 「債券保証業社 格付け下向きが恐ろしい理由」

マネートゥデー | 記事  2008-01-19
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LS2D&
mid=sec&sid1=101&sid2=258&oid
=008&aid=0000877558

[マネートゥデーキム・ギョンファン記者]   銀行は去年発生した信用梗塞事態でリボ金利が聳えるなど短期 資金調逹に大変だった。

 しかし、2008年に入り銀行は一般水準の金利のみを賦課してお互いに貸し出しを増やし始めた。 これによって短期金融市場の圧力は減っているという嬉しい消息が聞こえた。それでも安心する状況では絶対にない。 信用梗塞フポックプングで脆弱になった金融基盤が一歩遅れて問題に浮び上がっているからだ。 最近金融状況の中一番注目しなければならない点は信用梗塞フポックプング影響で信用等級下向き危機に処したアムバックとMBIAなど債券保証業社たちだ。

 国際信用坪沙であるフィッチは18日(現地時間)アムバックの信用等級を"AAA"から"AA"に下向き調整した。 債券保証業社の信用等級が下向き調整されたことは今度が初めてだ。債券保証業社が最高信用等級を受けることができない場合これらが保証した債券の価値は急落するようになってなおさら信用梗塞で萎縮している債券市場にもっと衝撃を与えるようになる。

  また他の債券保証業社であるMBIAも信用等級下向き圧力を受けている。債券保証業社たちの信用等級ズルハヒャング調整はまた他の危機を懐任する序開きだ。まず短期的にこれらが保証した債券を保有している銀行と債券投資者たちはもっと大きい信用損失を被るようになる。そして長期的に債券関連業務が麻痺してこういうわけでアメリカとヨーロッパ経済圏の資金調逹費用はもっと増えるようになる。


● 「DJ-米政府の景気刺激策、手遅れの可能性も 」

 2008年1月18日 ダウ・ジョーンズ

  ブッシュ大統領は17日に、卓越した経済政策担当者である バーナンキFRB議長の承認を得るとすぐに救済計画の公表に踏み切った こうした財政刺激策が「時宜を得て」おり、「早急かつ断固として」 実施される限りにおいては承認するとバーナンキ議長は語っていた。

一方、ブッシュ大統領は18日、この救済計画を「直接的」かつ「迅速な」ものとし、「できる限り速やかに」成立させたい意向を表明した。 バーナンキ議長が17日に指摘したように、こうした計画において 迅速さを求めることは疑うまでもなく重要だ。

 連邦議会が時間を浪費するようだと、税還付の小切手は、2008年を通して続くとみられている弱い経済成長のてこ入れに間に合うようにはどうも届かない可能性がある。それはまた、景気循環が好転してから 消費者の郵便受けに小切手が届く可能性をも示唆している。 そうなればまた、全く別の問題が浮上することになる。

 しかし、バーナンキ議長とブッシュ大統領が揃って 迅速さを強く求めていることは、両氏が最近の歴史を振り返り、経済混乱への対応が遅すぎると見なされないことを確かめていることをも示している。 2001年に同様の景気低迷が起きた際、当時FRB議長を務めていたグリーンスパン前議長は、 議会による救済計画への着手を進める前に、より多くの経済指標を確認したいと語った。

 しかし、前議長は数日後に主張をがらりと変え、 議員らに対し大規模な景気刺激策が早急に必要であるとの見方を示した。 この景気刺激策は最終的には成立したものの、実際はその年にリセッション入りしたという点では失敗に終わった。

 米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は17日、ブッシュ大統領の景気刺激策を支持する発言を行ったが、 このことはまったく意外ではない。 要するに、経済成長を維持するためFRBが持っている、 利下げと短期資金市場への流動性供給という主な道具はうまく機能していないのである。

 数回にわたる流動性供給の入札を含め、これまでFRBが実行した政策は、「信用の質や評価に対する根本的な懸念を払しょくできず、 また、金融機関のバランスシートに対する圧力も緩和できなかった。このため、金融政策だけでは経済全体に影響を及ぼす金融市場の緊張を解消できない」とバーナンキ議長は認めている。

「財政政策、金融政策のどちらであれ、経済が現在支援を必要としているのは確かだ」とエコノミック・サイクル・リサーチ・インスティテュートのマネジング・ディレクター、ラクシュマン・アチュサン氏は指摘している。「景気後退(リセッション)につながる自律的な景気減速が始まっており、これを食い止めるため(例えばこの景気刺激策のような)何らかの方策が実行されなければ、 リセッションに陥ることになる。負のスパイラルはまだ大きな勢いを得ていないため、(今回のような)政策を迅速に実施することで回避することは可能だ」という。

 また、この政策は基本的に「金融システムを正常化させるための道具を資金市場に投入する」ことを求めているとアチュサン氏は指摘し、「この計画が成功する可能性はあるが、そのためには、減税の支払い書類を今後数週間に送付開始しなければならない」と付け加えた。

 これは政府にとって無理難題だろう。今回と似たような政策が実施された2001年当時でさえ書類発行には10週間を要しており、議会予算局(CBO)は今回もほぼ同程度の時間を要すると推定している。

●(副島隆彦注記。 サブプライム危機を、一服させた、昨年11月には、以下のような記事が出ていた。それを、2008年の1月初め(3日)から始まった、NYの大下落相場が、襲った。

 そして、サブプライム危機の再燃が、言われて、シティの9-12月期の損失、2.5兆円(235億ドル)の発表が、1月14日にあって、それで、世界中が、連日暴落となった。インドもひどいようだ。ブラジルもひどい。今度は、中国(香港も)も下げている。

 日経平均は、1月22日で、13000円を割って、12000円台に突入したようだ。NYも、12000ドルを割るだろう。 副島隆彦注記。2008年1月22日記)


● (今度の1月3日からの世界同時株崩れは、シティグループ発のサブプライム損失の発表を控えてのものだと思われていた。1月15日にシティが発表した。 「シティが日本時間15日夜に発表した2007年第4四半期(10-12月)決算によると、証券化商品の評価損181億ドルを含めてサブプライム関連の損失が総額222億ドル発生」というものだった。

 しかし、真実はもっとちがって、1月21日に発覚して明るみに出た、フランスのソシエテ・ジェネラルの71億ドル(7600億円)の損失を出した不正取引事件だった。この金融不祥事は、18日には、まずインサイダー情報と前兆で内部ではすでに知れ渡っており、予(あらかじ)め知っていた市場関係者たちが、自分たちだけ、先に売って逃げたのだ。副島隆彦注記)

「シティ直撃世界同時株安…東証も一時472円安 ―“ウミ”出し切れず経済は悪化の一途 」

2008年1月16日

写真:この日も下げ止まらなかった東京株式市場。冬の寒さが身にしみる…=16日午前9時34分、東京・丸の内

 低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローン問題の直撃を受け、222億ドル(約2兆3800億円)の巨額損失を計上した米金融最大手、シティグループ。市場には「今後も新たな損失が出てくる可能性がある」との不安感が強く、15日の欧米の株式市場は暴落し、16日の東京とアジア各国の市場も世界同時株安の“渦”に飲み込まれた。

 サブプライム問題に加えて、株安、円高、政局混迷という「3つの不安」を抱える日本経済は一段と深刻の度合いを増しそうだ。シティが日本時間15日夜に発表した2007年第4四半期(10-12月)決算によると、証券化商品の評価損181億ドルを含めてサブプライム関連の損失が総額222億ドル発生。

 最終損益は98億3300万ドル(約1兆500億円)の 巨額赤字に転落した。 7-9月期にも65億ドルのサブプライム関連損失を計上しており、07年下期の損失は計300億ドル近くに達した。

● 2008年1月12日 ・・・・・紙

 損害保険ジャパンは11日、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)関連で340億円の損失が発生したと発表した。サブプライム関連では、あいおい損害保険が252億円の損失を計上しており、損保業界で影響が広がってきた。

2008年3月期の連結業績予想も下方修正。経常利益は昨年11月時点の1000億円から800億円に、純利益は同630億円から500億円にそれぞれ修正した。

損保ジャパンは、サブプライムローンを組み込んだ債券の1つである債務担保証券(CDO)に対し保険の形で元利払いを保証している。CDOの利払いが滞ると損保ジャパンが保険金を支払う仕組み。保証対象の債券の総額は2400億円。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝


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「73」 「副島隆彦の国家戦略論の背景」という、私の過去の文章の一部をまとめたものがありましたので、ここに載せます。2008.2.11
副島隆彦です。今日は、2008年2月11日です。

学問道場には、「文庫の倉庫」というページがあって、そこに、以下のような文章が「10年前の昔から、ひっそりと倉(くら)に入れてある」という感じで置かれています。「文書の倉庫」の再利用と、活用を今から考えなければと、思います。
以下の私の本、数冊からのまとめは、丁度10年前の、1998年に、北島智雄(きたじまともお)君が、自分の勉強も兼ねて、やったのだと思います。 副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

「副島隆彦の国家戦略論の背景」

次の文章は、1998年頃までに書かれた、副島隆彦の国家戦略論に関する文章のダイジェスト版である。

 これを読めば、なぜ副島隆彦が日本随一の民間国家戦略家と呼ばれるようになったかが分かる。

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「21世紀の日本を考える」

 序文

 世界は、少なくとも今後100年ぐらいは、民族・宗教・人種の違いを超えることはできない。

だから、21世紀になったからといって、「世界市民主義者(cosmopolitan)による、世界連邦の運営」などという政治体制が実現するとは考えられない。国民国家(nation state ネイション・ステイト)と、主権国家(sovereinity ソブランティ)という考えは、まだ当分は死なないのだ。人類は、当分は、「国家が世界を割拠している」下で生きていくしかない。

 もちろん、日本だけが、勝手に、世界の現実、即ち、国家と国家の利害のぶつかり合いを中心として動いている現在の世界、を廃止に向かわせる、などと考えるのは、相当におかしい。

 あくまで、日本の置かれている現実を前提として、論を進めていくべきである。

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 二十一世紀の日本を考えるにあたっては、まず、この国の現状を精確に見極めなければならない。
 そのためには、今日にまで至った歴史を、冷静に振り返る必要がある。

1.歴史
 日本は、古代以来、1850年代まで、中国の属国であった。

 断っておくが、属国というのは植民地(コロニー)のことではない。歴史上の類推でいえば、紀元前後の世界帝国であったローマの属州(プロヴァンキア)のことである。支那歴代王朝(中華帝国)の用語でいえば、藩国、あるいは冊封国という。

  冊封国の支配者たちは、中国の歴代皇帝に朝見して、臣下の礼をとった。彼ら属国の支配者たちを、皇帝に対して、「王」あるいは「国王」という。

 たとえば、室町時代に、足利幕府の武家政権は、明王朝から「日本国王」の称号を頂戴していた。中国から見れば日本は属国同様であったが、一方で日本はこの事実に激しく反発を感じて抵抗してきた国である。日本の天皇は、古代から一貫して、支那の皇帝の権威を否認し続けてきた。

 1853年の黒船来航によって、米国インド洋艦隊の提督マシュー・カルブレイス・ペリーの砲艦外交(ガンボート・ポリシー)で、無理やり鎖国をこじあけられ開国してからは、米国(もしくは英国)に軍事的、経済的、文化的に服属してきた。

 シー・エムパイア(海洋帝国)としての米国と友好関係を築き続けたことは、日本の近代化にとっては幸運であった。
 ところが、日露戦争から大東亜戦争敗戦までの間に、国家に対する求心力が高まってくると、日本は西欧諸国と米国に対して反抗的になり、東アジアにおける独自の地域覇権(リージョナル・ヘジェモニー)確立を目指し、即ち「大東亜共栄圏」構想を打ち出し、世界の殆どを敵に回して戦いを挑み、そして敗北する。

  その後日本は、米国の、ソビエト・中国の共産主義に対する「反共の防波堤」としての役割を東アジアで担い、東西冷戦の狭間で「吉田ドクトリン」により軍事負担を免れ、上手に行動して、経済的繁栄を勝ち得た。

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  以上が、歴史の概略である。
 次に、日本の現状を述べる。

 2.現状

 私たち日本人は、かつて東欧諸国が、1991年に崩壊する以前はソビエト帝国(ソビエト連邦)の「衛星国(サテライト・ステイツ)」であると学校の教科書でも習い、そのように理解していた。

 だが、では日本はずっと米国の衛星国ではなかったのか、という内心の疑問に対しては、あえて目をつぶり、回答を先送りして生きてきた。

 先の戦争で日本は米国に完膚なきまでに叩きのめされ、おまけに残虐な原子爆弾まで投下されて敗戦した。日本がポツダム宣言を受諾して無条件降伏したとき、世界中の人々は、日本国民が命乞いをしたのだと考えた。頭を下げ、生き延びさせてもらった、と。

 だが私たち日本人はそうではない。あれはただの普通の「終戦」だと思ってきた。戦後、米国に屈服して生きてきた日本の伝統保守派(日本民族の優等性を信じる)の人々の深く傷ついた自尊心を私は理解できるし、その一方で、日本が、米日同盟を基本にすえて貿易立国、経済大国となって生き延びてきた現実直視型の方向判断も間違っていなかったと明言することができる。

 その代わりに、日本はいろいろな代償を払い続けた。
 米ソ対決の冷戦時代に、米国の世界覇権の一翼を担うべく属国となって諾々と生きてきた。

 日本の現状を一言でいい表すと、世界帝国アメリカの、属国のひとつ、ということになる。これは何も日本だけのことではなく、私の研究では、1970年代を境に、フランスや英国もアメリカの(部分的)属国と化したのである。

 私が属国日本に対して、世界帝国アメリカという時の、世界帝国の「帝国」という概念は、「領域支配」を含まないのだ、ということをここで理解してもらいたい。

 「帝国」というのは、例えば、高校・世界史地図帳の中に、ペルシア帝国の最大領土とか示して、世界地図上に赤色でぺったり塗ってあるが、実際の歴史上の帝国(覇権国)はあのようなものではない。

 属国の服属関係にもいろいろなものがあり、完全に武力制圧された国から、政治的には独立したまま経済交易だけが帝国に従属しているというような場合もある。

 従って、一様に地図を赤色で塗りつぶしたような感覚で帝国というものをとらえてはならないと思う。 即ち、帝国とは領域支配を意味しないのである。

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これで、日本の現状の概略を述べることができた。
 次に、これからの日本の国家像を考えるにあたり、避けては通れない大前提について述べていきたい。

 3.大前提

  我々が今すぐにでもやるべきこととは、(米国という)世界帝国の内部の思想勢力のことを、もっと本気で本格的に研究することである。そして彼らの意図を見抜くことである。孫氏もいっているではないか。「敵(原典では彼)を知り、己を知れば、百戦して始うからず」と。

 とはいえ私は、反米を唱えるつもりは毛頭ない。なぜなら、経済が何より大切であり、政治はそれにつき従うものであると、私は考えるからだ。現在、日本は、輸出と輸入の四割を、米国に頼っている。日本は、経済的に米国に依存しているのである。

経済の生命線である石油の確保を、米国の国際石油資本に握られている。中東からのオイルの輸送ルートも米軍の海洋支配力に守られているのである。経済が何より重要なのだ。

  さて、アメリカでは「政治思想」というものが生きており、最高の知性を備えた者たちが政治権力の座につくことが多い。


(図1)※画像が見にくい時はクリックしてください。

  アメリカ現代思想における、各流派の全体像と対立構図を大雑把に挙げると図1のようになる。これはものすごく大柄な図式だが、世界覇権国家であるアメリカについて、本質的な部分が分かるように私が苦心の末に独力で作ったものである。


  アメリカ政治は、当たり前のことだが、大きく見れば民主党と共和党の二つに区分できる。アメリカの二大政党政権交代システムは、揺らいできたとはいえいまだに健在で、共和党=金持ち層や企業経営者層の保守的な考えを代表する政党。民主党=労働者・移民・黒人・マイノリティーの支持するリベラル派の政党。という基本理解はクリントンの超党派(=中間派)的態度を考慮しても、なお間違ってない。

 だが、このことを前提にしたうえで、共和党と民主党の内部はさらに分かれていることを知らねばならない。つまり、アメリカの政界は、ごく大まかには六つの潮流に分かれており、それらが入り乱れて内部抗争を起こし、権力闘争を行っていることを意味する。

 この六つの「派閥」は、それぞれ現代アメリカ政治思想の各流派として存在するものであり、日本の自民党の派閥とは違って、強固な政治思想を各々その背景に持っている。だから内部抗争といっても、日本の政治のようにカネと実力を持っている政治家の周りに人々が群がるという、東アジア型の伝統的な一族郎党型のそれではない。

 アメリカ人は近代人(モダンマン)であるから、アメリカ政治は、あくまでより優れた政治思想の周りに人々が結集するのである。

 すなわち、日本のような土建屋政治ではなくて、最高の知性と思想を持った知識人たちがそのまま政治家にもなり、時には政治権力を握ったりするのである。例えば優れた学者政治家には、過去にはプリンストン大学の学長を務めたあと大統領になったウッドロー・ウイルソンがいたし、現在でもダニエル・パトリック・モイニハン上院議員のようにハーバード大学政治学教授から連邦議会で尊敬され長老議員として発言力を持っている人物がいる。他にもたくさんいる。

 この哲学・政治思想を軸とした六大流派が分からなければ、アメリカ政治を理解したとはいえない、と私は考える。


(図2) アメリカ政治の6大潮流

共和
(1)伝統保守派(保守本流)=エドマンド・バーク主義(バーキアン)=「自然法」(ナチュラル・ロー)派

共和 (2)現実保守派=ジョン・ロック主義(ロッキアン)=「自然権」(ナチュラル・ライツ)派

民主(3)現代リベラル派=「人権」(ヒューマン・ライツ)派、福祉推進派

民主(4) 急進リベラル派=アニマル・ライツ派、環境保護派、反資本主義、反体制派

共和(5) リバータリアン派=ジェレミー・ベンサム主義(ベンサマイト)=「人定法」(ポジティブ・ロー)

共和(6) ネオ・コン派=新保守主義、外交・軍事問題におけるグローバリスト

限られた紙数でアメリカ政界のすべて(図1)を説明するのはとても無理なので、代表的な六つの勢力を図2のように並べ直してみた(詳しくは拙著『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』講談社をお読みいただきたい)。

  それでは、ここからこのアメリカ政界の六大潮流をひとつずつ解説してゆく。

(1)伝統保守派(保守本流)。これはバーキアンBurkean(エドマンド・バーク主義者)=「自然法」派である。

  彼らは「人間社会には、社会を成り立たせている自然の決まり、掟(natural law)がある」と考える。この伝統保守派の代表は、長年『ナショナル・レビュー』という政治評論誌の編集長を務めているウィリアム・バックレーという老大家の評論家である。

 彼こそは”アメリカ保守の守護神”と呼ばれて、歴代共和党大統領から尊敬されている人物である。日本でいえば小林秀雄や福田存にあたる。その後継者はABCのコメンテイターのジョージ・ウィルである。

 アメリカの正当保守派はほかに、レオ・シュトラウス(シカゴ派哲学の大御所)や、フリードリヒ・ハイエクのような日本でも知られた古典保守思想家も含まれるが、同じ保守思想でも、アメリカ土着の保守であるラッセル・カークらのフィジオクラット(重農派)や後述するリバータリアン保守派とは区別される。このウィリアム・バックレー派の知識人の大部分は共和党の本流として保守勢力の中心を支えている人々である。

 バーキアンの標語は人類の歴史をとうとうと貫く普遍の真理を暗示する永遠の相の下に”という言葉である。だから彼らは本来あまり泥臭い現実政治には関わりたくないと思っている。

 この(1)のバーキアンとともに保守二大思想でありながら、バーキアンと激しく対立するのが、(2)のロッキアンLockean(ジョン・ロック主義者)である。これが「自然権」(ナチュラル・ライツ)派である。

 彼らは自然法の存在そのものは認めながらも、ジョン・ロック(およびジャン=ジャック・ルソー)が唱えた「すべて人間は、決して奪うことのできない固有の権利 inalienable rightsとして生命・身体・財産の自由を持つ」という言葉に基づく自然権のほうを重視するロッキアンもバーキアンと同じく自然法(人間社会を貫く自然の掟)を認めるのだが、それよりもこの自然権の方をより重要なものと考える。

 ロッキアンは具体的にはアメリカのエリート層である実務官僚や法律家や現実的な政治家たちの集団であって、彼らロッキアンは、「法や思想が何を語っているかを問うよりも、自分たちは個々の法律を解釈運用し実際に社会を運営するのだ」と考えるきわめて現実的な保守思想である。

 この自然権派の現在の代表は、ロバート・ボーク(イエール大学法学部教授、連邦高等裁判所裁判官もしていた)であり格調高く、かつ激しくリベラル派批判をする人物である。

 (1)のバーキアンはこのロッキアンに対して、「そんなに憲法典を高く持ち上げてどうするのか。憲法が各種の人権を保障したからといっても、それはどうせ紙キレだろう」と強い疑いの念を持っている。このバーキアン(自然法派)とロッキアン(自然権派)の巨大な対立軸のことが、この百年間、日本の政治知識人層には全く分からないのである。

 この近代憲法典(フランス人権宣言やアメリカ憲法)が定めたジョン・ロック主義の「生命・身体および財産の、国家からの自由・独立・不可侵」という自然権を二十世紀に入ってから、更に勝手に拡張して、「憲法はすべての人間の生活と生存を保障している(つまり社会福祉を保証している)」と言い出したのが、(3)の「人権(ヒューマン・ライツ)派」たる現代リベラル派である。 この人権派は(2)の自然権という古典保守思想から派生したものだが、今や世界中で最大勢力である。

 日本では、本来(2)の自然権派であった福沢諭吉や、「民本主義」の吉野作造の思想が、(3)のリベラル人権派のなかに飲み込まれて行方不明になってしまい、リベラル人権派との区別がつかないまま今日に至っている。

 この人権派は、実際には、社会主義(マルクス主義)思想の影響を受けつづけた人々の思想である。この人権派は、当然のことながら保守思想ではなくて、左翼的であり、文字通りリベラル派である。あくまで(2)のロッキアンの自然権派と区別をつけなければならない。このことが日本知識人層にはわからないのだ。

 この人権派は、現在も世界中で大勢力であり、「世界人権宣言」や日本でも日本国憲法に定めがあることを根拠にして、この福祉推進・弱者救済の人権派が主流・多数派なのである。アメリカ民主党はこのリベラル派の政党である。それはニューヨーク・タイムズ紙やワシントン・ポスト紙に代表される言論である。

 そしてこの、(3)の人権派の立場をさらに極端にしたものが、(4)の「動物の権利」派で、いわゆる環境保護派、女性解放、ゲイ保護、少数者の権利保護を唱える過激な立場の人々である。日本にもこの急進リベラル派は今でも残存しているので、理解は容易だろう。

 実はもうひとつ巨大な思想勢力がいる。

 アメリカの保守思想には、(1)(2)の外に、同じくイギリス近代政治思想からの源流を持つ(5)のジェレミー・ベンサム主義(ベンサマイト Benthamite) という特異な勢力が存在する。このベンサマイトは、近年アメリカで隠然たる大勢力になりつつある思想派閥である。このベンサマイトのアメリカ的展開を、”リバータリアン”という。

 十九世紀中ごろのイギリスの奇妙な思想家、ジェレミー・ベンサムは、エドマンド・バークやジョン・ロックの思想に激しく反対した。「その自然法や自然権というものが在るのなら、私に見せてみろ」と言い放ったのである。したがって、この立場からは、人権派などはさらに木っ端微塵である。ベンサムは「憲法典に書いてあるからといって人権が無条件に至上のものとはならない」と主張する。

 このベンサム主義の立場を、”ポジティブ・ロー”(Positive law)という。日本の法学者たちは、これを「実定法」と訳しつづけて、彼ら自身にもこのポジティブ・ローという法思想の核心点は全く理解できず、意味不明のままである。

 このポジティブ・ローは、本来は「人定法」と訳すべきだ。
 ポジティビズムとは、「社会のキマリは、神が決めるのではなくて、この地上の人間たちが決めるのである」という考え方である。「人間たちが人為的に、現実世界のルールを作るのである」即ち、「自然の法」ではなく「人定」の思想なのである。

 だからポジティブ・ローとは、「神や自然が、法を人間に与えるのではなく、法は人間たちが決める」という政治思想かつ法思想なのである。

 当然、この立場は「何が正しくて、何が公平で、何が善であるかも、我々人間が決める」という、恐るべき、神、自然法の否定の思想となる。ベンサマイト(ベンサム主義)は、徹底的な社会工学的な思想であり、ヨーロッパ近代思想の最後に登場した、巨大な星である。

 リベラル派の人々から見れば、悪魔の思想として憎しみの対象となる。現に、社会主義思想を大成したカール・マルクスは、同時代人ベンサムを「最悪の俗物ベンサム」と呼び、ジョン・メイナード・ケインズは、「蛆虫ベンサム」とののしった。

 ところが、このベンサム主義は、海を渡っアメリカにも出現し、現在のアメリカ思想界にひとつの大きな華を咲かせた。それを、「リバータリアニズム」という。

 この表の(5)のリバータリアニズムは、アメリカ開拓農民の伝統の中から生まれたものである。リバータリアニズムは、アメリカ共和党の中の強硬な保守派である。これは、簡単に定義すると「市場原理=経済法則を全てに優先する」思想であり、「強固な個人主義を貫く自由主義」ということになる。このリバータリアニズム(Libertarianism)は、あえて短くいえば「反福祉、反ヒューマニズム、反官僚制、反税金、反国家」という恐るべき思想である。

 最後に、外交・国際問題における「世界の警察官」理論を推進しているのが表の(6)の「ネオ・コン」派という特異な知識人集団である。ネオ・コンサバティズムNeo-Conservatives、つまり「新保守主義者」である。

 このネオ・コン派こそは「アメリカの力によってこれからも世界を管理・支配・指導してゆこう」という頭脳集団であり、別名グローバリストともいう。

 このネオ・コン派の理論的指導者で代表は、ジーン・カークパトリック女史である。この女性はレーガン政権の国連大使(閣僚待遇)を務めた女傑である。

 彼らは学生時代は民主党急進派の左翼学生だったのだが、「社会主義の理想を裏切って醜い収容所国家と化したソビエトへの憎しみ」をつのらせて、保守派に転じて、やがて超高学歴の政治学者に成長し、レーガン共和党政権に登用され対ソビエト軍事強硬路線を敷いた人々である。

 そして、91年にものの見事にソビエトを崩壊させたのは、まさしくこのネオ・コン派の人々の世界戦略なのである。

  以上で、六つの拮抗するアメリカの思想潮流をごくごく大ざっぱに概観した。アメリカの政治を観察するときに、大きく彼らの政策や言動の背景に流れているこれらの政治思想の全体像を読みとらなければ、何も分かったことにはならない。

 これらの六大思想派閥は一見複雑に見えるが、みな背景にヨーロッパ近代の大政治思想を源流に持ち、この200年来の大柄な思想的対立軸で動いている。

  実はヨーロッパ各国の最高の政治研究所の類も、これと同じ理論構造でできている。フランスやドイツの本物の最高の知識人たちは、「どうやったら、自分たちが、アメリカの支配から脱却できるか」を本気で考えている人々である。


4.日本がこれからやるべきこと

  国家の正しいあり方は、やはり指導者たちが、国民の賢い層500万人ぐらいに、直接、本気で正直に真実を打ち明けて相談し、指導者と国民が団結することである。その上で、自力で生きてゆける国家を目指すことである。

 そのためには、真に賢明な国家戦略を立てることのできる人材数万人を、これから意識的に育ててゆくことが大切である。

  日本は、敗戦後55年間の間、国家戦略研究所(インスティテュート・フォー・ナショナル・ストラテジィ)を持たされないままやってきた。「国家戦略」という言葉を使うと、このストラテジィ(戦略)という言葉が、すぐに軍事的な響きを持つので、「平和国家・戦争放棄国家」日本の根本理念に反するとされて、この言葉の使用がはばかられてきた。

 しかし、ナショナル・ストラテジィというのは、私たちのこの国が、国際社会の中で、この先、どのように生きてゆくかをあれこれ考える知識と学問のことである。決して、単に軍事的なものではない。

  国家戦略研究とは、近い将来に起こるあらゆる不測の事態に備えて、それらに対応できるように、想定的に何百個もの理論と対策を予め作っておくことである。だから国家戦略研究所とは、このための国家レベルでの理論センターのことである。

 日本に現在あるのは、大企業や財界が持っている各企業ごとの経営・経済戦略、あるいは技術戦略である。その他には、防衛庁の幹部たちがアメリカ軍幹部に手取り足取りで教え込まれている防衛戦略である。

  そしてこのレベルでとまっているのである。今の日本にないこのレベルを一段上に突き抜けた国家戦略を立案する人材も頭脳も、皆無である。これは国家としての危機である。

 私たちは、だから、やはり、今こそ、自分たちの運命を自分の手に握るべく本気で自分の頭で考えて、あれこれ予測できるようになるべきだ。

  そのために、ワシントンのシンクタンクに似た、国家戦略研究所群を作らなければならないのである。

 ただし、各省官僚OBたちからなる研究所であってはならない。役人・公務員は、官僚機構の中で、自己保身に走るから、利害関係がからんで研究内容の公正さと客観性が保てない。これらの国家戦略(政策)研究所は、日本にもたくさんある。

 アメリカにあるのは、世界戦略研究所だが、日本に必要なのは、本物の国家戦略研究所である。台湾や韓国でさえ、独自の国家戦略研究所を持ち、ワシントンにその支所を置いている。
  そこでは、アメリカの政治思想や政治勢力の分析も細かく行っている。台湾や韓国の戦略学者は、アメリカの役人と互角に渡り合っている。

 (なお、この文章は、『属国・日本論』『日本の秘密』『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』他に収録された文章を加筆・再構成したものである。)

 (転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝

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「72」 私たちは、SSRI、リタリン、プロザックなどの抗うつ剤(興奮させる薬物)に注意し注目しなければいけいない。2008・2.7

副島隆彦です。今日は、2008年2月7日です。 私は、あのことがずっと気になる、ということがあると、それがずっと脳に残っていて、それで、少し時間の余裕が出来ると、その関連の情報文を引っ張り出して、読み返して考える、ということをします。 以下の文章の脳神経外科の医師の崎谷氏の文章は、ずっと気になっています。

 ここに出てくる SSRI(エス・エス・アール・アイ)という抗うつ剤が、ヴァージニア工科大の銃乱射事件その他のスクール・シューティング school shooting の原因になっているようです。日本国内で起きる、勉強(成績)のことで親といがみ合って、それで突発的に親を殺してしまう事件にも、類似の薬物の服用に原因があるように思われる。

小泉純一郎が常用していた(今も使っているだろう)、抗うつ剤
(興奮を起こさせる薬物)である リタリン は、非常に有名になった。小泉は、時々、異様な興奮状態になって周囲を驚かせた。今は、まるで廃人同然のような、荒れ果てた表情になっている。彼の脳の病気は進行している、ということだ。

 アメリカの恐ろしい権力・支配集団に取り込まれて、そこで洗脳を受けて、属国の指導者としてロボット人間にされると、ああいう異常な人格になるのだろう。私たちは、この観点からも、グローバリストたちの日本支配のことを、常に心配して警戒しないといけないと思います。

 私が訳した『次の超大国は中国だとロックフェラーが決めた』(ヴィクター・ソーン著、2006年3月刊)の上巻、第三部、第12章の「高校銃乱射事件の裏話」の、P198から以下に、これらの薬物による計画的な精神病者の犯罪のことが、そのままそっくりに書かれている。鳥インフルエンザや、SARS(サーズ)や、それ以前のAIDS(エイズ)なども、計画的に製造されて、地球上にばら撒かれたこともほぼはっきりしてきた。

中国の周辺部から、SARSと鳥インフルエンザの、遺伝子組み換え実験によって製造された新種の人造細菌をばらまいて、中国の農村部の人口を減らそうという計画と共に、それらへの予防ワクチンであるタミフルなどの新種の、危険な薬品を作って、日本、韓国、台湾などに売って、そして同じく 人体実験 に使った。 開発したギリアド・サイエンシズ、販売したホフマン・ド・ロッシュ、日本の販売代理店の中外製薬などは、ロックフェラー製薬会社である。

 中外製薬は、今、タミフルを服用して、発狂して刃物を振り回したり、二階から飛び降りた少年たちの問題で、厚生労働省と共に、裁判に掛けられているはずである。私が、知っている数字は、「数十件の異常事故、事件の届けがあった」ということだけである。

以下の崎谷氏の文を、私たちは、徹底的に重要視すべきである。
副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

医療掲示板

[1558] 抗うつ剤の犯罪 投稿者:崎谷博征    投稿日:2007/05/24(Thu) 10:15:10

 みなさん、こんにちは。崎谷です。 今日はどうしても書かなくてはいけなことを書いてしまいますね。

(転載開始)

<福島母親殺害>右腕を「飾ろうと思った」 少年が供述

 福島県会津若松市の高校3年の少年(17)が母親(47)を殺害した事件で、少年が調べに対し、切断した右腕を植木鉢にさした理由について「飾ろうと思った」と話していることが分かった。また、事件前日の14日に、包丁やのこぎりに加え、ロープ、スプレー缶、植木鉢、土といった、事件に使ったり、使うつもりだった道具一式を買いそろえていたことも明らかになった。

調べでは、少年は14日に市内の100円ショップで200円の包丁を購入したと供述、その他は市内のホームセンターで買ったことが確認された。「遺体の一部をつるすつもりだった」と話し、ロープはそのために購入したという。

また少年が住んでいたアパートからは、過去の殺人事件を集録したノンフィクションの本が押収されていたことも分かった。今回の事件と同様、過去にも遺体を切断した猟奇的な事件が起きており、少年がこうした事件にも影響を受けた可能性があるとみられる(毎日新聞)。

(転載終了)

この事件もマスコミで華々しく取り上げられ、識者?が偏狭で勝手な発言を繰り返していますが、我慢できなくなったので話します。結論から言えば、この子は尋常ではありません。おそらく彼の頭の中では犯行前後で幻想・幻覚が起こっています。しかし、以前は快活でまともだったといいます。

 では何が彼を変えたのか? それは大量の抗うつ剤であるSSRIという種類の医薬品です。

実は、バージニア工科大学の銃乱射事件の韓国留学生も大量の SSRI を服用していました。ちなみに1989年に起こった米国コロンバイン高校乱射事件の首班もSSRIを服用していました。

 米国では、米国の消費団体の圧力で、SSRIが自殺衝動を起こさせ、実際に自殺した例が暴露されています(さすがのFDAも諮問委員会を開かずにはいられなかった。FDAは製薬企業、さらに株主のロックに買収されている)。

  困った製薬業界は金にものを言わせて、すべて和解で公表しないように秘匿しています。

もともとSSRI はうつの「モノアミン」仮説という仮説理論によって、製造されたものです(その後、この仮説には様々な矛盾があることが判明。うつの発症の原因をこの仮説だけで説明するのは限界がある)。これはセロトニンという神経伝達物質(前頭葉には気分の変調・内臓機能調節・神経内分泌機能を調整する)のみに注目し、この濃度を上げることによって神経の興奮を高めるというのがSSRIです。

 神経の興奮ということでいえば、どこかの国の前首相が内服しているといわれていたリタリン(多動症で使用される薬)や戦後流行したヒロポン(メタンフェタミン)と同じ作用です。

(郵政民営化を含め、年次要望改革を受けた財務省の政策をそのまま取り入れた幻覚症状も医薬品の副作用が関与しているのかもしれない。) つまり「一種の覚せい剤」です。そりゃ「覚せい剤」をやれば、ハイになれるわけですね。

 ヒロポン(合成麻薬)との違いは、時間の単位だけです。
SSRIの効果は2~3週の期間を置いて、ゆっくりと効いて来ます。 マスコミでも全く、この医薬品の恐ろしさを取り上げないのはなぜでしょうか? 権力者側に都合が悪いという理由以外には考えられませんね。いずれこの件については、もう少し敷衍したいと思います。

[1559 ]SSRIの危険性について 投稿者:団塊君投稿日:2007/07/06(Fri) 20:42:11

以下の記述に関係すると思われる論文を探しています。 ご存知の方がおられましたら掲示板へ記入お願いします。 Pubmed では(当然ながら?)みつかりませんでした。 少し古いですが、紫霄閣(ししょうかく)(平成9年3月)湾岸戦争疾病群(GWI) と言うサイトで見つけました。

http://www5f.biglobe.ne.jp/~shishoukaku/090301gwi/
gwi093drug.html

<引用開始>
米国イーライ・リリー社製の プロザック<9-7> は、現在米国を中心に世界中で大量に販売されている。 ゾロフト、ルボックス、パクシル<9-8> という名でも販売されている。 この薬は米国では、 『性格を穏やかにし、学習能力を高める』 ということで 100万人の学童たちに服用させている。類似薬である リタリン<9-9> も同じく学童に服用され始めている。

実はこの プロザック については、極めて重大なことが実験で証明されている。プロザック服用者の約8%は、ELF波(超低周波) を照射されると 活性化されて精神が急変し、混乱して殺人的になり、その後で自殺を図ると いうことである。

 そして米国全域を対象に現在 ELF思考変換波 用の送信塔が急ピッチで建設されている。ELF波と精神変換薬の試験は刑務所で行われており、さらに危険な薬、スターダストとキャット<9-10>が準備されている。

<引用終了>

「痴漢逮捕」の次は「発狂収容」になる・・・・・バージニアの件は人体実験・・・・

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝


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