ログイン

ようこそguestさま
ログインする

今日:8710 昨日:16023
合計:69203079
 
理科系掲示板


[会員(新規・ご継続)のお申し込み] [本のコーナー] [ビデオのコーナー] [投稿する前に] [ホームにもどる]


[旧・副島系・理科系掲示板]


理科系のみなさんの喫茶室
理科系の方いらっしゃい 文科系の方も大歓迎
書き込みをして下さる方は、メインページの「重要なお知らせ」と、この掲示板上部の「投稿する前に」を必ずご一読下さるようお願いします。投稿に際しては、自分のご意見(立場)をできるだけ明らかにして頂きますようお願いします。




※ログイン後に投稿フォームが表示されます。





[84]GEパワーは「壊れている」
投稿者:相田英男
投稿日:2019-03-07 17:55:52

相田です。

直近のスティーブ・トゥサのGEへのコメントについて、記事を引用します。

私の訳が悪いのですが、

"We believe this is a broken business that is running out of backlog needed to feed an installed base that is now declining," he added.

という部分が、なるほどなあ、と納得しました。
やっぱりそう考えているのか・・・・・そうだよね。

(引用始め)

GE Stock Plunges Further As Top Analyst Warns GE Power Business 'Broken'
トップアナリストがGEの発電事業は「壊れた」と警告したことで、GE株式はさらに急落した

APARNA NARAYANAN
March 6, 2019
Investor’s Business Daily

The General Electric (GE) announcement Tuesday that free cash flow from its industrial businesses will be negative in 2019 was "worse than we expected" and more pain may await holders of GE stock, according to JPMorgan. GE stock tumbled for a second straight session on Wednesday
JPモルガンによると、ゼネラルエレクトリック(GE)が火曜日に発表した、2019年の産業事業からのフリーキャッシュフローがマイナスになるという内容は、「予想以上に悪い」もので、GE株の保有者に更なる苦痛を与える可能性がある。水曜日のGE株は、2日連けての下落となった。

The firm's analysts questioned the notion that GE Power is "not that bad" and called shares overvalued.
同社のアナリストらは、GE Powerが「それほど悪くはない」との考えに疑問を投げかけ、GEの株式は過大評価されていると述べた。

"As long as this sentiment prevails, we don't think the stock can bottom," widely followed JPMorgan analyst Stephen Tusa wrote in a note Wednesday. He reaffirmed a price target of 6 on GE stock — but added that it "looks generous" after Tuesday's news.
JPモルガンのアナリスト、スティーブン・トゥサ氏は、22日、「このセンチメントが続く限り、株価が底値を打ったとは思わない」と指摘した。彼はGEの株価の6ドルの目標を再確認した - しかし彼は、それでも火曜日のニュースの後には「寛大に見える」、と付け加えた。

On Tuesday, GE tied its grim outlook to continuing problems in its core power business. The industrial giant said cash flow challenges should ease in 2020 and 2021. GE's industrial free cash flow shrank from $7.7 billion in 2015 to $7.1 billion in 2016 to $5.6 billion in 2017 and to $4.5 billion in 2018, before Tuesday's shock news.
火曜日にGEは、その中核となる電力事業における継続的な問題に対しての、厳しい見通しを発表した。 GEの産業事業のフリーキャッシュフローは、2015年の77億ドルから2016年には71億ドル、2017年には56億ドル、火曜日のショックなニュース前の2018年には45億ドルに減少した。

GE Power A 'Broken Business'
GEパワーは「壊れている」

But Tusa cast doubt on the idea that GE Power problems are fixable or isolated to the Alstom energy assets that General Electric bought in 2015.
"We believe this is a broken business that is running out of backlog needed to feed an installed base that is now declining," he added.
しかしトゥサは、GE Powerの問題は、主に、GEが2015年に買収したアルストムのエネルギー資産に由来し、アルストムが解決出来れば困難は分離されるだろう、という考えに疑問を投げかけた。「GEの電力事業は壊れたビジネスであり、既に設定されている事業の推進に必要なサポート対応の多くが未処理のために、ベース事業自体が弱体化しつつある、と我々は考えている」と、彼は語った。

Given negative free cash flow, JPMorgan's estimate for the 2019 EPS "anchor" has gone from a prior view for positive 50 cents to negative 50 cents.
フリーキャッシュフローがマイナスとなったことから、JPモルガンの2019年EPSの「アンカー」の推定は、以前の予想のプラス50セントからマイナス50セントに変更された。

Restructuring Not a 'Silver Bullet'
リストラは「銀の弾丸」ではない

But citing costs, Tusa said restructuring won't be a "silver bullet" to a General Electric fix.
しかし、費用の問題についてトゥサは、リストラはGEを修正するための「銀の弾丸」にはならないだろうと述べた。

In late February, GE agreed to sell its biopharma business to Danaher (DHR) for $21.4 billion. Culp was previously CEO of Danaher.GE stock hit a 2019 high that day, briefly topping its 200-day before pulling back.
2月の下旬に、GEはバイオ医薬品事業を214億ドルでダナハー社に売却することに合意しました。 カルプは、以前はダナハーの最高経営責任者でした。GE株はその発表の日に2019年の最高値を記録し、引戻し前には一時的にだが、株価の200日平行移動線を突破した。

(引用終わり)

相田英男 拝



[83]イケメンCEOも遂に白旗を揚げる?かな
投稿者:相田英男
投稿日:2019-03-06 19:19:13

相田です。ロイターの記事を「意訳」して引用します。

昨日、GEのCEOのカルプとスティーブ・トゥサが対談したそうです。が、のっけからカルプは、もうダメだ、という感じだったみたいです。今回の相手には、おためごかしは最早通じないと、開き直ってたんでしょうか?正直なのは良い事ですが。

昨年よりも今年の収益が悪化するだろう、と、カルプ自らが認めたため、株価は再び10ドルを割込みました。トゥサの目標の、6ドル目指して下がり続けるのでしょうか?

記事をよく見ると、HAタービンのブレードトラブルの解決の目処が、当分の間立たない、というカルプの爆弾発言が、さりげなく載っています。

やっぱりそうじゃんか。技術者のレイオフをやり過ぎて、タービンが治せなくなったんだよな。問題は技術力の低下だ。再生可能エネルギーに投資するとか言ってるのは、投資家を欺くための目くらましだろう。

まあ、これから(も)大変だわな。

(引用始め)

GE's CEO warns of negative industrial cash flow in 2019, shares drop
Reuters March 6, 2019

By Alwyn Scott and Rachit Vats

(Reuters) - General Electric Co's chief executive surprised investors on Tuesday by forecasting a net cash outflow from the conglomerate's industrial businesses this year, a far more negative outlook than he offered previously, sending shares and bonds down.
【ロイター通信】 - ゼネラル・エレクトリックの最高経営責任者(CEO)が火曜日に発表した、今年の産業事業部門からのキャッシュの流出が、以前の予想よりもはるかにマイナスになるとの見通しは、投資家達を驚かせ、株式と債券の下落を招いた。

"Industrial free cash flow will be (in) negative territory," CEO Larry Culp said in a webcast interview with JPMorgan analyst Stephen Tusa, a longtime GE bear.
CEOのラリー・カルプは、GEに対し長年にわたり否定的な発言を続ける、JPモルガンのアナリスト、ステファン・トゥサとのウェブキャストインタビューで、「産業部門のフリーキャッシュフローはマイナスの領域になるだろう」と述べた。

"I don't want to sugarcoat that in any way," Culp said, referring to GE's ailing power business, which he said would lose more this year than the $2.7 billion in free cash flow it lost in 2018.
カルプは、GEの苦境に喘ぐ電力事業について、「どんな甘い見通しも持つつもりはない」と語り、今年は2018年の27億ドルのフリーキャッシュフローを下回るだろうと、見通しを述べた。

He added: "We'll see that be a greater negative number in this year as we work through the restructuring, as we work through the runoff liabilities there and just the localization of timing around projects."
彼は付け加えた:「我々は今年の事業リストラの過程で、より大きなマイナスのキャッシュを見るだろう。負債の流出とリストラで生じる事業への影響は、最小限に止めるつもりだが」

GE's shares swiftly dropped below $10, which marked the biggest intraday percentage drop in more than three months, knocking more than $4 billion off the company's market value. The shares fell as much as 7.6 percent on Tuesday and were still down 5.3 percent at $9.83 in late afternoon trading.
GEの株価は急速に10ドルを下回った。これは3ヵ月ぶりの日中最大の落ち込みの記録で、会社の市場価値を40億ドル以上奪った。火曜日の株価は7.6%も下落し、午後遅くの取引では更に5.3%下がって9.83ドルだった。

GE's bonds also declined, with GE Capital bonds the hardest hit. A $2.25 billion issue at 4.5 percent coming due in March 2044 was down 1.65 percent.
GEの社債も下落し、GEキャピタルの債券は最も大きな打撃を受けた。 22億5000万ドル発行済みの、2044年3月に償還予定の4.5%債権の価格は1.65%下落した。

Earnings at GE's power business collapsed in mid-2017 as sales fell and the company failed to make good on promises to increase profit margins after a $10 billion acquisition of Alstom of France.
GEの電力事業は、フランスのアルストム社をを100億ドルで買収した後、利益率を向上させるという約束を守れなかったため、売上が減少し、2017年半ばの業績が落ち込んだ。

Since then, GE has blamed its own poor management and a shift toward new wind and solar power plants for the power unit's losses, which totaled $22 billion last year.
それ以来GEは自らの電力事業について、経営管理が不十分で、昨年の合計が220億ドルに登るそこでの損失が、新しい風力および太陽光発電所へのシフトを促したと、非難している。

The power unit is spending at least $480 million to fix thousands of turbine blades that are at risk after blades broke in 2015 and 2018, causing serious damage to power turbines and coinciding with a drop in GE's market share.
電力事業部門は、2015年と2018年に起きたガスタービンのブレード損傷事故の後、破損のリスクを今なお抱えている何千ものタービンブレードを修理するために、少なくとも4億8000万ドルを費やしている。

GE also has poured billions of dollars into its insurance business, which includes thousands of money-losing long-term care policies written more than a decade ago. Some experts said GE may have to spend billions more to cover claims.
GEはまた、10年以上前に発行された、何千もの「金が奪われる」長期介護保険契約を含む保険事業に、数十億ドルを注いできた。一部の専門家は、保険請求をカバーするために、GEはさらに数十億ドルを費やす必要があるかもしれないと述べた。

Culp said the power business would face headwinds for "a couple of years," would not resolve problems with breaking power turbine blades for "a while" and promised to step up restructuring in the business and elsewhere. GE declined to provide restructuring cost estimates. The company is due to publish a financial forecast on March 14.
カルプは、電力事業は「数年間」逆風に直面するだろうと述べ、「しばらく」の間は発電用タービンブレードの損傷問題を解決することはできず、電力やその他の事業でのリストラを強化する、と約束した。 GEは、事業再編費用の見積もりの公表は控えた。 同社は3月14日に財務予測を発表する予定である。

Culp's comments on Tuesday went beyond his warning in January that investors could expect industrial free cash flow to weaken in 2019, and the cash flow would increase "substantially" in 2020 and 2021.
火曜日のカルプのコメントは、1月に彼が投資家に語った「2019年には産業部門のフリーキャッシュフローが弱まるものの、2020年と2021年のキャッシュフローは「大幅に」増加するだろう」という「警告」を超える内容だった。

Culp said on Tuesday that GE would continue to provide cash to its GE Capital unit for the foreseeable future, though probably not as much as the $4 billion it provided last year.
カルプは火曜日に、GEは当面の間、GEのキャピタルに現金を提供し続ける、と述べた。が、おそらくは昨年の40億ドルほど多くはないだろう。

GE Capital used to pay dividends to the parent company, but that stopped after losses mounted at GE's reinsurance business in the second half of 2017.
GEキャピタルはかつて親会社に配当を支払っていたが、2017年下半期にGEの再保険事業で損失が発生した後、配当の支払いは停止した。

(引用終わり)

相田英男 拝



[82]ザ マス イズ ザ マス
投稿者:相田英男
投稿日:2019-03-02 00:43:30

相田です。

今週の始めに、GEにまた動きがあった。GEの医療機器部門(GEメディカル)の中にある、バイオファーマ(生体医薬品)技術に関する、開発機器や検査設備製造のグループを、CEOのラリー・カルプがかつて率いていた、ダナハーという精密機器会社に、売却する事が決定した。この取引によりGEは、2兆円以上の高額の売却費をダナハーから受け取るという。その費用を、来年に支払期限が迫っているほぼ同額の負債の支払いに充てることで、当面凌ぐことが出来るという。本来、GEメディカルは、事業部全体を別会社として分離して上場、売却する予定だった。フラナリーCEOの時代はそのように発表していた。

しかし、GEの事業の中でも最も利益を挙げている金の卵ともいえる部門が、メディカル部門だ。それを売却すると、その後にどうやって稼ぐのだという、もっともな批判が、アナリストから出されていた。そこで今回の取引では、メディカル事業部の中のバイオファーマに関するグループのみを分離して、MRI(核磁気共鳴)製造などの主力部隊は、GEに残すこととした。将来の金ヅルを残しながら、借金を返せますよ、偉いでしょう、という訳だ。株価は一旦は数ドル上昇したものの、また落ち着いたようだ。

ダナハーはカルプがGEに重役として昨年迎えられる前に、15年間も社長を務めた会社だ。ダナハー側にも、カルプの采配で株価を5倍に上げてくれた恩義がある。カルプに頼まれたら、無理でも嫌とはいえまい。今回の交渉を見事なM&Aだ、とか書いた、某日経新聞もあった。が私には、保険の営業にパートで雇われたオバちゃん達が、ノルマ達成のために、自分の家族に必要もない保険を、無理矢理売り付けるように思えて、あまり感心しない。カリスマ経営者と期待されて迎えられカルプであったが、やる事は所詮は、保険のオバちゃんと変わらないのか。顔は爽やかなイケメンで、髪もフサフサなカルプは、ビジュアル度の方は前任者のF氏よりも相当高いのだが。

とはいえ今回の借金を返しても、GEにはまだ10兆円近くの有利子負債が残っている。以前のトリプルA時代の格付けのGEならば、社債を大量に発行して乗り切れた。だが、今のGEの格付けは、ジャンク債レベルのトリプルBプラスまで下げられたので、社債が最早発行出来ない。事業の切り売り以外に、GEはどうやって10兆円を返してゆくのだろうか?新たな金ヅルを持っているCEOをつれてきて、カルプを首にして入れ替えたりするのだろうか?今のGEは、アクティビスト(物言う株主達)の要求を聞かざるを得ないらしいので、彼らならやりかねない気もするが・・・・

正直、私は昨年の秋にGEの没落が決定的になって以来、気持ちがハイの状態が続いている。今まで当然だと思い込まされていたことが、全くのウソだった事実が白日の下に晒された。そのことで、私の頭の中に永年あった判断の基準が、大きく崩れてしまったのだ。

GEこそは、アメリカの覇権を象徴する最強の企業であり、日本の発電・重電会社を牛耳る皇帝だった。圧倒的な資金力と最先端の経営技術を駆使する事で、最新テクノロジーを製品として具現化し、業界をリードし続けるのがGEであると、私は深く信じ込まされていた。

それが、今の体たらくとは、一体何なのだ?

史上最高の経営者と呼ばれたジャック・ウェルチが、自ら選別し、鍛え育てたエリート経営者達が、今のGEを導いているのではないのか?50兆円以上あった時価総額が、10兆円を切るまで落ちぶれるなど、アメリカ最高のエリート経営陣の采配として、許されるものでは無いだろう。

結局は、今までマスコミや新聞社が持ち上げ、賞賛し尽くしてきたGEの栄光は、全くの嘘だったのだ。ウェルチ自身の栄光も、たまたま運が良かっただけだったのだ。何が伝説の経営者だ。よくもこれまで20年以上もの間、デマを吹聴し続けてくれたものだ。GEを見習え、アメリカの企業経営者達の振る舞いと判断を見習え、日本の企業は遅れて恥ずかしいのだ、などと。

俺はもう、これからは、お前等には騙されない。

さて、今回の状況について、我らが頼れるスティーブ・トゥサの意見はというと、「ザ マス イズ ザ マス」だそうである。数学は所詮は数学、単純な数字合わせで取り繕ったところで、中身が伴っていなければ無意味だ、という事らしい。ちなみに、株価の目標価格も6ドルのまま据え置くそうだ。

「ザ マス イズ ザ マス」とは、何ともカッコいい響きである。一度言ってみたいものである。

3月5日には、J.P.モルガンのカンファレンスで、GEの状況についてカルプ自らが説明し、その際にはトゥサとの間で、直接のQ&Aのやり取りも予定されているらしい。何が起きるか、今から楽しみである。

(引用始め)

Is Larry Culp Leading General Electric In the Right Direction?
James Brumley
Investor Place, March 1, 2019

He certainly said all the right things, and, he said them in the right way … Now, just because General Electric CEO Larry Culp can make investors feel good, it doesn’t necessarily mean Culp can produce results that will drive GE stock higher.
Boiled down to its most basic form, that’s the crux of the debate surrounding General Electric stock right now, following Tuesday’s release of Larry Culp’s first letter to owners of General Electric stock.
彼の言った事と示した方向は、確かに正しいのだろう。しかし、ゼネラル・エレクトリックのCEOラリー・カルプ氏が投資家の気分を良くできたからといって、GEの株価を引き上げられるとは断言できない。火曜日のLarry CulpによるGeneral Electric株式所有者への最初の手紙の発表に続いて、最も基本的な問題点、つまり現在のGeneral Electric株式に関する状況が、議論の核心となっている。

The message was long on ideas and goals. Yet, it was short on specifics regarding how he may actually be able to lead GE out of perdition and back to its former greatness.
そのメッセージには、アイディアとゴールについて長く記されていた。それでも、彼がどのようにしてGEを現在の虐待から救い出し、かつての偉大さを取り戻すための方法についての詳細な説明は、とても短かった。

The market is patient with the company right now, but that won’t be a permanent condition.
市場は今のところ同社を辛抱強く見守っているが、それが永遠に続く訳ではないだろう。

The Math Is the Math

It was, by and large, a typical letter to shareholders, cheering the good, acknowledging the not-so-good, and painting a picture of a bright future that will focus more on the customer and improving the balance sheet.It also means little in the grand scheme of things, as most CEO missives to the market do.
手紙の内容は概して、株主に宛てての典型的なものあった。良い事を持ち上げて、それほど良くないことは認める、そして、顧客とバランスシートの改善に、より焦点を合わせることで、明るい未来の絵を描き出していた。そこで書かれている物事の壮大な計画には、市場に向けて公表される数多くのCEO文書と同様に、ほとんど意味は無い。

That doesn’t mean investors didn’t respond. They loved it, and had they not propelled GE stock up to the tune of 10% on Monday following news it was selling its biopharma unit to Danaher , they may have been willing to pour in again in a big way. Still, up more than 50% from its December low, clearly the crowd believes in GE again.
それは投資家が反応しなかったという意味ではない。彼らはそれを愛した。月曜日に、バイオファーマ部門をダナハーに売却したニュースを受けて、GEの株価を10%まで引き上げていなかったならば、彼らは再び大いに注ぎ込むつもりだったのかもしれない。それでも、12月の安値から50%以上も株価は上昇し、明らかに群衆はGEを再び信じている。

Not the whole crowd though.J.P. Morgan analyst Stephen Tusa is no stranger to being in the minority. Good thing too. His price target of $6.00 for GE stock is not only well below the stock’s current price near $10.70, it’s also the lowest target sported by Wall Street’s pros.
しかし、群衆の全てが信じている訳ではない。J.P.モルガンのアナリスト、スティーブン・トゥサ氏は、少数派であることに不慣れではない。良いことについても。彼のGEの株価目標である6.00ドルは、現在の10.70ドル近くの株価をはるかに下回ると同時に、ウォールストリートのプロが予想する中で、最も低い目標でもある。

And yet, Tusa’s view of General Electric may be the most sound, and least swayed by hollow hope.
それでも、トゥーザのゼネラル・エレクトリックに対する見方は、最も健全で、そして、希望が無い状況でも揺るがないかもしれない。

“At this stage of the game, the math is the math,” says Tusa, who believed GE’s free cash flow for the current year will be in the range of $1.5 billion to $2.0 billion. Tusa goes on to explain, however, “I can tell you right now, that $10 per share does not reflect where fundamentals currently stand.”
「ゲームのこの段階では、数学は数学に過ぎない」とトゥサは語る。同氏は、GEの今年のフリーキャッシュフローは15億ドルから20億ドルの範囲になると信じている。しかしトゥサは続けて、「1株当たり10ドルは、ファンダメンタルズの現在の状況を反映したものではないことは、直ちに言える」と説明している。

“They are giving a massive amount of benefit to a significant swing in Power, from negative $3.0 billion in free cash to probably about $1.0 billion(+) in free cash over the next three years,” continues Tusa, who adds “and they are also assuming that GE Capital is zero [in free cash flow]” when the company’s capital arm is still bleeding cash.”
「彼らは今後3年間で、マイナス30億ドルのフリーキャッシュから、おそらく約プラス10億ドルまで、電力部門の利益がV字回復する事で、大幅な利益が得られると考えている」トゥサは続けて、次のように語った。「彼らは、GEキャピタルは(フリーキャッシュフローにおいて)ゼロであると仮定している。キャピタル部門のキャッシュの流出が止められない今の状況でも」

Tusa doesn’t think the company’s Power arm will flip to profitability that quickly. He also points out “GE Capital is not a zero [in terms of cash burn]. GE Capital is a substantial negative … [with] significant drags over the next couple of years.”
トゥサは、同社の電力部門がそれほど早く収益性を向上させるとは考えていない。また、「GEキャピタルはゼロではない(キャッシュバーンの観点から)。 GEキャピタルは実質的にはネガティブであり、今後数年間はマイナス方向に大きく引張るだろう」とも、トゥサは指摘した。

(引用終わり)

相田英男 拝



[80]白々しい言い訳を真に受けて記事にするな
投稿者:相田英男
投稿日:2019-02-14 19:18:47

相田です。

ロイターの記事によると、2018年のガスタービンの受注量を集計したところ、タービン全体のシェアはGEがトップだったのですが、高効率型の最新機(ポストFクラス)の比較では、三菱のJ型がGEのHAの1.5倍の受注を取っていた、とのことです。

ガスタービンの市場全体が縮小傾向にはあります。が、台数が少ないとは言えど、新型機の受注で三菱がGEを打ち破ったのは画期的です。

昨日のダイヤモンドオンラインの記事によると、CEOのカルプが「ガスタービンの売上見込みが、当面の間立たないので、人員削減せざるを得ない」とか、言ったそうです。しかし、真実はその逆で、ガスタービンの人材を大勢解雇してしまったために、性能の低下と欠陥が生じて、結果として、三菱に負けてしまった、という事ではないでしょうか。

市場が縮小したため事業転換するというのは、負け犬の体の良い言い訳に過ぎません。経済情報誌も、外人の白々しい言い訳を鵜呑みにして、安易に記事にするのは、大概にしてほしいです。

(引用始め)

GE wins most 2018 gas turbine orders; Mitsubishi wins on new technology: report
2018年のガスタービン受注はGEがトップだが、新型機では三菱が勝利した

Reuters February 13, 2019
By Alwyn Scott

NEW YORK (Reuters) - General Electric Co booked the most orders for electricity-generating gas turbines in 2018 but fell to second place for the largest and most advanced machines, behind Mitsubishi Hitachi Power Systems, according to a closely watched report seen by Reuters and people familiar with the matter.
ゼネラルエレクトリック社は、2018年において最も多くの発電用ガスタービンを受注したが、大型で、且つ、最新のタイプのタービンの受注では、三菱日立パワーシステムズに敗れて2位に落ちたことを、ロイターおよび専門家は、最新の資料から確認した。

Demand for gas turbines has been tumbling since 2011, stoking fierce competition for deals and prompting manufacturers to slash jobs and close factories. GE is in the midst of a multi-year restructuring of its power business, which lost $808 million last year.
2011年以降のガスタービンの需要は大きく変動した。受注競争は激化し、メーカーは雇用の削減や工場の閉鎖も余儀なくされた。 GEは、電力事業の再編に見舞われ、昨年だけで8億800万ドルのリストラによる損失を計上した。

The latest rankings show Mitsubishi won 41 percent of the orders last year for turbines that can produce 100 megawatts or more, compared with 28 percent for GE and 25 percent for Siemens AG, according to McCoy Power Reports data.
McCoy Powerレポートのデータによると、昨年の100メガワット以上の大型ガスタービンの受注では、三菱(MHPS)のシェアが41%となり、28%のGEと25%のシーメンスを抑えてトップに立った。

Among newest-generation turbines, known as "post F-class," MHPS got 49 percent of orders, compared with 34 percent for GE and 16 percent for Siemens, the data shows.
その中でも、ポストFクラスと呼ばれる最新世代のタービンの受注では、MHPSのシェアは49%と増加し、GEは34%、シーメンスは16%であった。

Orders for the most advanced turbines have dwindled along with the entire market, even though they churn out the most electricity per unit of fuel burned. GE suffered a high-profile breakdown with one of its advanced turbines in Texas last year, and warned it may spend $480 million on repairs for the global fleet.
最先端のタービンの近年の受注量は、単位あたり電力の発生に必要な燃料の消費を最大限に抑えるメリットにもかかわらず、市場全体と共に減少する傾向にある。 GEの開発した先進的なタービンでは、昨年、テキサスの発電所で大規模な故障が生じ、世界中の同型機タービンの修理には、4億8000万ドルを費やす可能性がある。

GE last year held onto its longtime top spot when all orders were counted.
昨年のすべてのタービンの受注がカウントされた時に、長年にわたって占めて来た受注シェアのトップの座を、GEは維持することができた。

The rankings show GE dominated orders for older-technology F-class turbines and that it had an overall tally of 33 percent of orders by capacity, compared with 31 percent for MHPS and 26 percent for Siemens.
このランキングによると、旧式のFクラスタービンの受注では、GEのシェアが33%とトップであり、MHPSが31%、Siemensが26%であった。

GE is "proud to the leader ... as it has been every year since 2010," spokeswoman Kirstin Carvell said. Siemens did not immediately respond to requests for comment.
Mitsubishi said in a statement on Tuesday that its ranking largely reflected orders for its new J-Series turbine, which the company said has greater than 64 percent efficiency and 99.5 percent reliability.
GE広報担当者のKirstin Carvellは、「2010年から毎年、タービン受注シェアのリーダーであることを、GEは誇りに思っている」と述べた。 シーメンスはコメントの要請に即答しなかった。三菱は火曜日の声明の中で、「そのランク付けの結果は、大きくは、我々が開発した64パーセント以上の効率と99.5パーセントの信頼性を持つ、新型のJシリーズタービンの受注を反映している」と語った

(Reporting by Alwyn Scott; Editing by Dan Grebler)

(引用終わり)

相田英男 拝



[78]経済情報誌の記事はデタラメだ
投稿者:相田英男
投稿日:2019-02-13 18:48:26

相田英男です。

ダイヤモンドオンラインで、GEについてのコメントが出ていた。内容は、新しいCEOのカルプのリストラの効果で、GEの株価が大きく上昇しているというものだ。今後は火力発電事業から、再生可能エネルギーに経営の軸足を移して、復帰を模索している。日本のメーカーも、GEを見習って、リストラと事業転換を進めるべきだ。そうしないと、世界の流れから取り残されるだろう、と警告している。

はっきり言って、この記事の内容は、頭がおかしいのか、と思う。此の期に及んでまで、アメリカの肩を持ち続ける、提灯持ちの考え方に、私は唖然とせざるを得ない。

そもそも、根本的なところの理解が、この記事は間違っている。GEの株価が最近上がったのは、新CEOのリストラの効果などではない。JPモルガン・チェースの著名なアナリストである、スティーブン・トゥサが、昨年の11月の終わりだかに、GEの株価の今後の方向性を、ネガティヴからニュートラルに変更する、とコメントしたからだ。それ以来、7ドルを下回っていたGEの株価は、上昇に転じて、最近ようやく10ドルを超えた。

要するに、スティーブン・トゥサが「GEの株価はこれから上がる」と発言したので、株価が上がった、それだけのことだ。

スティーブン・トゥサのGE株価の予測はよく当たる。本当に当たる。かつて、GE株価が14ドル位の時に、トゥサが「GEの株価目標は11ドルだ」と言ったら、本当に11ドルまで下がった。昨年秋にCEOがカルプに交代した際に、トゥサは「6ドルまで株価は下がる」と言うと、本当に7ドル以下になった。あれには私は驚いた。GEの株価を日々追っていないと、わからない話なのだが。

あまりに予測が当たるので、日本で米国株をやっている個人投資家達の一部では「トゥサ尊師」とまで呼ばれている。ただし、GEの株価のみの限定予測なのが問題だ。

最近のトゥサ尊師の御告げでは、「目標株価を6ドルのまま据え置く」と仰った記事を私は見た、たぶん。なのでこれから、GEの株価はジリジリと下がり続けるだろう。トゥサの御告げも、別に適当な思いつきではない。司法省によるGEキャピタルへの会計調査は済んだものの、証券取引委員会(SEC)の調査の結論が、まだ出ていない。こっちは多分、相当に揉めている。HAガスタービンのブレードを毎年全数交換するのに、LTSAが黒字になる筈がないからだ。それ以外にも、まだまだ爆弾がGEには隠れているだろう。トゥサはその事を、よく知っているのだ。

この数年の間に、30兆円もの株式時価総額を減らした会社に、「復活の兆しが見えてくる」などとは、随分と暖かく見守っているではないか。東芝が一連の騒ぎで計上した損失を合わせても、数兆円に過ぎないのではないか?東芝の時は、やれ崩壊だ何だ、と、散々叩いた。その一方で、東芝の10倍以上の莫大な損失を出した、外国の会社の肩を持つとは、一体どの様な判断の基準なのか?経済情報誌のコメントとして、あまりにも理解に苦しむのは、私だけであろうか?

米国株投資家達の間では、GEはもはやボロクズの爆下げ株の筆頭だ。日々真剣に情報を追っている彼らの方が、よほど真実を見抜いている。

(引用始め)

1万人削減で株価上げたGE新CEOに立ちはだかるドイツの巨人
2/12(火) 6:00配信

 低迷していた米ゼネラル・エレクトリック(GE)の株価が上昇に転じている。昨年、社外出身者として初めてCEO(最高経営責任者)に就任したローレンス・カルプ氏が、大なたを振るっているためだ。

カルプ氏は1月31日、2018年10~12月期決算会見で、火力発電への逆風で不振にあえぐ電力部門のリストラを断行していることを何度も強調した。

 具体的な成果として、1万2000人のリストラ計画のうち1万人(電力部門人員の15%相当)を削減したことと、生産施設の3割を統廃合したことをアピールした。

 さらに、今後の市場動向についてシビアな見方を示した。顧客に引き渡される世界の発電用ガスタービンの総発電容量は2000~15年の平均約70ギガワットから25~30ギガワットに落ち込み、当面回復しないという。

 カルプ氏は「新たな現実に電力事業のコスト構造を合わせなければならない」と述べた。

 こうしたネガティブな発表にもかかわらず、GEの株価は同日、12%も上昇し、翌日も続伸した。

 株価急伸の背景には、損失発生リスクだった金融部門の住宅ローン事業をめぐる司法省の調査が同省との和解で決着したことによる安堵感がある。そして何より、そうやってリスクを切り離そうとするカルプ氏の経営姿勢が評価されたといえる。

● 再エネでの挽回が鍵

 もっとも、電力部門などのGEの主力事業が輝きを取り戻すのは容易ではない。かつて成長分野に位置付けていた医療機器部門などを分社し、一部売却も予定されており、稼ぎ頭は減っていく。

 再生の鍵になるのは火力から再生可能エネルギーへのシフトだ。

 GEは決算前日、送配電網や蓄電システム事業を再生可能エネルギー部門に移行、統合すると発表。発送電や蓄電を含め電力流通全体を効率化するソリューション事業を伸ばす方針を明らかにした。

 だが、風力など発電量が不安定な再生可能エネルギーを活用しながら電力を安定供給する技術では独シーメンスに一日の長がある。

 しかも、GEには発電機などの産業用機器のデータを集め、解析するIoT(モノのインターネット)で成長を遂げる戦略が頓挫した苦い経験がある。

 そうした厳しい条件をクリアし、再生可能エネルギーを核とした電力の最適化でシェアを奪還できれば、GE復活の兆しが見えてくる。

 片や、日系企業はどうか。火力発電機器でGE、シーメンスと肩を並べる三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は人員削減も工場再編も小幅にとどまり、再生可能エネルギーなどへの事業転換も打ち出せていない。GEほどの派手な構造改革は難しいにしても、早めに抜本的な策を考えなければ手遅れになりかねない。

「週刊ダイヤモンド」編集部

(引用終わり)

相田英男 拝



[77]HAガスタービンのブレード寿命は7,000時間しかない
投稿者:相田英男
投稿日:2019-01-28 19:18:38

相田英男です。

私が追うべき話題は、やはりGEの動向です。
最近GEの株価が10ドル近くまで、少しずつ戻りつつあります。

GEが抱える多くの事業の中で、資産価値の高そうな、航空機リース事業とか鉄道事業などを売却しそうだ、というニュースが流れる度に、株価が僅かずつ上がって行くようです。鉄道事業については、経営の何割かを売却する事が決まったみたいです。

こんな感じで、手持ちの事業を切売りしながら、しばらくは凌ぐのでしょう。

しかし問題は、どうやって、将来の長期的な収益を上げて行くかです。現状のリストラ計画では、金融事業とメディカル事業は売却して、残ったジェットエンジン製造と電力プラント事業に集約するとの計画です。かつては、事業の間をIoT(物のインターネット化技術)で繋いで収益の柱にすると、当時のイメルトCEOは打上げたものの、結局はデジタル事業の大部分を売却してしまいました。

やはり、本業で稼ぐには、大赤字になっている電力事業を立て直すしか道はありません。そのGEの電力事業のコア技術となるべきは、発電用ガスタービンです。しかし、目下の最大の懸念事項である、HA型ガスタービンのブレードトラブルの状況について、GEは何も言わないままです。

そのブレードトラブルについては、メディアの中ではロイターのみが、地道に取材を続けて動向を追っています。今回、新たなロイターの記事がでたので、全文を私の意訳付きで掲載します。

ロイターの記事によると、昨年9月に起きたテキサスのエクセロンのトラブルの以前にも、自社のプラントで同様のブレードの破損が起きていたそうです。タービンは一つ前のタイプでしたが、破損の原因を十分に解明しないまま、新型のHA型タービンの顧客への引き渡しが始まってしまった、とのこと。うーむ、本来なら原因がはっきりするまで、顧客に渡すのを待つべきなのでしょうけど。三菱のJ型タービンに早く追いつきたいと、焦ったんですかね?

最も衝撃的なのは、交換後のタービンブレードの使用時間を7,000時間未満にするように、GEが顧客にお願いしていることです。それ以上ブレードを使用すると、き裂(クラック)がブレードに徐々に生じて損傷が加速される、というのです。7,000時間といえば一年未満ですから、毎年タービンを止めてはブレード全数を交換しなければならない、ということですよね。HAタービンの場合は。

本来なら25,000時間(約3年前)の使用を想定している筈が、とてもそこまでは保たないそうです。でも、毎年全数を交換するなら、長期保守契約(LTSA)などそもそも必要ありません。逆に、LTSAを結んでしまうと、ブレード交換費用のかなりの割合がGEの持ち出しになり、GE側が大赤字になります。事実は、既にそうなっているのでしょう。GEの呼びかけによる極秘会議が、ロンドンのロイズ(保険会社の)の古い図書室で開かれて、そこで説明されたらしいですが。

解決には抜本的な技術改善策が必要なのですが、どうも難しいみたいですね。下町ロケットみたいには、カッコ良くは行かないようです。しかし、HAタービンのブレード修理の目処が付かないと、SEC(アメリカ証券取引委員会)が進めている、会計調査の結論がだせません。というか、そちらの内容でSECとGEの間ですごく揉めているのでしょうが、おそらくは。

今の状況では、GEのガスタービンを売って保守契約で稼ぐというビジネスモデルは、完全に破綻しています。私が、GEはこれからも、もうダメだという根拠は、この辺にあります。

(引用始め)
Reuters, January 25, 2019
By Alwyn Scott

GE urges speedy fix for power turbine blades, says blade broke in 2015: sources
GEはタービンブレードの修理を急ぐ一方で、2015年に既にブレード故障が起きた、と語る

NEW YORK (Reuters) - General Electric Co is advising some buyers of its big power turbines to switch out faulty blades sooner than expected and has disclosed that a blade broke in 2015, according to a presentation reviewed by Reuters and people briefed on the matter.
ニューヨーク(ロイター) - ゼネラル・エレクトリック社は、発電用大型ガスタービンの一部の購入者に、予定期間よりも早く故障したブレードを交換するように呼びかけている。一方で、ロイターおよび関係者への発表では、ブレードの故障は2015年に既に生じたと述べた。

The second blade break, which has not been previously reported, involved an earlier turbine model and was similar to a break last September that severely damaged a turbine in Texas and shut it down for two months of repairs.
今まで未発表だった2015年のブレードの故障は、HA型の一つ前の型式のタービンにも関係するもので、昨年9月のテキサス州のHA型タービンの深刻な損傷と似たものであった。テキサスではタービンを修理するため、2ヶ月間プラントを停止した。

The defective blade issue affects GE's newest turbine technology, which cost billions of dollars to develop, and is among the challenges facing new Chief Executive Larry Culp as he tries to revive the profits and share price of the 127-year-old conglomerate.
このブレードの欠陥問題は、開発に数十億ドルかかるGEの最新のタービン技術に影響するもので、127年の歴史を持つコングロマリットの、利益と株価を復活させようとしている、新CEOのLarry Culpが直面する課題の1つである。

GE's advice for fixing the problem can curb turbine use by utilities, according to the sources and utilities that use GE turbines, potentially threatening the revenue streams at the power plants.
GEのタービンを使用しているユーザーや公益事業者のコメントによれば、この問題を解決するためのGEのアドバイスは、ユーザーのタービンの使用を抑制し、結果、発電所の収入源を脅かす可能性がある。

At private meetings in Florida and London last month, GE executives said the company is offering extended warranty coverage and making spare parts available to ease concerns of insurers, lenders and utilities interested in buying turbines, according to a GE executive's slideshow presentation and three people who attended the meetings. Some said they signed non-disclosure agreements.
先月のフロリダとロンドンで行われたプライベートな会議の場で、GEの幹部はスライド資料を用いて、タービンの購入に関心を持つ保険会社、貸し手、公益事業者達の懸念を和らげるために、タービンの保証期間の延長とスペアパーツの製造を増加すると説明した。参加した3人の関係者によると、彼らの幾人かは、会議の場で秘密保持契約に署名したと述べた。

GE told participants that turbines with at-risk blades should run for fewer than about 7,000 hours depending on individual plant circumstances, before shutting down for blade replacement, according to two people who attended the meetings. GE said it had advised customers of the change. GE's previous guidance for blades was after 25,000 hours.
会議に出席した2人によると、GEは参加者に、危険なブレードを備えたタービンは、個々のプラントの状況を考慮して、運転時間を7,000時間未満に制限して、ブレードを交換するべきであると語った。GEの以前のブレードに関する手引書では、交換までの運転時間は25,000時間後だった。

The executives also said in the meetings that the blade that broke in 2015 at an undisclosed power plant was in a GE 9FB turbine, which has similar technology to the HA turbine that broke in Texas. The 2015 break prompted GE to work on new protective coatings and alter a heat treatment process for the parts, a second presentation showed.
GEの幹部らはまたその会議で、GEが管理する非公開の発電所で2015年に壊れたブレードは、テキサス州で壊れたHAタービンと同様の技術を持つ、一世代前の9FBタービンであると述べた。 2015年のブレードの故障を受けて、GEは新しいブレード表面の保護コーティングと、熱処理プロセスの変更に取り組むこととなった。

GE told Reuters that after the blade broke in 2015, GE did not know at first that the problem would also afflict its HA models.
GEは、2015年に9FBタービンのブレードが壊れた後、その問題がHAモデルにも影響するだろうことを、最初は考えなかったと、ロイターに語った。

"The HA components were in development before the initial 9FB issue occurred, and the HA units began to ship while the root-cause analysis was in process and before it was determined that it was a component issue that impacted the 9FB fleet and the HA," GE said in a statement to Reuters.
「最初の9FBの問題が発生する前に、HAガスタービンは既に開発中だった。トラブルの根本原因の分析は継続していたが、9FBタイプとHAタイプの両方に影響を与える部品(ブレード)の問題である、と結論が出される前に、HAユニットは出荷を開始した。」GEはロイターへの声明で、このように述べた。

GE declined to provide more detail about the 2015 blade break or usage restrictions, saying some of the information is proprietary.
GEは、2015年のブレードの故障、または使用制限に関する詳細を報告することを拒否した。一部の情報は独自のものであると述べた。

"We are executing the plan we laid out to fix the (blade) issue," GE said in a statement to Reuters. "The feedback from customers has been positive, and they continue to choose the HA, which remains the fastest-growing fleet of advanced technology turbines in the world today."
「我々はブレード問題を解決するための計画を実行している」とGEはロイターへの声明で述べた。 「顧客からのフィードバックは前向きなもので、彼らは引き続きHA型タービンを選択して頂いている。HAは現在も世界で最も急成長している、先進技術を持つタービンである。」

The details from GE's meetings come as GE is installing new blades in about 50 9FB and 52 HA turbines, according to a person familiar with the matter, fewer than the 130 estimated after the blade break in Texas prompted it to warn that other turbines are at risk for blade failure.
この会議の詳細から、GEは現在、約50機の9FBタービンと52機のHAタービンに、新しいブレードが取り付けられていることが、明らかになった。この問題に精通している人によれば、テキサス州でのブレード損傷後に、130機未満のタービンで同等のトラブルが予想されと語った。この事は、他のタービンにもブレード故障の危険があるとの警告を促している。

Reuters previously reported that GE found an oxidation problem, not a break, in 2015 and developed a fix before the failure in Texas.
ロイター通信は以前、GEは2015年に、破損(break)ではなく、酸化(oxidation )の問題を発見し、テキサス州でのトラブルの前に解決策を開発したと報告した。

Scaling back use of GE turbines reduces how much electricity they produce, a threat to revenues and profits for Exelon Corp, PSEG Power LLC, Chubu Electric Power Co Inc and others with the 400-ton GE machines that form the core of modern gas-fired power plants, according to utilities and industry experts.
電力会業界の専門家によると、GEタービンの停止による発電量の低下は、エクセロン、PSEGパワー、中部電力などの、400トンのGEの最新ガス火力発電機器を使用する電力会社の、収益を脅かすことになる。

Japan's Chubu Electric said it learned about the blade problem with its six new GE turbines last October. It is restricting operation time at one of the two plants that use GE's HA turbines, but expects to have "enough reserve capacity to generate sufficient electricity to meet demand during this winter," a spokesman told Reuters. He said Chubu will tally the financial impact "depending on how long the plants would be shut down" to replace blades. It expects repairs to be completed by the end of February.
日本の中部電力は、昨年10月に6基の新しいGEタービンのブレード問題について、GEから教わったと語った。広報担当者によると、GEのHAタービンを使用している2つの発電所のうちの1つで、タービン運転時間が制限されている。しかし「この冬の需要を満たすのに十分な電力を生み出す、予備容量がある」と語った。中部電力は、ブレードを交換するための「プラントの閉鎖期間に応じ」て、財務上の影響を集計すると述べた。タービンの修理は2月末までに完了する予定である。

PSEG Power and Exelon, based in the United States, declined to comment on how restrictions would affect them.
米国を拠点とする電力会社のPSEGパワーとエクセロンは、タービンの使用制限が与える影響についてコメントを控えた。

GE is continuing to sell turbines in a slumping market for big power plants, where it has lost share to rivals Mitsubishi Hitachi Power Systems and Siemens AG. GE has said it booked orders for three large turbines last month.
GEは、低迷する大型発電所向けの市場でタービンを販売し続けているものの、競合他社である三菱日立パワーシステムズ、およびシーメンスAGにより、そのシェアを失った。 GEは先月、3つの大型タービンを受注したと発表した。

GE's share price fell after GE revealed a blade issue in Texas on September 19, saying such "teething problems" are not uncommon with new technology and would require "minor adjustments" to fix. GE has said it would set aside $480 million for repairs and warranty claims.
GEが9月19日にテキサス州でブレードの問題を明らかにした後、GEの株価は下落した。GE は、そのような「ブレード先端がギザギザになる問題」は、新技術では珍しくなく、修理するために「細かい調整」を必要とする。 GEは、修理および保証請求のために4億8,000万ドルを確保すると発表した。

Three days after the break in Texas became known, Electricite de France SA shut down its HA turbine to replace blades. EDF did not respond to requests for comment.
テキサス州での停止が発表されてから3日後、フランスの電力会社のElectricite de France SAは、ブレードを交換するためにHAタービンを停止した。 EDFはコメント要請に応じなかった。

At the London meeting, about 100 insurance industry people gathered in the oak-paneled Old Library room of Lloyd's of London on December 13, according to the sources, who spoke on condition of anonymity to discuss confidential information.
ある匿名の情報提供者によると、12月13日のロンドンの私的会議では、約100人の保険、産業業界の人々が、ロイズのオーク材パネルで囲まれた古い図書館の部屋に集まった。

GE power executives Marcus Scholz and Tom Dreisbach gave presentations about GE's turbine technology. In its turbine documentation, GE has advised its power customers to inspect turbines with so-called "Generation 1" blades after 25,000 hours of use. GE said its improved blades, known as "Generation 2," are designed to last 25,000 hours or more before being replaced.
そこでは、GEパワーの幹部のMarcus ScholzとTom Dreisbachが、GEのタービン技術について説明した。GEの説明文書では、いわゆる「第1世代」のブレードを使用したタービンの場合、25,000時間使用した後に検査するように、GEは電力会社にアドバイスしている。「第2世代」と呼ばれる改良されたブレードは、交換までに25,000時間以上使用できるように設計されている、とGEは述べた。

According to page 11 of his presentation, Dreisbach said the Generation 1 blade that broke in 2015 failed after 22,000 hours. New parts treated with a special coating were inspected by technicians after about 12,000 and 16,000 hours and "cracking (was) still observed," the presentation said.
説明文書の11ページによると、Dreisbachは、2015年に壊れた第1世代ブレードは22,000時間後に故障したと述べた。 表面を特別なコーティング処理された新しいブレードは、約12,000および16,000時間後に技術者によって検査され、「クラッキング(き裂)が(もう既に)生じていた」と、発表では述べた。

GE inspected other turbines at about 7,000 hours and "early stages of cracking (were) observed," the presentation said.
GEはさらに、約7,000時間運動後の他のタービンを検査した結果、「クラッキングの初期段階が、ブレードで観察された」と述べた。

(Reporting by Alwyn Scott; Additional reporting by Yuka Obayashi in Tokyo; Editing by Joe White and Edward Tobin)

(引用終わり)

相田英男 拝



[74]原発を再稼働させないのは反対派ではない
投稿者:相田英男
投稿日:2019-01-25 12:26:34

相田です。

日立の原発建設中断の発表と同時期に、経団連の中西会長の原発再稼働を訴える発言が、ニュースに出ていた。日立の現会長でもある中西氏は、今回の英国原発の建設を強引に進めた張本人として、評論家から叩かれている。それ以外にも、大学生の就活ルールを撤廃しろとか、経団連会長の部屋で初めてパソコンを使った、とかの、ユニークなネタを色々と提供する人物である。しかし、これくらい間抜けっぽく見える人物がトップにいる方が、海外の経済ヤクザ集団も油断して、日本への厳しい攻撃が和らぐのでは、とも思える。

(引用始め)

「原子力を人類のために」経団連会長、原発再稼働を訴え
朝日新聞デジタル、2019年1月16日13時32

経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)は15日、原発の再稼働が進まない状況について、「私はどんどん進めるべきだと思っている。原子力というエネルギーを人類のために使うべきだ」との見解を示した。そのうえで「原子力に関する議論が不足している」と述べ、政界や学界などを巻き込んだ討論会の開催を訴えた。

同日の定例会見で記者の質問に答えた。中西会長は「安全性の議論を尽くした原発も多いが、自治体が同意しないので動かせない。次のステップにどうやって進めるのか。電力会社だけの責任では済まされない」と語った。

エネルギーのあり方について中西会長は「長期的にみた場合、再生可能エネルギーでまかなえるとは思っていない。現在、電力源の8割を化石燃料に頼っていることも問題だ」と訴えた。新増設についても「私の世代はいいが、次の世代では原発がなくなってしまう。そのとき日本の電力事情がどうなるのか。大変危ない橋を渡っている」と述べた。

(引用終わり)

さて、日立は原発を作る会社なので、中西氏が原発再稼働を訴えるのは、立場としてはおかしな話では無い。しかし、中西氏の上の発言には、ひとつだけ大きな事実の誤認があると、私には思える。中西氏はコンピュータ事業の担当だったらしいので、重電部門の状況にはあまり詳しくないようだ。

(引用始め)

中西会長は「安全性の議論を尽くした原発も多いが、自治体が同意しないので動かせない。次のステップにどうやって進めるのか。電力会社だけの責任では済まされない」と語った。

(引用終わり)

現在停止している日本の原発が動かせないのは、地元の自治体が反対しているから、というのが中西氏の主張である。原発反対派の琴線に触れる微妙な発言だ。しかし本当は違う、と私は最近思うようになった。

私は福島原発事故の後で、日本で原子力技術が導入される歴史について、多くの資料を読みながら紐解いている。その結果の一部をまとめて、一昨年に出した東芝本の後半に入れた。その過程で、まだ納得出来ない事も多いのだが、頭の中に浮かんだ仮説が一つある。

今の日本で、原発が再稼働できない大きな理由は、原発の地元の自治体や、一般市民による反対運動では無い。原発再稼働に反対するのは、実は日本政府である。具体的には、経済産業省の役人達が、原発の再稼働に密かに強く反対してるのだ、と、私は考えている。

私の考えは、一般のニュースや評論家達の主張と真逆である。他の方の主張では、安倍総理を影で支える経済産業省の役人達は、原発再稼働と外国への原発の輸出を、国策として推進している。それが上手くゆかずに、東芝は破綻し、東京電力の幹部達は裁判にかけられ、日立の英国での原発建設は中断の憂き目にあった。この一連のストーリーが、繰り返し述べられる。

しかし、その話は事実ではない。フェイクである。

経済産業省の役人達は、本当は、原発の再稼働を出来るだけやりたくないのだ。何故なら、それが彼らに、大きな利益をもたらすからだ。

そもそも、経済産業省とは、日本の経済活動が活発になり、国民全体が豊かになる事を目指すための組織であろう。しかし、彼らは実際には、そのための努力を全く怠っている。

今の日本では、原発が動いた方が、電力が安定供給され、電力会社の抱える負債は低下する。結果、電気料金は値下がりし、市民の生活は楽になるのは明白だ。工場が使う電気代も下がるので、いい事尽くめである。でも、現状では国民に原発の安全性について、納得してもらえない、というのが、通説だ。

でも、納得させたいならば、単純に、国民に対して繰り返し説明をすれば良いではないか。説明すべき主なものは、次の三点だろう。

①原発を安全に動かせるか
②福島事故で放出された放射線の生活への影響(要するに、年間100mSv以下の低線量放射線の被曝により、癌になり得るのか)
③放射性廃棄物(核のゴミ)の保管と処理の方法

この三点は全て、専門的には大きな問題は無いと、説明出来る筈だ。色々と批判もあろうが、大学の専門家達に声を掛けて、繰り返し説明する場を作るべきでは無いだろうか。既にリタイアされているが、湯川秀樹の後期の弟子である、元物理学会会長の坂東昌子氏のように、原子力業界に好意的な学者も数多くいる。専門家として理詰めに考えると、原発反対派の主張には、おかしな事が沢山ある。専門家の誰もが、武田邦彦のような、売名が目的のインチキ学者ばかりではない。彼ら(彼女ら)の、真当な専門家達の意見を集める努力を、経済産業省はすべきであろう。役人達が原発の再稼働を本当に望むのであれば。

しかし、役人達は、国民を説得しようとする努力を何もしない。私は、これは、何らかの目的を持った、意図的な役人達のサボタージュだと思っている。

話が長くなるので、結論を書く。

経済産業省の役人達の目的は、電力会社が持っている、発電、送電事業の主導権を奪うことにある。原発の殆どが再稼働できない今の状況では、電力会社には大きな赤字が積み上がって行く。この動きを役人達は、意図的に加速させている。

最終的には役人達は、「電力自由化」の美しい掛け声の下で、発電、送電共に、今の電力会社とは別の、数十の新しい民間企業に細かく分散させるつもりだろう。アメリカやイギリスのように。そうすると、当然ながら、今よりも停電が頻繁するようになる。そのため、多数の企業間を規制、調整するための、新しいルールが必要となる。天下りの為の、新たな調整組織も多数作られるだろう。役人達が口出しする機会が、当然ながら、今よりも増す事になる。

現在の国内九電力会社を潰してその利権を奪う、そのためのレバレッジとして、原発の再稼働を意図的に遅らせている、と私は考えている。福島事故の責任の全てを電力会社に被せて、その隙に全てを奪うつもりなのだ。流石は東大卒のエリート達が考える作戦だ。あまりにもスマート、かつ、悪どすぎるやり口である。

本当は、今の国内の九電力会社と経済産業省(旧通産省)は、物凄く仲が悪いのだ。電力会社は、政府に可能な限り口出ししないで欲しいと、強く望んでいる。だから原発導入時に電力会社は、政府が主導する国産原発技術の開発を断って、アメリカからの軽水炉の導入を進めたのだ、という事に、ようやく私は気づいた処である。

経済産業省と電力会社の仲が悪いと明言した資料は、殆どない。しかし私はこの事を、森一久(もりかずひさ)という人物の、インタビューの発言から気づいた。森一久は、京都大学の湯川秀樹の弟子であり、卒業後に出版社に勤めたのちに、原子力産業会議(原産)という組織の重鎮として活動した。原産とは原子力開発をPRするために、正力松太郎初代原子力委員長が作った、体制側のプロパガンダ組織である。森は体制側の人物であるが、湯川仕込みの、真っ当な理科系の技術センスを持っていたため、原子力開発の経緯について、批判的な意見を数多く残している。

森の残したコメントの中で、戦後の電力会社には「国管アレルギー」の雰囲気が強く残っていた、という内容が、繰り返し出てくる。「国管アレルギー」とは、電力会社が政府に色々と口出しされたくない、介入されたくない、という拒否反応である。このような雰囲気が、戦後の電力会社と政府の間に強く存在し、原子力事業にも影響した、と森は語っている。

日本の電力産業の歴史については、数多くの文献がある。明治以降に外国の技術を受け入れて、百社を超える売電会社が国内に作られた。しかし、日中戦争が勃発し翼賛体制が強まる中で、電力会社は政府により日本発送電という一社に、強引に集約されてしまう。戦後になり、松永安左エ門(まつながやすざえもん)の活躍などで、地域ごとの9つに分割された体制が作られて今に至る。戦後の電力会社には、国により強引に体制を引き回された記憶が、強烈に残っており、国の事業への介入を可能な限り拒絶したい、と内心で思い続けているのだという。これが「国管アレルギー」の概要だ。

私は「国管アレルギー」という言葉を見た時、その意味がよくわからなかった。しかし、森の話を繰り返し読むことで気づいたのが、要するに、電力会社は政府を非常に嫌っており、お互いの仲が悪い、という事だった。森によると、「国管アレルギー」とは当時の「雰囲気」であり、関係者達はお互いを嫌いだ、などという発言など、当然ながら全くしていない。しかし、そのような「雰囲気」は確かにあったのであり、私は記録として残すべきと思う、と語っている。

森一久の残した記録の中で、「国管アレルギー」は最も重要な内容だと私は考える。この考えに従うと、今の原子力の状況が、良く理解出来る。経済産業省の役人達には、電力会社から発電事業の主導権を奪う事が、半世紀以上の時間を経て引き継がれた組織の悲願なのだ。原発が再稼働できない今の状況は、組織の悲願を達成するための絶好のチャンスである。そのため、電力会社の力が衰えるのを、彼らは、ただ傍観しているのだ。

原発が停止したことで、日本は化石燃料を海外から、年間3兆円くらい買わざるを得ないという。年間3兆円のムダ金がただ飛んで行くのを、経済産業省の連中は傍観している。3兆円の損失よりも、自分達の組織の悲願が成就する事が、経済産業省には優先らしい。

経済産業省とは、一体何のための役所であるのか?胸に手を当てて考えてみれば良い。

相田英男 拝

追伸

森一久のインタビューは、私の尊敬するフェレイラ氏という技術者の方のブログで取り上げられ、初めて知った。興味ある方は御参照されたい。
ferreira.exblog.jp



[72]実は勝ったのは日本だ
投稿者:相田英男
投稿日:2019-01-19 19:53:06

相田英男です。

日立が英国で計画を進めていた、原発の建設を取りやめて、三千億円の損失を計上すると、経営陣が会見で語ったという。私が以前に出した本の中で、日立は原発を必ず作るだろうと断言したが、私の予想は外れた。

しかし今回の原発建設の中止の、本当の意味は、日本の原子力村の敗北や打撃では無いと、私は考える。

今回の、英国での原発中止の発表は、日立の、いや、日本の全部の重電機メーカーの − ただし東芝だけ除く − 勝利宣言である。

一体、何に対しての勝利なのか?

それは決まっているではないか。アメリカへの、ゼネラルエレクトリック(GE)に対しての、高らかな勝利宣言である。かつての太平洋戦争では日本は大負けしたが、重電機技術の競争では、遂にアメリカを打ち破った、という事だ。

ただし、圧倒的な派手な勝利ではなかった。ベトナム戦争で、B52爆撃機から大量の爆弾を落とされながらも、ベトコンが竹槍でアメリカ軍を敗走させたような、壮絶な、長いゲリラ戦だった。犠牲も多かった。東芝はボロボロになって一流メーカーから転落した。その前に、GEの設計基準に従ったまま、安全対策を疎かにした福島第一原発は、震災でメルトダウンした。それでも、最後の、この土壇場になって、GEの方があっけなく自壊してしまった。そして、今回の勝利宣言に至ったのだ。

表では失望した表情で記者会見するものの、裏では、日立と三菱の上層部役員達は、それぞれか、はたまた一緒にか、祝杯を交わしながら歓声を、遠慮がちではあろうが、あげている筈だ。東芝の幹部達とそのOBだけは、苦虫を噛み潰しているだろう。「ああ、俺たちは、やっぱりGEに、騙されて終わったんだ」と。

一連のニュースでは全くコメントされないが、今回の英国での原発建設事業は、日立とGEとの合弁会社で進められている。英語表記では “GE−Hitachi Nuclear Energy”と、呼ばれており、GEの方が日立よりも先に来る。海外のネームバリューは、日立よりもGEの方が、当然ながら上だ。だから今回の建設中止は、GEの国際プロジェクトの破綻の一つでもある。

このプロジェクトが持ち上がった時には、イメルトCEOの時代で、まだまだGEの力は強かった。リーマン危機で損失も出したが、GEはまだ金を相当に持っていた。それで、米国側はベクテルが、日本側は日揮がプラント建設を請け負うことで、計画が進んでいた。しかし、昨年になりGEが3兆円もの巨額の赤字を計上し、GEの株価は一気に下落した。GEの金が期待できなくなったベクテルは、真っ先にプロジェクトから足抜けした。

以前の日立ならば、GEに遠慮して、中止の決断を自ら言い出せなかっただろう。しかし、情勢は大きく変わったのだ。日立はGEの目を気にすることなく、経済的合理性のみを考慮して、建設中止を決めた。日本の重電メーカーが、遂にアメリカの束縛を気にせずに、自由に事業の決断が出来る時代になったのだ。

今となっては原発の建設よりも、GEの崩壊の方が日本のメーカーには重要事項だ。これからは、GEの影響の無い新たなスキームでの事業展開を、早急に構築しなかればならない。具体的には、中国メーカーとの対応方法が重要だ。日本が原発の輸出をやめても、中国とロシアはドンドン原発を外国に売る。日本の左翼は「原発を輸出するな」と怒るのだが、何と、共産主義を掲げる2大超大国が、日本の代わりに原発を作り続ける、皮肉な状況になる。日本では原発全部をパッケージで作る事は出来なくとも、大型の蒸気タービンや、高精度の部品や、日本製鋼所の圧力容器等は、これからも必要とされるだろう。

BWR型軽水炉など、東芝も日立も、本当は作りたくなかったのだ。アメリカ様から脅されて、渋々作り始めた原発だった。戦後の平和憲法と同じような、アメリカからの「押し付け原発」だ。これを機に日本は、BWR の建設からきっぱり足を洗って、GEのしがらみを断ち切れる。なんともありがたいことである。

日本がGEに勝てたのは、発電用ガスタービンの開発競争で、三菱重工が一歩も引かなかった事が大きい。三菱にガスタービンの開発をやらせたのは、東北電力だった。東北電力はガスタービンの技術を、GEに全て握られるのは危険だと考えて、三菱を応援した。それで、三菱が最初に開発した高性能ガスタービン(G型)を、東北電力は新潟の発電所に、世界で初めて導入した。東京電力は別にGEのガスタービンだけでいいじゃん、というスタンスだった。東京電力が富津の火力発電所で、GEのH型ガスタービンを動かしたのは、新潟の後だった。

東北電力のアシストで勢いを得た三菱重工は、GEのH型ガスタービンを超える性能の、J型ガスタービンの実用化に成功した。焦ったGEは、同等性能のHA(アドバンスドH型)ガスタービンを、三菱に遅れて製品化する。しかし、その頼りとするHA型ガスタービンが、ブレードのトラブルにより、世界中のプラントで次々と運転停止に追い込まれているのは、周知の事実だ。HA型ガスタービンには欠陥がある。慢心したGEが技術開発を怠ったツケが巡ってきたのだ。日本のメーカーと電力会社の連携が、GEを打ち倒したといえる。

しかし、勝ったからとはいえ、あからさまに喜びを見せないところが肝心だ。調子に乗ると、アメリカがすぐに叩きに来る。当面は死んだふり作戦でやり過ごすのだ。「いやあ、うちも三千億円も赤字で大変なんです」とか、「MRJが、なかなか売れませんでねえ」とか、記者会見の度に、しかめ面しながら謝り続ければよい。いずれGEはもっと崩れる。東芝も、GEがこれから切り離す事業を、安値買いできる機会をじっくりと見極めることだ。

流れは完全に変わったのだ。

相田英男 拝



[70]三角関数が解けても、優越感とか誰も持たないよ
投稿者:相田英男
投稿日:2019-01-09 20:52:39

相田です。

年明けから、どうでもいい的な話が続くかもしれませんが、橋下徹が「三角関数はいらない」と主張しているのについて、気になって読んでみました。彼の主張の最初の方だけ引用します。

(引用始め)

僕は大学生の頃は天皇制に反対だった。少し本を読みだした大学生にありがちな、青臭い頭でっかちな理屈を基にしてね。いわゆる大学という狭い世界に閉じこもったり、本を読んで知識を持っていることが立派だと勘違いしたりした者が、世の中を語るとおかしな方向に行ってしまう典型例。

そういうインテリ連中の多くは、国民のことを「大衆」などとバカにし、国民の感覚で政治を行うことを「ポピュリズム」と批判するけど、教育レベルがある程度高い国においては、自分たちは賢いと信じているインテリたちの感覚よりも、国民大多数の感覚の方が賢明なことが多い。

お正月にAbemaTV「NEWS BAR 橋下」のスペシャルで教育が話題になったときに、「三角関数なんて大人になってから使ったことがない。国民全員が絶対に学ぶべき義務教育と、さらに深く勉強する教育は分けて、後者は選択制にすればいい」旨、僕は発言し、その発言概要がネットで出回った。

そしたら僕を批判する連中が、世の中で三角関数は使われている! 建築、建設の現場で三角関数は使われている! 俺は料理をするときにも三角関数を使っている! 人生の選択の幅を広げるためにも三角関数は必要だ! 三角関数くらい人間の教養として必要不可欠だ! なんて喚き始めた。

中には、難しい数学の世界や物理の世界の話を持ち出して来て、「俺は三角関数を知っているからこういう話の面白さを理解することができるんだ、凄いだろ?」とその道のプロの学者でもない一般人が悦に入っているものも多くあった。

この人たちの話を聞くと、あー、三角関数を知っていることで優越感を持ちたいんだな、と感じたね。

三角関数が世の中で使われていることくらい、知ってるよ。僕が番組で発言したのは、「三角関数は世の中で生きて行くために絶対に必要不可欠な知識じゃない。国民全員が深く知っておくべき知識ではない。興味がわかないなら、無理やりやる必要はない。授業内容を理解できないまま席に着くことは拷問以外の何ものでもないし、三角関数ができないくらいで劣等感を抱く必要もない」ということ。

今回、「三角関数は、国民全員が絶対に勉強しなければならない!」「これくらいのことを知らなければ恥ずかしい!」と叫ぶ人たちの姿をみて、僕は「あー、こういう人たちは世の中のことをほんと知らないんだな」とつくづく感じたね。

三角関数なんか深く知らなくても人間的に立派な人、仕事を成功させている人、人生を謳歌している人たちはたくさんいる。むしろ、ここで三角関数は絶対に必要だ! と喚き散らしている人たちよりも、仕事面でも、収入面でも、生活面でも人生充実していることの方が多いんじゃないか? 僕は自分の人生の中で、そういう人たちをたくさん見てきた。だから「人生において三角関数は絶対に必要不可欠な知識ではない」と断言できるんだ。

ところが、一部狭い空間だけで人生を過ごしてしまうと、そういう人生の充実者に出くわすことが少ないのか、三角関数が絶対的なものになってしまうんだろうね。そういう知識を持っているか否かで優劣が決まってしまう世界しか知らなければ、なおさらだ。

(引用終わり)

一見して、私には、何を言いたいのかよくわからなかった。何度か読み返して、印象に残ったのは、次の箇所だ。

(引用始め)

今回、「三角関数は、国民全員が絶対に勉強しなければならない!」「これくらいのことを知らなければ恥ずかしい!」と叫ぶ人たちの姿をみて、僕は「あー、こういう人たちは世の中のことをほんと知らないんだな」とつくづく感じたね。

(引用終わり)

こんな人達が本当に、世の中に大勢いるのだろうか?私は技術屋だが、「三角関数を知らない人はバカだ」などと思った事は、これまで一度もない。私は数学が元々得意では無かったが、その私でも、高校の三角関数は理解出来た。三角関数が理解出来なくて劣等感を抱いているなら、その人は、先生の教え方が単に良く無かっただけだと思う。その周りにいる人々が、数学の理解に協力的で無かっただけだ。劣等感を持つ必然性など全く無い。

私の実感として、理科系を生業とする方々で、三角関数レベルの数学を日本人の誰もが理解するべきだ、などと思うのは、誰もいないのではないか?普段からそう思っているので、橋下が上のように喚いても、「何じゃソリャ」という違和感しか、私には持てない。

橋下の議論は、現実に存在しない論争相手を仮定して、無意味な理屈を展開する事で、自分を正当化しようとしているだけだと思う。武谷三男という有名な物理学者がかつていた。武谷は、ルイセンコというソビエトのインチキ生物学者の主張を正当化しようとして、昔、他の学者と論争になった。その詳細を書いた伊藤康彦氏の著作によると、相手を論破する際に武谷は、相手が言ってもいない論点を持ち出して、それを否定する事で、相手を貶めるという反則技を、度々使っているという。

今回の橋下の三角関数否定論も、存在しない相手の、架空の主張をデッチ上げて、それを論破する事で、自分の存在感を煽っているだけでは無いのか?

三角関数は高校で習う内容なので、義務教育の課程では出てこない。しかし、高校数学の内容から三角関数を削ると、一体、数学の時間では何を教えれば良いのだろうか?高校では、数学そのものを選択科目にするしかないと思う。数学が苦手な高校生は、習わなくて良くなるだろう。そうすると、英語の苦手な高校生は英語をやらずに、社会の暗記が嫌な高校生は社会をやらなくなるだろう。

しかし、高校の科目を全部選択制にするなら、そもそも、何のために高校に行く必要があるのか?高校に通わずとも、専門の塾とか語学学校などに通って、個別に単元を学べば、それで済むのでは無いのか?橋下の主張は、高校教育の否定にしか私には思えない。私の誤解なのだろうか?

要するに、中学の義務教育を終わったら、あとは自分で必要に応じて好きに学べば良い、という事だ。しかし、それならそれで、中卒の学歴者であっても、生活に不自由なく仕事に就いて、家族を末永く養って行けるような、社会の仕組みを今の日本で作るべきだ、と私には思える。

そんなことまで、橋下はちゃんと考えてくれているのか?元政治家として責任を持てるというのか?。

高校で教わる内容にわからないところがあっても、そんなにも無駄なのか?誰もがそれで、たまらなくストレスを感じるのだろうか?世の中にある様々な学問の、入口だけでも覗いて見ることで、現実世界と精神世界の広がりと関係性を、何となく感じるだけで良い。それだけでも後の人生に十分役に立つのではないのだろうか。内容が理解出来なくとも。職業に結びつかない知識は、全て無駄だから切り捨てろ、とは、私には思えない。

一見合理的な主張に思えるが、橋下の主張は、誰もが与えられている均等な学びの機会を剥奪するものでしかない。他の方も書かれていたが、橋下は、社会に存在する貧富の格差を固定する危険主義者である。原発推進を主張する私が見ても、そう感じる。

相田英男 拝



[69]下町ロケット(第2部)
投稿者:相田英男
投稿日:2019-01-08 20:36:31

相田英男です。

年始に最終話が放送されたこのドラマには、私も観入ってしまいました。架空の話なので、細かいところに無理も多い内容ですが、私は素直にいい話と思いました。

一方で、ネットには次のような意見もあります。一部を引用します。

(引用始め)

佃製作所はやっぱりブラック企業」と感じてしまう、3つの理由

1/8(火) 8:15配信
ITmedia ビジネスオンライン

 先週、ドラマ「下町ロケット」(TBSテレビ)の新春特別編が放映され14.0%という高視聴率を叩き出した。
(中略)

 このドラマは、ロケット技術者から町工場の社長となった主人公・佃航平と、彼が率いる「佃製作所」の社員たちが高い技術力を武器に、さまざまな困難に立ち向かって夢をつかむというストーリー。「ものづくり」に情熱を注ぐ技術者たちが織りなす感動ドラマに、お正月から胸が熱くなったという方も多かったのではないか。
(中略)

 ただ、これから日本の労働現場であらためなくてはいけない「悪しき労働文化」が、このドラマで肯定的に描かれているどころか、現実にはあり得ないほど美化されてしまっているのは紛れもない事実だ。

 高校野球、大学スポーツ、アマチュアスポーツ団体などで体罰・パワハラ上等というゴリゴリの体育会カルチャーが根付くこの国で、常軌を逸した体罰や“しごき”を美化するスポ根アニメ・ドラマが公共電波でじゃんじゃん流されていたことを踏まえれば、「下町ロケット」が労働現場に与える影響を見くびってはいけない、と申し上げたいのである。
(中略)

 「働く」ということは、「夢をかなえるため」「自分が成長するため」と経営者から叩き込まれた社員は、自らすすんで時間外労働やサービス残業に身を投じ、低賃金や低待遇であっても不平不満を口にしない。採用ページなどで「夢」「自己実現」「成長」といううたい文句を掲げるブラック企業が多いのはそのためだ。
(中略)

 タイトルにもなっているロケットや、今回の無人トラクターなどは実はすべて社長である佃航平の「夢」だったが、彼の熱意にほだされるうち、気が付けば全社員がその「夢」を追いかけている。ブラック企業における「やりがい搾取」の典型的なパターンだ。

 だから、社員たちは自らすすんで残業をする。佃航平に「もう帰れ」と言われても自主的に遅くまで働いている。それどころか、業務外の労働まで喜んでやってしまう。

 ドラマをご覧になった方はよく分かると思うが、佃製作所の社員たちは、佃社長の思い付きで、他社の訴訟のために調査や、農作業など時間外労働にも駆り出されている。あれに賃金が支払われているか否かは不明だが、もし払われていないのなら完全に「やりがい搾取」である。
(中略)

 もし佃製作所のような従業員200人規模の社長が、自分の「夢」を社員に押し付けて、それを理由に、長時間労働や、業務と関係のない仕事をやらせていたら――。間違いなく社員たちから不満が噴出し、「洗脳系ブラック企業」として大炎上してしまうだろう。

 いくら家族的な雰囲気の中小企業といえど、宗教団体ではないのだ。

(引用終わり)

相田です。放送された話の流れを単に追っていくと、上の通りです。が、技術屋としての私の感想は少し違います。

前回のシリーズでありましたが、主役の佃社長という人は、天下の帝国重工に先んじて、高性能のバルブシステムを自ら考案して、特許を取ってしまいます。一流大企業が数十人のプロジェクトで開発した技術を、粗末な環境の中でも、たったの数人で先に開発し終わる設定です。少なくとも10年くらいは、他社よりも進んだ発想を持っていると予想します。会社の社長の前に、技術者として超一流の腕とアイデアを持つ人物です。

佃社長くらいの能力があれば、彼が書く図面や技術レポートを読むことで、「凄い」と感動して、近くで技術を学びたいという若者が、自然に集まって来るでしょう。優れた技術には、他の技術者を感動させる力があります。私が若い時に、自分よりも何段階もレベルの高い能力を持つ技術者を見かけた時には、素直に感動した記憶があります。話の内容や、彼の書いた論文の記述が、非常に趣き深く、美しいのです。

その人の存在を知った時には、「自分も努力したら、ああなれるかもしれない」と、寝る間を惜しんで実験したり、テキストを読んだりした記憶があります。ほんの数年間でしたが、技術者としてのレベルアップのきっかけになりました。

一流の能力を持ってはいるけど、報われない。そんな技術者の周りに、腕に自信のある若手が自然に集まって出来たのが、佃製作所だと思います。

佃社長は熱く理想を語って若手を洗脳するのではなく、本当は、黙って技術を見せるだけで導いているのだと、私には思えます。ただし、それだとドラマにならないので、テレビではわかりやすく、熱く語っているのです。

佃社長の本当の姿は、アイン・ランドの「水源」の主役の、ハワード・ロークのような人だと、私は思います。不遇ではあるけれど、一流の技術力を持っていて、語らずとも見る人が見れば実力が分かる。私がテレビを見る時には、頭の中で勝手にキャラ変してたので、あまり違和感はなかったです。

周りの若手も、優れた技術を学ぶために側にいるだけで、いつまでもブラックに甘んずる訳ではなく、いずれは独立するつもりでしょう。でも、技術屋でない人は、あれは浪花節で洗脳されてると、そのまま受け止めてしまうでしょうね。

ただ私は、自殺してしまった電通の女の子のように、自らが望まずに激務に晒される事を良しとは思いません。相手の実力が自分を遥かに上回る事が、冷静に考えて判断できた時に、謙虚に学ぶ姿勢を持つことが大切だと思います。

相田英男 拝






※以下のフォームから自分の投稿した記事を削除できます。
■記事No ■削除番号